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映画:OLD [映画]

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映画「NOPE」の感想(リンクはこちら)を書いた際、ふと思い出したので、映画「OLD」の感想を――作風が似ているわけではないですが。
去年の9月(もう1年も前のことなんですね)に観たのですが感想を書いていませんでしたので(ほかにも感想を書いていない映画はいっぱいありますが)。


シネマ・トゥデイから引用します。
見どころ:『シックス・センス』『スプリット』などのM・ナイト・シャマラン監督によるサバイバルスリラー。バカンスで秘境のビーチを訪れた一家が、異常な速さで時間が進む奇妙な現象に見舞われる。謎めいたビーチから脱出すべく奮闘する一家の父を『モーターサイクル・ダイアリーズ』などのガエル・ガルシア・ベルナルが演じ、『ファントム・スレッド』などのヴィッキー・クリープス、『ライ麦畑で出会ったら』などのアレックス・ウルフのほか、トーマシン・マッケンジー、エリザ・スカンレンらが共演する。

あらすじ:バカンスを過ごすため美しいビーチを訪れ、それぞれに楽しいひと時を過ごすキャパ一家。そのうち息子のトレントの姿が見えなくなり、捜してみると彼は6歳の子供から青年(アレックス・ウルフ)へと成長した姿で現れ、11歳の娘マドックスも大人の女性(トーマシン・マッケンジー)に変貌していた。不可解な事態に困惑する一家は、それぞれが急速に年老いていることに気付く。しかしビーチから逃げようとすると意識を失なってしまい、彼らは謎めいた空間から脱出できなくなる。


結構評判の良かった映画だったように思うのですが、個人的にはかなり複雑な印象の映画でした。
といっても、こちらの勝手な思い込みのせいではありますが。

ホテルの支配人(だと思われます)に紹介され訪れたビーチ。
そこから抜け出すことはできず、不思議なことにどんどん急速に年老いてしまう。
と、あらすじにある通りに進んでいき、非常に不穏な気持ちになります。
そしてビーチを取り囲む崖の上になにやら人影がちらほらと。

と、ここで人影が見えることから、このビーチで起こる現象は人為的なものなのだ、主人公一家を含めビーチに来た人たちはなにか恐ろしい陰謀に巻き込まれた被害者なのだ、と思ったのです。
ミステリの読みすぎです(笑)。
でも、冒頭に掲げたポスターに「謎解きタイムスリラー」と書かれているのですから、こう考えても無理はないでしょう。日本における宣伝の不手際(あきらかに間違った方向に観客を誘導してしまうコピーで不手際だと思います)だと思います。

一家を含め一同が被害者というのは正しかったのですが、老化現象が人為的、というのは間違った思い込みでした。
制作側からしたら理不尽に思われるでしょうが、ここに強烈な不満を感じました。
老化現象が進むビーチが偶然発見されたというエピソードでも伏線として事前にあれば、あるいは老化が進むメカニズムについてもっと突っ込んだ解説でもしてくれていれば、満足したのですが。


この強烈な肩すかし(だから、こちらの勝手な思い込みのせいです笑)の後の展開は面白いです。
老化が進むビーチという存在を前提にしたら、非常に優れた思いつきのもと物語が組み立てられていたと思います。
許される行為ではないですが、映画や小説の世界だとしたら、すごくいいですね。(こういう発言は人格を疑われるので控えましょう)

ということで、プラスとマイナスの感じが入り混じる複雑な感想となりました。
でも、M・ナイト・シャマランの作品って、いつもこんな感じな気がしますね。



製作年:2021年
原 題:OLD
製作国:アメリカ
監 督:M・ナイト・シャマラン
時 間:109分


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