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C.M.B.森羅博物館の事件目録(32) [コミック 加藤元浩]


C.M.B.森羅博物館の事件目録(32) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(32) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/06/17
  • メディア: コミック

<カバー裏帯あらすじ>
イランで発掘されたネアンデルタール人の化石、資金を出したのはイギリス。化石を持つべきはどちらの国か、そして消えた化石の行方は――森羅はどんな答えを導き出すのか 《「灯火」他3編を収録》


この第32巻は、
「灯火」
「混信」
「邪視除け」
「魔道の書」
の4話収録。

昨日感想を書いた「Q.E.D.iff -証明終了-(4) 」(講談社コミックス月刊マガジン)と同時発売だったのですね。
こちらの帯には、
“文系”名探偵がひも解く推理絵巻
とあります。
例示としてこちらに挙がっているのは、デニソワ洞窟とグリモワール。
文系、理系という旧態依然とした分け方には異論がないわけではないですが、こういう対比をしてみせるのはおもしろいですね。

「灯火」
考古学的遺産の所有権というのは難しい問題ですよね......
「僕達研究者がやってるのはまだ見つかっていない物語を探し出すことだ
 暗闇の中に火を灯す役目なんだ」
という森羅のセリフが印象的です。
金庫から盗むトリックは、見るからに...と言う感じなので感心はできないうえ、捜査で捜査で簡単に見抜かれると思うのですが。
絵として面白かったのは、途中ロンドンのシーンでピカデリーサーカスが出てくるのですが、その街頭のスクリーンを利用した宣伝のところで、QEDとCMBがさらっと描かれていること。
あと、その上にビッグベンとロンドン・アイが描かれているコマがあるのですが、これ、一番最後のコマと同じでしょうか???(すくなくともアングルは同じです)

「混信」
トランシーバーで混信した会話。
相手の居場所をつきとめる、という話に発展していきます。
スリリングに展開して、カッコいい話になっているのですが、このラスト、嫌いです......加藤元浩のいじわる。

「邪視除け」
洋品店での殺人事件です。
ところで、洋品店ってどういうお店を指すのか、個人的にはわかったようなわからないような感じです。
密室状況になっている現場で、邪視除けのネックレスが決め手となっていくという王道のミステリなのですが、うーん、このトリック、知り合いばかりという状況下で無理がないでしょうか。
個人的には、1コマだけですが、ひさしぶりにヒヒ丸が出て来たので満足です。

「魔道の書」
マオが登場し、森羅が魔導書(グリモワール)をめぐる謎を解きます。
失われたと思われる魔導書を探すのですが、火事で魔導書が燃えちゃったという場面で、
「魔導書が紙やパピルスで作られていたらひとたまりもないだろうが、記録を長く残すために金をかけて製本してたなら、羊皮紙(ヴェラム)に書かれたいたはず....!
 だとしたら焼け残ってるかも....」
というセリフが出てきますが、羊皮紙は燃えにくいのですね。
昔ながらの書見台が出てくるのも楽しい。こういうのもマンガだから訴える力が大きくよいですね。
最後に森羅が明かす魔導書のありかは、もっと前にみんなが気づいていそうですが、盲点に入っていたのでしょうか。
ところで1コマ目にビッグベンが出てきまして、これまた「灯火」のものと同じ構図です。
ビッグベンの指す時間がどれも同じというのがおもしろいです。
雲の形は違うようですが、どちらも同じ資料をつかわれたのでしょうね。


タグ:CMB 加藤元浩
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