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天使に賭けた命 天使と悪魔 10 [日本の作家 赤川次郎]


天使に賭けた命 天使と悪魔 10

天使に賭けた命 天使と悪魔 10

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/08/30
  • メディア: 単行本



「ヴィーナスは天使にあらず」 (角川文庫)(感想ページはこちら)に続くシリーズ第10弾。
前作同様単行本で出版されました。
短編集で、裏側の帯に各話の簡単なあらすじがついています。

マリが働き始めた旅館で金塊をめぐる怪しい動きが 「湖の底の金塊」
「小箱」を届けるだけの楽なお仕事のはずが怪しい男に追いかけられて。 「危険を運ぶ道」
父親を捜す少女を手伝うことになったマリとポチ。調査中に死体を発見 「絆はどこに行った」
病院の検査結果を待つマリとポチ。誘拐事件に、拳銃発砲…行く先々で事件に遭遇 「5時から7時までのマリとポチ」
一組の男女の身分差の恋に巻き込まれてしまい―― 「華やかな死神」
マリがなりゆきで参加したオーディションで、殺人未遂事件が発生 「天使に賭けた命」

このシリーズ、なんだかんだ言っても、窮地に陥ったヒロインが、ちゃんと人の善意に支えられて助かる、という枠組みが多いのですが、この「天使に賭けた命 天使と悪魔 10」では、天使だと言ってしまうマリに悪者が呆れてしまって助かっちゃう、というパターンが多かった気がします。
人の善意が薄れてしまったのでしょうか?
いつもながらの、「ゆるさ」「ぬるさ」をもっと味わいたいのですが。

今回面白いな、と思ったのは、第三話「絆はどこに行った」で、マリとポチがしっかりした仕事と住むところを確保していること!
さらっと説明されているのですが、銀座の画廊を経営する画商久保田良子を助けたことから、仕事と済むところを世話してもらった、というのです。
どうしてそのエピソードを物語にしなかったのでしょうね?
そして、次の第四話「5時から7時までのマリとポチ」のエンディングでは、
「潮どきだね。私たち、甘えすぎてたよ」
「あんなに居心地のいい所で、何不自由なく暮してたら、研修にならない」
といって、仕事も住まいも手放してしまいます。
うーん、なんだったんだろ? 



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