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映画:僕と幽霊が家族になった件 [映画]

僕と幽霊が家族になった件.jpg


さらに映画の感想を続けます。
台湾映画の「僕と幽霊が家族になった件」


シネマ・トゥデイから引用します。

見どころ:中国などに古くから伝わる風習「冥婚」を題材にしたコメディー。若くして亡くなったゲイの青年との「結婚」を強いられた警察官が、ある事件の犯人を逮捕するため、幽霊の青年の助けを得て事件解決を試みる。監督・脚本は『目撃者 闇の中の瞳』などのチェン・ウェイハオ。キャストにはドラマ「時をかける愛」などのグレッグ・ハン、『恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~』などのリン・ボーホン、『返校 言葉が消えた日』などのワン・ジンらが名を連ねる。

あらすじ:捜査中に祝儀袋を拾ったさえない警察官ウー・ミンハン(グレッグ・ハン)は、古くから伝わる風習「冥婚」によって、若くして事故死したゲイの青年マオ・バンユー(リン・ボーホン)と「結婚」する羽目になってしまう。想定外の事態に困惑し、マオ・バンユーの幽霊に悩まされるウー・ミンハンだったが、あるひき逃げ事故の犯人を捕まえるため、彼の力を借りる。


映画のHPからIntroduction を引用します。
今年2月に公開され、台湾で爆発的ヒットとなった映画『僕と幽霊が家族になった件』がついに日本上陸!
 本作は『紅い服の少女』シリーズ(15・17)や『目撃者 闇の中の瞳』(17)を手掛けた台湾の大ヒットメーカー、チェン・ウェイハオ(程偉豪)監督の新作で、台湾で古くから伝わる習俗"冥婚"がユーモアたっぷりに、またそこから生まれる家族の絆が感動的に描かれています。

 冥婚(めいこん)とは、生者と死者が行う結婚のこと。習俗としての冥婚は、結婚と死生観に関わるものとして中国を始めとする東アジアや東南アジアに古くから見られる。『三国志・魏伝』では、13歳の若さで未婚のまま亡くなった曹操の八男・曹沖の葬儀にあわせ、同時期に亡くなった甄氏の娘の遺体をもらいうけて曹沖の妻として埋葬したという記述がある。
 台湾を含め一部地方の場合、未婚のまま亡くなると、道端に遺族が本来ご祝儀を入れる赤い封筒「紅包」を路上に置き、拾った者は死者と形式上の「結婚式」が強要される。もしそれを拒否すると、罰が当たり不幸になるという説もある。

 警察官ウー・ミンハンを、台湾で「新・国民的彼氏」と呼ばれているモデルでイケメン俳優のグレッグ・ハン(許光漢)(『ひとつの太陽』(19)ドラマ『時をかける愛』(19))が、ゲイの青年マオ・バンユーを実力派俳優のリン・ボーホン(林柏宏)(『恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~』(20)『青春弑恋』(21))が、ウー・ミンハンのバディで可愛らしい外見からは想像もつかないタフな警察官を、新世代を代表するワン・ジン(王淨)(『返校 言葉が消えた日』(19)『瀑布』(21))が演じ、大人気俳優陣の共演も話題になりました。

 台湾では旧正月映画として今年2月に公開され、初日には『THE FIRST SLAMDUNK』『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を押さえて堂々の第1位を獲得、笑って泣けると評判になり、興行収入3.6億台湾ドル(約16億円)を突破した本作の、貴重な日本上映の機会をぜひお見逃しなく!


上に引用した見どころには、「コメディ」とあり、それはそれで正しいのですが、いろいろな要素を盛り込んだ映画になっています。
なので、見どころがとても盛りだくさん。
どの要素にどう反応するかは人それぞれかと思いますが、どの要素も楽しめました。

物語は、警官ウー・ミンハンが追う麻薬事件の捜査と、彼の冥婚の結婚相手であるマオ・バンユーが死ぬことになった轢き逃げ事件の追及、そしてゲイであるマオ・バンユー自身の物語の大きく3つの柱で構築されています。
この柱のバランスがとても心地よい映画でした。

個人的にはもうちょっと笑いの比重を上げてくれてもよかったように思いましたが、劇場内は笑いであふれていましたので、こちらの感性がずれているのかもしれません。

それにしても台湾はダイバーシティの観点が進んでいるのでしょうか? 同性婚が認められているということですが、伝統的な冥婚でも同性婚が行われるという設定の物語になっています。
とはいえ、BLドラマ的な展開を辿るわけではありません。
笑いの中にも、マオ・バンユー自身の物語として、ゲイをめぐる問題がしっかり扱われています。

麻薬捜査の方は、どうしてもミステリ的興味を持って観てしまうところで、するといろいろと言いたいことは出てくるのですが、ミステリ映画にしようとした作品ではないので、あれこれ言いたてるのは野暮というものでしょう。持ち駒の中で意外性に賭けた心意気を買いたいです。
途中香港映画「インファナル・アフェア」の名前が出てきて思わずニヤリとしました。

僕と幽霊が家族になった件 001.jpg

画面右側が警官ウー・ミンハンで、左側がマオ・バンユー。
台湾では人気のある方々のようです。

ところで、中国語がわからないので原題はさっぱりなのですが、気になったのは英語タイトル。
”MARRY MY DEAD BODY” となっていて直訳すると”私の死んだ体と結婚せよ”。とすると視点はマオ・バンユーの方ですね。
一方で邦題は、”僕と幽霊が家族になった件” ですから視点はウー・ミンハン。
英題と邦題で、視点が変わるというのは興味深いな、と。
物語の比重としてはマオ・バンユーが大きいのですが、映画としての視点人物はウー・ミンハンだと思われますので、ここは邦題に軍配を上げたいような気が。
でも ”家族になった” というのは少々腰が引けていますね。日本では冥婚が一般的にではないので、苦労されたのだと思います。とはいえ、原語は家人という文字が見えますので、原題に即した訳語かも。

とても楽しいいい映画でした!


原題:關於我和鬼變成家人的那件事
英題:MARRY MY DEAD BODY
製作年:2023年
製作国:台湾
監 督:チェン・ウェイハオ
時 間:130分



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