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サイン会はいかが? [日本の作家 大崎梢]


サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/03/11
  • メディア: 文庫


<背表紙あらすじ>
「ファンの正体を見破れる店員のいる店で、サイン会を開きたい」――若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に名乗りを上げた成風堂だが……。駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれるさまざまな謎に取り組んでいく。表題作を含む五編を収録した人気の本格書店ミステリ、シリーズ第三弾。

「配達あかずきん―成風堂書店事件メモ」 (創元推理文庫)「晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)」 (創元推理文庫) につづくシリーズ第3弾。
ミステリ好きな人って、本屋にも結構な頻度で行く人が多いでしょうし(=本屋が好きな人も多いでしょうし)、本屋を舞台にしたミステリって、なかなか狙い目としていいですよね。本屋の内情というのにも興味ありますし。
昔なら、どんどん事件を起こすのも大変だったと思うのですが、最近だと「日常の謎」にすればいいので、むりやり殺人事件を設定する必要もありません。
シリーズになっているので、各作品でバラエティを持たせようと、いろいろなパターンを登場させているのには好感が持てます。
しかしながら、やはりミステリ味が薄すぎるのではないでしょうか? 登場人物もいい人ばかり、というのも、ミステリとしてはマイナスかな? 創元推理文庫から出るからには、もう少し濃い目の作品を期待したいところです。
逆に言うと、ミステリを期待しない人には長所かもしれません。大げさではないさりげない謎。どぎつい事件も起きません。いい人ばかりということはかなり人の善意を信じられるということ。ほろりとさせるようなエピソードも随所に。この世界には確かに魅力があります。そういう話を求める方には絶対のおすすめ。
それにしても、後味が悪くなりそうな話でも、後味が悪くならないように、ひょいと解釈をひっくり返してみせる作者の手際はあざやかで、その手法はミステリを作るときにも十分発揮できると思うので、ぜひぜひ、本格的なミステリを書いてください、とお願いしたいです。
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