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映画:夏への扉 [映画]

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すっかり感想を書いた気でいたのですが、原作「夏への扉」 (ハヤカワ文庫SF)感想を書くときに書いていないことに気づきました。

もともと2月19日公開予定だったものが6月25日に延期されたもので、7月に入って観ました。
上に貼ったチラシに書いてあるのですが、世界初の映画化なんですね。
原作が大好きな作品だったので、実は観るの、とても不安でした。
イメージが壊されたらいやだなぁ、と。
結果これが大当たり。とてもいい映画だなぁ、と思いました。

映画のHPから引用します。

------------ Introduction ------------
60年に渡り愛される伝説の小説
「夏への扉」世界初の映画化

1956年にアメリカで発表されて以来、色褪せぬ名作として世界中で愛される「夏への扉」(著:ロバート・A・ハインライン)。
プロデューサーの小川真司氏が、「タイムトラベルものは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も含めて数々あれど、時間旅行ものというジャンルを確立させた本作は後の作品に大きな影響を与えた古典中の古典と言える」と語る、多くのハリウッド映画に影響を与えた伝説の小説が全世界の初の映画化。
本作では、舞台を日本に再構築。罠にはめられすべてを失った科学者が、1995年から2025年へ時を超え大切な人を救う物語を描く。


------------ Story ------------
1995年の僕と2025年の僕で、君を救え!
30年の時を超えて、未来を変える扉を探す――

将来を期待される科学者の高倉宗一郎は、亡き養父である松下の会社で研究に没頭していた。
早くに両親を亡くしずっと孤独だった宗一郎は、自分を慕ってくれる松下の娘・璃子と愛猫ピートを、家族のように大事に思っていた。
しかし、研究の完成を目前に控えながら、宗一郎は罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまう。

目を覚ますと、そこは30年後の2025年の東京、宗一郎は研究も財産も失い、璃子は謎の死を遂げていた―
失って初めて、璃子が自分にとってかけがえのない存在だったと気づく宗一郎。
人間にそっくりなロボットの力を借り、30年の間に起こったことを調べ始めた宗一郎は、ある物理学者にたどり着く。
驚きの事実を知った宗一郎は、再び1995年へと時を超える。
ただ、璃子を救うために―

彼女は言ってくれたんだ。
「あきらめなければ、失敗じゃないでしょ」と――



設定は、舞台を日本に、時代を1995年とその30年後の2025年と変えてあります。
けれど、見事に、ぼくが観たい「夏への扉」のエッセンスが詰め込まれていました。
センチメンタルだね、甘すぎるという人もいるでしょう。それでもかまいません。
原作を再読してちょっとあれっと思った部分も修正されています。

原作には登場しない--いや、登場しないというのは正しくないですね--登場はしても扱い方の違う未来のロボットを藤木直人が演じているのですが、このロボットもまたいい。
ぼくが観たかったセンチメンタルにぴったり。

話のテンポもよかったですし、2025年の未来描写も素晴らしい。
2025年なんて、すぐ来ます。
この映画で描かれているような2025年には到底到達しないだろうな、と思えますが、それもおそらく制作陣がわざとやっているのだと思います。
現実よりも進んだ未来を見せるのもSFの役割だと。

主演の山崎賢人もよかったですね。
彼ならちゃんと発明家にも見えます。
また優柔不断というか、優しさが漏れ出してくる感じも。

個人的には邦画はほとんど観ないのですが、
「ああ、こういう映画観たいな~」
と素直に思えました。

興行的にはあまり振るわなかったようですが、いい映画です。
おススメしたいです。




製作年:2021年
製作国:日本




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松谷警部と三ノ輪の鏡 [日本の作家 は行]


松谷警部と三ノ輪の鏡 (創元推理文庫)

松谷警部と三ノ輪の鏡 (創元推理文庫)

  • 作者: 平石 貴樹
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/06/12
  • メディア: 文庫


<カバー裏あらすじ>
元プロゴルファー横手祐介の殺害を震源に、ゴルフ場経営や融資に携わる関係者、過去の因縁でつきまとうジャーナリストなど、周辺に複数の死者や行方不明者がいると判明して事件は一挙に多層化、松谷警部らを翻弄する。巡査部長に昇進した白石もまた、不可解な状況を解明する決め手を見いだせないまま焦躁の時を過ごすが……。伏線また伏線、一読三嘆の本格ミステリシリーズ第三作。


松谷警部シリーズ、と呼んでいいのでしょうね、帯に書いてありますから。
推理するのは、松谷警部ではなくて、部下の白石以愛巡査部長なんですけどね。

「松谷警部と目黒の雨」 (創元推理文庫)(感想ページはこちら
「松谷警部と三鷹の石」 (創元推理文庫)(感想ページはこちら
に続く第3作です。
このあと、
「松谷警部と向島の血」 (創元推理文庫)
でシリーズは完結しているらしいです。
いま、リンクをはる関係で amazon をチェックしてみたら、みんな品切れ状態のようですね。
もったいない!


いつものように(?)、創元推理文庫の常で、表紙をめくった扉のあらすじを引用します。

元プロゴルファーの横手祐介が台東区三ノ輪の自宅で殺害された。発見者は横手に呼び出された元妻の佐々木鴻子。二人の間には娘がいてプロゴルファーを目指しており、その関係でよりが戻りつつあった。当夜、横手は葉賀開発の石井経理部長と会う予定で、現場に「いしい」と読めるダイイング・メッセージが残され、当の石井は消息を絶っている。この状況に加えて、横手が関わる斜陽ゴルフ場開発に融資した常磐銀行の営業一課長、横手を目の敵にするジャーナリストの死が相次いで報告され、事件は一気に多層化して松谷警部らを困惑させるが……。これぞ謎解きの醍醐味、充実のシリーズ第三作。

こちらは細かく事件が書かれていますね、親切です。
ゴルフ場開発をめぐる、となると、いかにもバブル華やかな頃の話に思えてしまってちょっと脱力感、あれれと思うところもないではないですが、しっかりとした謎解きミステリです。

ゴルフが扱われていて、ゴルフクラブが重要な伏線?となっています。
そのほかにも、被害者が飼っていた金魚をめぐる考察もポイント高いですね。

次の「松谷警部と向島の血」 (創元推理文庫)にも、大きな期待が!


<2022.6.19追記>
ブログのタイトルがずっと間違って「松谷警部と三鷹の石」となっているのにようやく気づき訂正しました。



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