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C.M.B.森羅博物館の事件目録(29) [コミック 加藤元浩]

C.M.B.森羅博物館の事件目録(29) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(29) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/06/17
  • メディア: コミック

<帯あらすじ>
石油王が忍ばせた「生と死」を巡る秘密とは?
小さなお守りが明かすのは、立志伝中の人物が最期に求めたもの――
「プラクルアン」他 読み切りミステリ4編収録


この第29巻は、
「プラクルアン」
「被害者、加害者、目的者」
「椿屋敷」
「自白」
の4話収録。


「プラクルアン」
タイトルになっているプラクルアンというのは、タイで作られる 1cm ほどの小さな仏像のお守りのことらしく、カバー裏でも説明がついています。
怪物と呼ばれた石油王が大事そうにしまっていた安物のプラクルアンに込められた秘密。
「花の美しさを湛える時期にはどうしても見えない価値がある
 それは”命”だ
 いろいろな楽しみや贅沢にかき消され 生きている実感を失ってしまうんだ
 そしてその虚しささえも見失ってしまう
 だからこそ 自分の命を映す鏡が必要だ」
と孫娘に言っていた石油王。
謎を解くためにタイへ向かう森羅たち。
七瀬と孫娘に知らせる「答え」は王道なのですが、そのあと森羅がえぐる真相のえぐいこと。
ちょっとビターすぎて、読んでいるだけでダメージを受けちゃいました。

「被害者、加害者、目的者」は、初詣で遭遇したひったくり事件の顛末を描いています。
ひったくりの真相自体は特筆すべきところはないのですが、森羅の目のつけどころには(いつもながら)気が利いていると思いました。

「椿屋敷」はちょっと露骨な手がかりのおかげで底が割れやすくなっています。
皮肉なエンディングも効果をあげているようには思えませんでした。

「自白」は、なぜ自白したのか、というのがテーマで森羅が激怒するという珍しい展開を見せるのですが、これまた後味が......


C.M.B. って、こんなに悪意というか、邪な意図にあふれた物語でしたっけ?
子どもは大人が思うよりも強い存在ではありますが、このような味わいの作品を、月刊少年マガジンという媒体で発表したんですね......



タグ:CMB 加藤元浩
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