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映画:さらば、わが愛/覇王別姫 [映画]

さらば、わが愛/覇王別姫.jpg

映画の感想です。「さらば、わが愛/覇王別姫」
古い有名な映画です。いままで観たことがありませんでした。
公開30周年、レスリー・チャン没後20周年ということで4Kリマスター版が劇場公開されたので、観に行きました。

予告編を引用しておきます。


映画のHPから STORY を引用します。
京劇の俳優養成所で兄弟のように互いを支え合い、厳しい稽古に耐えてきた2人の少年――成長した彼らは、程蝶衣(チョン・ティエイー)と段小樓(トァン・シャオロウ)として人気の演目「覇王別姫」を演じるスターに。女形の蝶衣は覇王を演じる小樓に秘かに思いを寄せていたが、小樓は娼婦の菊仙(チューシェン)と結婚してしまう。やがて彼らは激動の時代にのまれ、苛酷な運命に翻弄されていく…。

一大絵巻、と呼びたくなる映画でした。
京劇の俳優である蝶衣と小樓(と小樓の妻となる菊仙)の物語であると同時に、中国の時代の流れの物語。

京劇というのは観たことがないのですが、歌舞伎のように男だけで演じるのが主流なのですね。
幼少期の訓練が苛酷でびっくり。まるで曲芸団の訓練のようだと思いました。

女形蝶衣(幼名、というか本名でしょうか、小豆子)をレスリー・チャンが演じていてこれが圧巻。
といいつつ、京劇の女形の甲高い歌声には違和感を覚えてしまいましたが......
対する覇王役の小樓(幼名、小石頭)はそれに比べると普通の人間に見えるのですが(へんな表現で申し訳ないです。それだけ蝶衣が特異な存在に仕上がっているのです)、ここは物語として非常に重要なポイントであるように思いました。

この二人に、菊仙という娼婦が絡み、小樓をめぐって蝶衣と鞘当てをずっと繰り広げる、というのが大枠。菊仙をコン・リーが演じていて、素晴らしい。
蝶衣視点で観てしまうと、敵役なので憎い女(小樓が囚われたときに日本兵のところへ行ってくれ、小樓が釈放されれば小樓とは別れるから、と蝶衣に頼み込んできたくせに、いざ釈放されるとそのそぶりも見せないところとか、ほんとに嫌な奴なんですよ!)ではあるのですが、強く弱い女には見入ってしまいます。

蝶衣と菊仙の対立を、小樓が凡人ならではの感性で、気にかけていなそうなところがまたもどかしい。

そこに時代の波に翻弄される京劇の悲劇が重ね合わされています。
劇中劇である「覇王別姫」の物語が悲劇であることから、この映画そのものも悲劇に終わるのではという予想が全編にわたり底流として観客の意識に流れます。
長い映画ですが、退屈することなく、緊張感を保ってラストを迎えます。

不満を述べておきますと......(ネタバレ気味ですので、ご注意ください)
この映画、非常に濃密に主人公たちを追っていきます(内面を俳優陣がしっかり感じ取らせてくれます)。
ラスト近辺の文化大革命での衝撃的なシーンのあと、時は流れてこれまた衝撃的なエンディングのシーンになります。
この2つの出来事の間の蝶衣と小樓の心の動きに触れられていないのが不満です。
文化大革命でのカタストロフィと呼んでもよさそうなシーンの後の葛藤が観客の想像に委ねられています。すべてを破壊しつくしてしまうような小樓の言動と、どう蝶衣は折り合いをつけたのか、あるいはつけなかったのか、わからないのがもどかしい。
勝手な想像ながら、小樓本人は自ら周りを破滅に追い込んでおきながら、ケロッとしているような気がしているのですが、蝶衣はそうはいかないでしょう......
エンディングについて、物語の結構としてこうでなければならないという以前に、蝶衣の心情から理解できるような気がしているものの、そこに至るまでが飛んでしまっているので、落ちつきません。

不満をあえて買いましたが、見応えのある映画でした。
この巨編を大きなスクリーンで観ることができてとてもよかったです。


<蛇足>
英題 ”Farewell To My Concubine” の Concubine って、妾(あるいは正妻以外の妻)という意味なんですよね......
なんだか含蓄深いです。



原題:覇王別姫 Farewell To My Concubine
製作年:1993年
製作国:中国/香港/台湾
監 督:チェン・カイコー
時 間:172分



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映画:僕と幽霊が家族になった件 [映画]

僕と幽霊が家族になった件.jpg


さらに映画の感想を続けます。
台湾映画の「僕と幽霊が家族になった件」


シネマ・トゥデイから引用します。

見どころ:中国などに古くから伝わる風習「冥婚」を題材にしたコメディー。若くして亡くなったゲイの青年との「結婚」を強いられた警察官が、ある事件の犯人を逮捕するため、幽霊の青年の助けを得て事件解決を試みる。監督・脚本は『目撃者 闇の中の瞳』などのチェン・ウェイハオ。キャストにはドラマ「時をかける愛」などのグレッグ・ハン、『恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~』などのリン・ボーホン、『返校 言葉が消えた日』などのワン・ジンらが名を連ねる。

あらすじ:捜査中に祝儀袋を拾ったさえない警察官ウー・ミンハン(グレッグ・ハン)は、古くから伝わる風習「冥婚」によって、若くして事故死したゲイの青年マオ・バンユー(リン・ボーホン)と「結婚」する羽目になってしまう。想定外の事態に困惑し、マオ・バンユーの幽霊に悩まされるウー・ミンハンだったが、あるひき逃げ事故の犯人を捕まえるため、彼の力を借りる。


映画のHPからIntroduction を引用します。
今年2月に公開され、台湾で爆発的ヒットとなった映画『僕と幽霊が家族になった件』がついに日本上陸!
 本作は『紅い服の少女』シリーズ(15・17)や『目撃者 闇の中の瞳』(17)を手掛けた台湾の大ヒットメーカー、チェン・ウェイハオ(程偉豪)監督の新作で、台湾で古くから伝わる習俗"冥婚"がユーモアたっぷりに、またそこから生まれる家族の絆が感動的に描かれています。

 冥婚(めいこん)とは、生者と死者が行う結婚のこと。習俗としての冥婚は、結婚と死生観に関わるものとして中国を始めとする東アジアや東南アジアに古くから見られる。『三国志・魏伝』では、13歳の若さで未婚のまま亡くなった曹操の八男・曹沖の葬儀にあわせ、同時期に亡くなった甄氏の娘の遺体をもらいうけて曹沖の妻として埋葬したという記述がある。
 台湾を含め一部地方の場合、未婚のまま亡くなると、道端に遺族が本来ご祝儀を入れる赤い封筒「紅包」を路上に置き、拾った者は死者と形式上の「結婚式」が強要される。もしそれを拒否すると、罰が当たり不幸になるという説もある。

 警察官ウー・ミンハンを、台湾で「新・国民的彼氏」と呼ばれているモデルでイケメン俳優のグレッグ・ハン(許光漢)(『ひとつの太陽』(19)ドラマ『時をかける愛』(19))が、ゲイの青年マオ・バンユーを実力派俳優のリン・ボーホン(林柏宏)(『恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~』(20)『青春弑恋』(21))が、ウー・ミンハンのバディで可愛らしい外見からは想像もつかないタフな警察官を、新世代を代表するワン・ジン(王淨)(『返校 言葉が消えた日』(19)『瀑布』(21))が演じ、大人気俳優陣の共演も話題になりました。

 台湾では旧正月映画として今年2月に公開され、初日には『THE FIRST SLAMDUNK』『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を押さえて堂々の第1位を獲得、笑って泣けると評判になり、興行収入3.6億台湾ドル(約16億円)を突破した本作の、貴重な日本上映の機会をぜひお見逃しなく!


上に引用した見どころには、「コメディ」とあり、それはそれで正しいのですが、いろいろな要素を盛り込んだ映画になっています。
なので、見どころがとても盛りだくさん。
どの要素にどう反応するかは人それぞれかと思いますが、どの要素も楽しめました。

物語は、警官ウー・ミンハンが追う麻薬事件の捜査と、彼の冥婚の結婚相手であるマオ・バンユーが死ぬことになった轢き逃げ事件の追及、そしてゲイであるマオ・バンユー自身の物語の大きく3つの柱で構築されています。
この柱のバランスがとても心地よい映画でした。

個人的にはもうちょっと笑いの比重を上げてくれてもよかったように思いましたが、劇場内は笑いであふれていましたので、こちらの感性がずれているのかもしれません。

それにしても台湾はダイバーシティの観点が進んでいるのでしょうか? 同性婚が認められているということですが、伝統的な冥婚でも同性婚が行われるという設定の物語になっています。
とはいえ、BLドラマ的な展開を辿るわけではありません。
笑いの中にも、マオ・バンユー自身の物語として、ゲイをめぐる問題がしっかり扱われています。

麻薬捜査の方は、どうしてもミステリ的興味を持って観てしまうところで、するといろいろと言いたいことは出てくるのですが、ミステリ映画にしようとした作品ではないので、あれこれ言いたてるのは野暮というものでしょう。持ち駒の中で意外性に賭けた心意気を買いたいです。
途中香港映画「インファナル・アフェア」の名前が出てきて思わずニヤリとしました。

僕と幽霊が家族になった件 001.jpg

画面右側が警官ウー・ミンハンで、左側がマオ・バンユー。
台湾では人気のある方々のようです。

ところで、中国語がわからないので原題はさっぱりなのですが、気になったのは英語タイトル。
”MARRY MY DEAD BODY” となっていて直訳すると”私の死んだ体と結婚せよ”。とすると視点はマオ・バンユーの方ですね。
一方で邦題は、”僕と幽霊が家族になった件” ですから視点はウー・ミンハン。
英題と邦題で、視点が変わるというのは興味深いな、と。
物語の比重としてはマオ・バンユーが大きいのですが、映画としての視点人物はウー・ミンハンだと思われますので、ここは邦題に軍配を上げたいような気が。
でも ”家族になった” というのは少々腰が引けていますね。日本では冥婚が一般的にではないので、苦労されたのだと思います。とはいえ、原語は家人という文字が見えますので、原題に即した訳語かも。

とても楽しいいい映画でした!


原題:關於我和鬼變成家人的那件事
英題:MARRY MY DEAD BODY
製作年:2023年
製作国:台湾
監 督:チェン・ウェイハオ
時 間:130分



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映画:ヴァチカンのエクソシスト [映画]

ヴァチカンのエクソシスト.jpg


映画の感想を続けます。
今日は「ヴァチカンのエクソシスト」

シネマ・トゥデイから引用します。

見どころ:カトリック教会の総本山ヴァチカンのチーフエクソシストとして、数多くの悪魔払いを行ったガブリエーレ・アモルト神父の回顧録を映画化。ローマ教皇からある少年の悪魔払いを依頼されたアモルト神父が、強大な悪魔に立ち向かう。監督は『オーヴァーロード』などのジュリアス・エイヴァリー。オスカー俳優のラッセル・クロウが主演を務め、『ドント・ブリーズ』などのダニエル・ゾヴァット、『セーラ 少女のめざめ』などのアレックス・エッソー、『続・荒野の用心棒』などのフランコ・ネロらが共演する。

あらすじ:1987年7月、サン・セバスチャン修道院。ガブリエーレ・アモルト神父(ラッセル・クロウ)はローマ教皇から依頼され、ある少年の悪魔払いに向かう。変わり果てた姿の少年が面識のない自分の過去を語る様子を見て、アモルトはこの変異が病気ではなく、悪魔の仕業だと確信する。相棒のトマース神父と共に本格的な調査を開始した彼は、やがて中世ヨーロッパで行われていた宗教裁判を巡る記録にたどり着く。


映画のHPからあらすじを引用します。
1987年7月──サン・セバスチャン修道院。
アモルト神父はローマ教皇から直接依頼を受け、憑依されたある少年の《悪魔祓い》(エクソシズム)に向かう──。変わり果てた姿。絶対に知りえないアモルト自身の過去を話す少年を見て、これは病気ではなく“悪魔”の仕業だと確信。若き相棒のトマース神父とともに本格的な調査に乗り出したアモルトは、ある古い記録に辿り着く。中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判。その修道院の地下に眠る邪悪な魂──。
全てが一つに繋がった時、ヴァチカンの命運を握る、凄惨なエクソシズムが始まる──


主演はラッセル・クロウ。
演じるアモルト神父って、当たり役ではないでしょうか。「グラディエーター」と並ぶ代表作といっていいのでは? (これとの対比でいうと、ジョン・ナッシュを演じた「ビューティフル・マインド 」はミス・キャストだったと個人的には考えています)

これ、ジャンル分けするとホラーでしょうか?
でも、実話、というから驚きです。
ちょっと藤木稟の「バチカン奇跡調査官」シリーズを思い浮かべながら見ました──奇跡と悪魔憑きではベクトルが違いますが。

最初の悪魔祓いが、ちょっとトリッキーで、かつユーモラスな解決策だったのと、メインディッシュであるサン・セバスチャン修道院での闘いの対比が強く印象に残ります。
サン・セバスチャン修道院での出来事は、ユーモラスさのかけらもありません。
アモルト神父にどんどん余裕がなくなって追いつめられていくさまが迫力。

頼りなさそうだった現地のトマース神父(演じているのはダニエル・ゾヴァットという役者さん)とのバディもののような展開になっていくところが見どころかと思いました。
どんどん成長を遂げるトマース神父に注目!

信仰というものに対する絶対的な信頼感がベースになった物語で、日本人の宗教観からすると(というふうに主語を大きくするとご批判があろうかとは思いますが)、それ(基本的には祈り)だけでそんなうまくいくかな? と思えるところはあるのですが、苦しい時の神頼みは日本人としても得意とするところですので、心の中で、うまくいってくれ、と祈るような気持ちで観ていました。
トマス・F・モンテルオーニの「聖なる血」 (扶桑社ミステリー)「破滅の使徒」 (扶桑社ミステリー)のようなとんでもない展開にならないように、と。

アモルト神父とトマース神父が探り当てたことは、それこそヴァチカン、キリスト教世界を揺るがすような重大事項だと思うのですが、わりとあっさりと扱われていて驚きました。

ところで、邦題は「ヴァチカンのエクソシスト」で、原題は「THE POPE'S EXORCIST」。
内容的にも、”ヴァチカンの” というよりは、原題通りに、"法王の"(あるいは”教皇の” )の方が良かったのでは?と思いました(映画全体として扱いは短いのですが、ヴァチカン内部での権力争い的なシーンも挿入されていますので)。



英題:THE POPE'S EXORCIST
製作年:2023年
監 督:ジュリアス・エイヴァリー
時 間:103分



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映画:インディ・ジョーンズと運命のダイヤル [映画]

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 1.jpg


映画を観ました。
「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」

失われたアーク《聖櫃》
魔宮の伝説
最後の聖戦
クリスタル・スカルの王国
と続いてきたシリーズの第5作ですね。

いつものようにシネマ・トゥデイから引用します。

見どころ:
ハリソン・フォードが考古学者の冒険家を演じる『インディ・ジョーンズ』シリーズで、宇宙開発競争が盛んだった1969年を舞台に繰り広げられるアクションアドベンチャー。アメリカとロシアの間で陰謀を企てるナチスの残党を阻止すべく、インディ・ジョーンズが立ち上がる。これまで監督を務めてきたスティーヴン・スピルバーグはジョージ・ルーカスと共に製作総指揮、『フォードvsフェラーリ』などのジェームズ・マンゴールドが監督を担当。フィービー・ウォーラー=ブリッジやジョン・リス=デイヴィス、マッツ・ミケルセンなどが共演する。

あらすじ:第2次世界大戦末期。考古学者のインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)らは手にした者が神になるほどの力を秘めるダイヤル“アンティキティラ”をめぐり、ナチス・ドイツの科学者ユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)と格闘する。そして1969年、インディの前にかつての仲間であるバジル・ショーの娘ヘレナ・ショー(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)と、フォラーが現れる。


つい先日観た、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」(感想ページはこちら)とつい比べてしまいますが、あちらと比べると、激しい場面はあっても、全体としておっとりした感じがする冒険活劇、という趣き。
劇場の入りがそれほどでもなかったので、こういうのは若い人には受けないのかなー、と思いました。

日常から荒唐無稽な部分に転じるところがこのシリーズならではの見せ場ではあるものの、少々雑な印象を受けました。
ナチからアルキメデスと来て ”時を操る” ダイヤルねぇ。

でもお約束のなんとなくのどかなカー・チェイスとか、洞窟探検とか、シリーズならではのアクションシーンは楽しかったですね。
懐かしい感じ。
インディ・ジョーンズのあのテーマ曲が流れてくれば、それで十分な気も(笑)。

個人的に気になったのは、テディ役の、イーサン・イシドールという俳優さん。
映画のHP(まったくの余談ですが、ディズニーによるこのHP、力が入っていないですね......売る気があまり感じられない。まあ、シリーズのファンが観ればいいや、という考えなのかもしれませんが)によると、フランス出身の現在16歳。少年役なのですが、子どもっぽい雰囲気のときもあれば、すごく大人びた表情を見せるときもあります。
もっと感情を見せるような役どころを演じているのを見てみたい気がしました。

インディ・ジョーンズ 運命のダイヤル thumb_indianajonesjp_chara5_teddy_a98cc38c.jpeg

クライマックスのシーンは、今回の相棒役であるヘレンによる鉄拳(?) がさく裂、なかなか小気味よいシーンになっていまして、「ダイハード」のラストのマクレーン刑事の妻ホリーによる一撃を思い出しました(鉄拳の趣旨はまったく違いますが)。

なんとなくエンディングからするとシリーズ最終作のような雰囲気が漂ってきます。
まあ、ハリソン・フォードも御歳ですし、これで幕というのがよいのかもしれませんね。


<蛇足>
タイトルの”ダイヤル” が気になっています。
ダイヤル、ダイアル、日本語ではどちらの表記もよく見受けられますが、英語は dial ですし発音的にもヤの音はないと思われますので、ダイアルという表記が好みです。



英題:INDIANA JONES AND THE DIAL OF DESTINY
製作年:2023年
製作国:アメリカ
監 督:ジェームズ・マンゴールド
時 間:154分



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映画:ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE [映画]

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE 1.jpg


映画を観ました。
トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」
──このシリーズ、ずっと見ているのですが、ミッションインポッシブルだったのですね。今まで注目していませんでしたが。日本語表記だけの問題ですけれど。

シネマ・トゥデイから引用します。

見どころ:
トム・クルーズ主演のスパイアクション『ミッション:インポッシブル』シリーズの第7弾。スパイ組織IMF所属の腕利きエージェントであるイーサン・ハントが、人類を脅かす新兵器を追う。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』に続いてクリストファー・マッカリーが監督などを担当。サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソンらおなじみの面々が集結する。

あらすじ:イーサン・ハント(トム・クルーズ)率いるIMFチームは、新兵器を探すミッションを下され、悪の手に落ちる前にそれを見つけ出そうとする。そんな中、IMFに所属する前のイーサンの過去を知る男が現れる。仲間たちと世界各地で命懸けの戦いを繰り広げるイーサンにとって、今回のミッションは絶対に成功させなければならないものだった。


映画のHPからあらすじを引用します。
IMFエージェント、イーサン・ハントに課せられた究極のミッション—全人類を脅かす新兵器が悪の手に渡る前に見つけ出すこと。
しかし、IMF所属前のイーサンの“逃れられない過去”を知る“ある男”が迫るなか、世界各地でイーサンたちは命を懸けた攻防を繰り広げる。
やがて、今回のミッションはどんな犠牲を払っても絶対に達成させなければならないことを知る。
その時、守るのは、ミッションか、それとも仲間か。イーサンに、史上最大の決断が迫る—


前作「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」(感想ページはこちら)はイギリスの映画館で観たので、セリフがちゃんとは聞き取れず、あらすじがぼんやりわかっただけだったのですが、このデッドレコニングは日本で字幕付きで観ただけあって、あらすじがよくわかる(笑)。字幕のありがたみを強く感じました。

核兵器までたどり着いてしまったシリーズですが、今回はちょっと路線を変更してコンピューター、AIの世界へ。
(核爆弾も冒頭の空港のシーンで出ては来るのですが、だしに使われている感じです。余談ですが、空港のシーンでは、五條瑛のROMESシリーズを思い出しました。)

アクションに次ぐアクション、山場に次ぐ山場で、2時間以上ある映画の長さをまったく感じませんでした。
ところどころにわかりやすい笑い処も紛れ込まされていて、ずっと楽しんで観ていられます。
舞台も中東の空港、ローマ、ヴェネツィア、オリエント急行とかなり派手です。

このシリーズ、トム・クルーズが体当たりでするスタントシーンに注目がよく集まります。
そのこと自体ははすごいとは思っても映画としては特に何も感じないものの(なんでもかんでも主演俳優が自分でやらないといけないというものではない、と思っていることに加え、スタントも映画の重要な要素ですから、スタント俳優を排してメインの俳優が演じてしまうとスタントそのものの発展に寄与しないような気がしてちょっとネガティブな感覚を抱いてしまいます)、事前の宣伝や予告編でそのシーンがクローズアップされることで、映画の山場に観客の注意を一層強くひきつける効果があるんだな、と特にこの「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」で感じました。
さらに、このスタントシーン自体は、ミッション:インポッシブルというくらいですから、まさに不可能事な動きを見せるので、展開自体が現実感のないものになってしまうのですが、実際にトム・クルーズがスタントに挑んだ、というと、不思議な現実味が加わって上手に観客をだましているような気がします(まあその意味では、スタントマンがやっても人間がやったことに変わりはないので同じなのですが、スタントマンがやっていれば宣伝には使いにくいでしょう)。
スタントを実際にトム・クルーズがやった、ということと、映画の中のミッションとしてそれが成功する、というのはまったく別物なのですが(たとえば、崖から飛ぶというシーンを演じ、実際に飛んでみせたところで、飛ぶことは成功しても、狙い通りに狙った場所に飛んで行ったかというのは別ですよね)、なんとなくミッション自体がうまくいったように思えてしまいます。

ハラハラドキドキ、文字通り手に汗握る映画体験でとても楽しみました。

タイトルにもあるように、この作品には当然のごとくPART2 があるわけで、その後に物語は続きます。
PART1にネタバレにもなりそうですが、勝手な予想(たいした内容ではないですが)を書いておきたいと思います──自らの心覚えのために。
気になる方はこの後の部分は読まずにおいてください。一応色を変えておきます。
1) PART2は、米高官であるキトリッジがメインの敵役となり、ガブリエルや各国の思惑がこれに絡む
2) PART1ではイーサン・ハントの邪魔をすることになったエージェントが味方になる。
3) 黒人エージェントは、IMFのメンバーになるかも。
4) グレースは、PART2の途中でイーサン・ハントに敵対するキトリッジサイドにつく。
5)ただし、最後にはイーサン・ハント側となる。
6) PART1から物語の鍵であった、AIの”カギ”は、意外とショボい気がする──オリジナルのソースコード云々という話が出てくるけれど、おそらくがっかりさせられるようなものの気がする。



英題:MISSION: IMPOSSIBLE - DEAD RECKONING - PART ONE
製作年:2023年
製作国:アメリカ
監 督:クリストファー・マッカリー

時 間:133分



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映画:探偵マーロウ [映画]

探偵マーロウ 1.jpg

いつものように(?) 「シネマトゥデイ」から引用します。

見どころ:『MEMORY メモリー』などのリーアム・ニーソン主演のミステリー。私立探偵のフィリップ・マーロウが、ある女性から失踪した愛人の捜索を依頼されたことをきっかけに映画産業の闇に飲まれていく。監督は『グレタ GRETA』などのニール・ジョーダン。『女は二度決断する』などのダイアン・クルーガー、『素敵な遺産相続』などのジェシカ・ラング、『スーサイド・スクワッド』などのアドウェール・アキノエ=アグバエのほか、ダニー・ヒューストン、アラン・カミングらが出演する。

あらすじ:1939年、ロサンゼルス。私立探偵フィリップ・マーロウ(リーアム・ニーソン)のもとに、裕福そうな金髪の美女が現れて、突如姿を消した愛人を捜してほしいと依頼する。依頼を引き受けて愛人の足取りを追うマーロウだが、調べを進めるうちに映画産業の闇を知る。


この映画でフィリップ・マーロウを演じるのはリーアム・ニーソン。
映画を見る前はイメージに合わないのでは? と勝手に思っていたのですが、いやいや、上に掲げたポスターをご覧いただいてもわかるかと思いますが、とてもいい感じです。

原作ベンジャミン・ブラック 「黒い瞳のブロンド」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んでいないのでどの程度原作に忠実なのかわかりませんが、折り目正しいハードボイルド、という雰囲気を時代背景と併せて感じさせてくれた気がします。

物語としては王道の展開をなぞっており、上流階級の閉鎖的な会員制クラブを舞台にした腐敗劇で、真犯人や真相に至るまで新規さはないのですが、そこがかえって良い。
この事件のタイプの話だと、もっともっと登場人物、関係人物が多くなりそうなところを、限定した人物数で切り回して見せてくれているのも好ポイントだと思いました。


製作年:2022年
原 題:MARLOWE
製作国:アメリカ
監 督:ニール・ジョーダン
時 間:109分


<2023.6.30付記>
まちがえて冒頭のポスター、ブラフマーストラのままでした。
失礼しました。
<2023.7.8>
探偵マーロウのポスターをアップしました。

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映画:ブラフマーストラ [映画]

ブラフマーストラ1.jpg

よくいく映画館の割引チケットの期限が近付いてきたので、そのチケットをつかって観ました。
「RRR」(感想ページはこちら)を観て以来インド映画をちょくちょく観ていますね。

いつものように(?) 「シネマトゥデイ」から引用します。

見どころ:インド古代史に根差す神話などをベースにしたアクションファンタジー。ある青年が不思議な幻視を経験したことをきっかけに自らの運命を知る。監督・脚本は『若さは向こう見ず』などのアヤーン・ムカルジー。『バルフィ! 人生に唄えば』などのランビール・カプール、『ガリーボーイ』などのアーリヤー・バット、『ブラインド・ミッション』などのアミターブ・バッチャン、『ラ・ワン』などのシャー・ルク・カーンらが出演する。

あらすじ:インド・ムンバイに暮らす身寄りのない青年シヴァは、あるとき不思議な幻視を経験する。その理由を探るうちに、古代ヴェーダの時代から受け継がれる神々から授かった武器「アストラ」と、その中でも最強とされる「ブラフマーストラ」の存在を知る。さらに、自分がそれらの武器を守護する役目を務めていた人物の息子であり、偉大な火の力を宿す救世主でもあることが判明。強大なブラフマーストラの覚醒により世界が地獄と化すのを阻止するため、シヴァは自らの運命に向き合う。


この「ブラフマーストラ」は2022年に公開されたヒンディー語映画の中で1番高い成績をあげた作品らしいです。
まずなにより、肩の凝らない娯楽作である点を徹底しているところがいいですね。
非常にはっきりとした善玉、悪玉。まったく迷いがない。
この構図がしっかりしているところが、実に心地よい。

インド映画につきもののダンスは控えめ。
冒頭のお祭りのシーンで、盛大に大人数で踊るので、これはかなり踊りのシーンが出てくる映画かな、と思って観たのですが、ダンスはここだけでした。
悪対善の戦いに絡めて、主人公である青年シヴァとお相手役イーシャのボーイ・ミーツ・ガールが物語の骨格になります。(このおふたり、実際に夫婦だというので笑ってしまいますね)

ヒーローとして覚醒して悪と戦う主人公という、典型的なストーリー展開で楽しめます。
アメコミものの映画のインド版、という趣き。
こういう映画はごちゃごちゃ言わず、没頭するのが吉なのですが、驚いたのは、完結していないこと。最後に堂々と次作の予告がされています(笑)。
日本語タイトルだとわからないのですが、英語タイトルだと ”BRAHMASTRA PART ONE: SHIVA” となっているので、続きがあることが明らかだったのですね。
といっても、おそらくは壮大な物語の一環ということなのだとは思いますが、この「ブラフマーストラ」だけでも十分物語に一定のケリはつくので、ここで観るのをやめてしまってもいい作りになっています。これだけでも十分に楽しめます。
続きが気になりますけどね。

いろいろとみてみると、三部作として構想されているようです。
第2作目「Brahmastra Part Two: Deve」が2026年12月、3作目「Brahmastra Part Three」が2027年12月の公開予定、とのことです。ずいぶん先の話ですね......
覚えていられるかな?


製作年:2022年
原 題:BRAHMASTRA PART ONE: SHIVA
製作国:インド
監 督:アヤーン・ムカルジー
時 間:167分

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映画:ノック 終末の訪問者 [映画]

ノック 終末の訪問者.jpg

いつものように(?) 「シネマトゥデイ」から引用します。

見どころ:ポール・トレンブレイによる小説「THE CABIN AT THE END OF THE WORLD」が原作のスリラー。山小屋で休暇を楽しんでいた一家が、家族の犠牲か世界の終えんかの選択を突きつけられる。監督などを務めるのは『シックス・センス』などのM・ナイト・シャマラン。『アーミー・オブ・ザ・デッド』などのデイヴ・バウティスタのほか、ジョナサン・グロフ、ベン・オルドリッジ、ニキ・アムカ=バード、ルパート・グリントらがキャストに名を連ねる。

あらすじ:幼い女の子と両親は、人里離れた森の中にある山小屋に休日を過ごすためにやって来る。そこへ武器を手にした見知らぬ男女4人が突然現れ、ドアや窓を破って侵入。謎の人物たちに捕らえられた家族は、自分たちの選択次第で世界は滅びると告げられ、家族の犠牲か世界の終わりかという究極の選択を迫られる。


M・ナイト・シャマランの映画ということである程度は身構えて観るわけですが、おどろくほどストレートに話が進んでびっくり。
悪趣味な映画であることに変わりはありませんが。

幸せに山小屋(キャビン)で暮らしていたゲイのカップルと養子の女の子の3人家族。
突然怪しげな武器を持った4人組がやってきて拘束される。家族が誰かを犠牲に差し出さなければ黙示録さながらに世界は滅亡するという。
4人は、このような出来事を夢で見ていたといい、家族が決断しなければ、4人が順次処刑(!) されていく。

キャビン内でほとんどの話が進行する裏(表?)で、世界が破滅に向うということで、キャビン内外でショッキングがシーン(処刑シーンがおぞましい)が用意されています。
めちゃくちゃな話ですが、狭い舞台で繰り広げられることもあって、緊迫感は伝わってきます。
時折 TVニュースで、津波、疫病、夥しい数の飛行機の墜落等惨劇が映し出されていきます。

なんだか、一時期日本で流行した「セカイ系」の話を、ショッキングに映像化したみたいな話です。
文字通りの究極の選択なわけですが、この設定だとある程度予想がついちゃいませんか?
そのおかげで、エンディングは不思議なほど静かな気持ちで観ていました。

不思議といえば、ストーリーとして不思議なのは、4人組の行動。
同じ夢で見た、それぞれに役割が振られていたというのはいいのですが、彼ら自身が処刑で犠牲にならないといけない、というのが理解を超えていました。
こういう行動は取らないのではないでしょうか?
原作がある映画ということですので、原作を読めばそのあたりが詳しく書き込まれているのでしょうか?


それにしてもハリー・ポッターシリーズのロンとこんなところで再会できるとは。
ずいぶん姿が変わっていますが、なんだかうれしくなりました。



製作年:2023年
原 題:KNOCK AT THE CABIN
製作国:アメリカ
監 督:M・ナイト・シャマラン
時 間:101分

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映画:エゴイスト [映画]

エゴイスト 1.jpg


いつものように(?) 「シネマトゥデイ」から引用します。

見どころ:エッセイスト、高山真の自伝的小説を実写化したドラマ。セクシャリティーを隠して生きてきた過去を持つ男が、ある青年に愛を注ぐ一方で言いようのない葛藤を抱える。メガホンを取るのは『Pure Japanese』などの松永大司。強がって生きてきた主人公を『俺物語!!』などの鈴木亮平、主人公と惹(ひ)かれ合うパーソナルトレーナーを『his』などの宮沢氷魚が演じる。

あらすじ:東京の出版社で、ファッション誌の編集者として働く浩輔(鈴木亮平)。自由気ままな日々を送る彼だが、14歳で母を失い、田舎町でありのままの自分を隠しながら思春期を過ごした過去があった。ある日彼は、シングルマザーである母親を支えながら働く、パーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、惹(ひ)かれ合っていく。亡き母への思いを抱える浩輔は、母親に寄り添う龍太に手を差し伸べ、彼を愛する日々に大きな幸せを感じる。あるとき浩輔は、龍太とドライブの約束をするが、龍太はいつまでたってもやってこなかった。


通常日本映画は観ないのですが(このブログにも映画の感想はかなり書きましたが日本映画の感想は数本だと思います)、たまたまつけたテレビで主演の鈴木亮平が宣伝に出ていて、興味が湧いたので観ました。
日本映画を観ないのは、映画の世界に入り込むときに、現実との間でワンクッション欲しいからです。リアルな映画であっても、現実からは飛躍を感じたい。
日本映画だと、どうも地続き感がぬぐえないのですね。
あと日本映画の間があまり好みではないということもあります。

いい映画を観たな、と感じました。
ゲイを扱った映画で、タイ・ドラマで個人的にお馴染みになったBLテイストかな、と思っていたのですが、浩輔(鈴木亮平)と龍太(宮沢氷魚)が出会って、付き合うようになる前半はそれっぽいところもありますが、BLというにはストレートすぎます(ストレートという語をここで使うと誤解を招くかもしれませんね。直線的すぎます、でしょうか)。二人は自然に付き合うようになります。
うまくいきだしたところで、龍太が関係をやめたいと言い、山場登場。なんとかこれを二人で乗り越えたと思ったら、大きな転機が訪れる(個人的には、この転機を予感させるシーンをもっと事前に出しておいてほしかったところなのですが、それはミステリ好きだから来る勝手な要求なのでしょう)。

ゲイというとまだまだ世間での受け止め方が進んでいるとは言えない状況で、家族との関係というのも一つのテーマとなりうるものだと思います。
この「エゴイスト」でも、龍太の家で龍太の母(阿川佐和子)と会った浩輔が、二人の関係を隠すシーンがあります。
ここはとても重要なシーンなのですが、この映画のテーマはこれとは違うベクトルで存在します。
ゲイテーマの映画かと思っていたら(いや、確かにゲイテーマの映画なのですが)、ここからタイトル「エゴイスト」にも連なる要素が強く前面に出てくるのです。
ポスターに「愛は身勝手」と書かれていて印象的です。
この言葉を念頭におくと、浩輔の父(柄本明)が言う「出会っちゃったからしょうがない」という言葉の響きが共鳴します。

映画を観た直後から、浩輔の「愛」の向きをどう受け止めてよいのか考えています。
映画と原作は別物ということは理解していますが、原作も読んでみるかな、と考えている次第です。

映画の感想が続きましたが、ひとまずこれで本の感想に戻ります。


製作年:2023年
製作国:日本
監 督:松永大司
時 間:120分


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映画:ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り [映画]

ダンジョンズ&ドラゴンズ 1.jpg

映画の感想が続きます。

「シネマトゥデイ」HPから引用します。

見どころ:盗賊や戦士、魔法使いといった個性豊かなメンバーが巨悪に立ち向かうアクションファンタジー。さまざまな種族やモンスターが生息する世界で、盗賊である主人公がユニークなメンバーとチームを組み、世界を脅かす悪の勢力とバトルを繰り広げる。出演は『スター・トレック』シリーズなどのクリス・パインや『ワイルド・スピード』シリーズなどのミシェル・ロドリゲス、『噂のモーガン夫妻』などのヒュー・グラントなど。監督を『お!バカんす家族』などのジョン・フランシス・デイリーとジョナサン・ゴールドスタインが務める。

あらすじ:さまざまな種族やモンスターが共存する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガン(クリス・パイン)は相棒の戦士ホルガ(ミシェル・ロドリゲス)と共に、ある目的のための旅を始める。魔法使いのサイモン(ジャスティス・スミス)らも加わり、世界を脅かす悪の勢力を倒すべく、彼らは立ち上がる。


こういうの痛快作というんでしょうね。
原作(?) はゲームのようですが、そちらはプレイしたことはなく興味もあまりありません。それでも問題なく楽しめます。

もともとは正義の味方(ですよね?)だったのに盗賊に身を落としている主人公。盗みに失敗して投獄されている。魔法使いソフィーナと手を組み支配者となっている昔の仲間フォージに復讐し、死者をよみがえらせることのできる石板を手に入れ妻を復活させ、娘を取り戻すため、仲間のホルガと脱獄し旅に出る。
桃太郎みたいに(たとえが古い......)仲間を募り、城を目指します。
この手の作品では途中で仲間割れとか起こって足の引っ張り合いをしたりする作品が多いですが、この作品ではそういうこともなく、一本調子でずんずん進むので極めて快調。
笑いの要素もちりばめられていて、飽きることなく楽しめます。

時間を停めることのできる魔法使いとどう戦うのかも含めて、魔法の使い方も工夫が凝らされていて楽しい。
死者をよみがえらせて当時の状況を聞くあたりとか、製作者も気に入っていたのでしょうね、と思わせる仕上がり。ついでに書いておくと、吹替版製作者も気に入っていたのでしょう、このシーン。

こういう娯楽映画は難しいことを考えず、すっと世界に入りこめて楽しめることが重要ですよね。
観ていて、敵役のヒュー・グラント含めて演じている役者さんたちも楽しんでやっているんだろうなと感じられました。

誤算は、吹替版だったこと。
観た映画館で「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は吹替版しかなかったんですよね。
1種類しかない場合、当然字幕版だと思い込んで予約して、劇場に着いたら吹替版......
個人的に、映画の吹替特有のセリフ回しがあまり好きではないんです。ちゃんと確認しないといけなかったですね。反省。


製作年:2023年
原 題:DUNGEONS & DRAGONS: HONOR AMONG THIEVES
製作国:アメリカ
監 督:ジョン・フランシス・デイリー/ジョナサン・ゴールドスタイン
時 間:135分





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