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授業の開始に爆弾予告 [海外の作家 レスリー・メイヤー]

授業の開始に爆弾予告
レスリー・メイヤー
創元推理文庫

授業の開始に爆弾予告 (創元推理文庫)

授業の開始に爆弾予告 (創元推理文庫)

  • 作者: レスリー・メイヤー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/07/05
  • メディア: 文庫



<裏表紙あらすじ>
新学期が始まり時間のできたルーシーは、新聞社で働くことに。そこへ入ったのが娘がかよう小学校に爆弾がしかけられたとの通信。幸い爆発は小規模で、新任の副校長キャロルの活躍により、取り残された子供も救出された。町中が彼女を英雄あつかいしていた折も折、当の本人が殺害された。子供たちに関わる問題とあれば放っておけず、ルーシーは調査を始める。

これぞコージー、というか、まさに典型的なコージー・ミステリであるこのシリーズ、このあとにも
「バレンタインは雪あそび」 (創元推理文庫)
「史上最悪のクリスマスクッキー交換会」 (創元推理文庫)
が翻訳されていて積読状態です。シリーズ第7作の「感謝祭の勇敢な七面鳥」 (創元推理文庫) もついこの前出版されました。ここまでのシリーズ
「メールオーダーはできません」 (創元推理文庫)
「トウシューズはピンクだけ」 (創元推理文庫)
「ハロウィーンに完璧なカボチャ」 (創元推理文庫)
は読んでいます。
帯に「ルーシーに第二の思春期?」とあって、シリーズ的にはこれがポイントになる作品でしょうか?
子供たちを愛してはいるけれど、なにせ4人もいると新学期がはじまり学校に行ってくるとほっとする、とか、母親として主婦として幸せだけどそれだけでは物足りなくて新聞社で働きはじめる(臨時職員ですが)、とか、平均的で共感できそうな主人公のルーシーが、教員になる資格を取ろうかと始めた大学の夜間講座の講師との浮気の誘惑に見舞われる(ちょっと大げさに紹介を書いちゃってますが...)ことを帯は指しているのかと思いますが、うわっ、どうすんだろ? コージーっぽくなくなっちゃうなー、と心配に(?)なるところ。コージーの主人公が、離婚騒動でてんやわんや、ってことになったら、ちょっとイメージが狂いますよね、やっぱり。 
事件の方は、小学校での爆弾騒ぎというのは穏やかではありませんが、読者は相当早い段階で真相に見当がついてしまうのではないかと思います。殺人の方は、それなりに入り組んだ構造が作られています。ミステリ的には平凡でも、手堅くプロットは作られていますし、人物配置もプロットに従ってではありますが、効果的です。
このシリーズの弱点は、真相解明の手順なのではないかと思います。どたばたしている解決シーンのうちに、勝手に犯人が自ら正体を明らかにする、というのでは、ちょっと工夫が足りないかなぁ、と。ここが改善されると、一層楽しいシリーズになると思われます。
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