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フィッシュストーリー [日本の作家 伊坂幸太郎]


フィッシュストーリー (新潮文庫)

フィッシュストーリー (新潮文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/11/28
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。

伊坂幸太郎の大活躍は広く知られているところですが、なかなかその魅力を言葉で表現するのが難しく、読んでください、としか言いようがない、独特の作風です。登場人物が魅力的だともよく言われますが、これまた説明するのが....
この作品は短編集で、それぞれの発表時期はデビュー直後からぽつぽつと2007年までに亘っています。
現実とは少しずれた世界で、少しずつこだわり(いい意味でも、悪い意味でも)を持った登場人物が、会話をトスしながら(野球のキャッチボールみたいなやりとりというよりは、バレーボールのトスとアタックという感じのやりとりのような気がします。)、軽くつながったり、交差したりする、という伊坂幸太郎の特徴は、短編でも発揮されています--こう説明しても、どこがいいのか、まったく伝わっていないと思います。
作家デビューは「オーデュボンの祈り」 (新潮文庫) での2000年第5回新潮ミステリー倶楽部賞受賞ですが、ミステリーは風味付けというか、伊坂テイストを出すための道具として活きています。たとえば、二番目の話「サクリファイス」では、ミステリーとしてサプライズ・エンディングに使えるようなアイデア(ちょっと軽めのアイデアですが)が盛り込まれていますが、そこに焦点はあたっておらず、人のつながりを浮かび上がらせることに力点があるようです。
重たい主題でも、深刻ぶって重苦しくするのではなく、あえて軽やかに、柔よく剛を制す、みたいな伸びやかさがある伊坂幸太郎の作品は好きなので、たとえミステリーでなくなっても、今後も続けて読んでいきたいと思っています--文庫になるとすぐ買ってはいるのです。他の作者の大量の本と同様、積読になってしまっていますが。
タグ:伊坂幸太郎
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