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もろこし銀侠伝 [日本の作家 あ行]


もろこし銀侠伝 (創元推理文庫)

もろこし銀侠伝 (創元推理文庫)

  • 作者: 秋梨 惟高
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/09/18
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
南宋時代の中国、臨安。常々刺客への警戒を怠らなかった商人が、猛毒にあたって死んだ。唯一毒味をせず口にした薬のせいに違いないと、お抱えの薬屋は囚われの身となってしまう。父の非運を目に当たりにした一人娘に、仙人のような男が策を授け……。九歳の少女と不思議な力を持った老人の真相解明行を軽やかに描く第三回ミステリーズ!新人賞受賞作「殺三狼」など、四編を収録。

現代では取り扱うことのできないトリックや設定も時代物なら大丈夫、というのは、ミステリ作家が時代物を書く理由のひとつですが、昔の中国を舞台にしたこの作品もそういう側面を持っています。
奇抜なトリックというか仕掛けが、背景・舞台にマッチして、無理なく提示されるというのは大きな長所だと思います。
もともと中国ものは親しんでいなくて、三国志も水滸伝も子ども向けに1冊にむりやり収めたものを読んだはず、という程度で、実はこわごわ読みました。読みにくいんじゃないかと思っていたからです。
結論からいえば、すごく読みやすくて、しかも楽しい。中国って、時代背景とか国と国の関係とかがややこしくて疲れるんじゃないかとか思っていましたが、こういう部分は必要最低限に、しかも作者は素人にもわかりやすく書いていますので全然気になりません! 
作者のあとがきによると「武侠」というジャンルになるようです。武侠とは、"武"はフィジカルアクション、"侠"はメンタルドラマ、簡単にいえば中国流チャンバラ小説、とのことです。
少林寺拳法とかさまざまな武術(暗殺術?)が出てきて、たしかにチャンバラ小説。武侠+ミステリという構図、好きになりました。第2集「もろこし紅游録」 (創元推理文庫)も買いに行かなくちゃ。
武俠の部分をとりはらってみると、使われている仕掛けは意外と(?)単純なものが多いので、今度は見破ってやるぞ!と闘志(?)をかき立てられるのも、ミステリファンにはうれしいところかも。
それにしても、表紙がかわいい。ぬけぬけとした感じにぴったりですね
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