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シャーロック・ホームズと賢者の石 [日本の作家 あ行]


シャーロック・ホームズと賢者の石 (光文社文庫)

シャーロック・ホームズと賢者の石 (光文社文庫)

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/12/08
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
引退後、燃えつき症候群による鬱状態のホームズをみかねたワトスンは、思い切ってアメリカの旅へと誘う。ときあたかも第一次大戦前夜、一触即発の状況下でホームズが出会った少年は、のちに世界一の冒険家となる(表題作)。ほか、ライヘンバッハの滝での決闘、彼が会得した体術バリツ、正典年表における空白の半年間引退後、燃えつき症候群による鬱状態のホームズをみかねたワトスンは、思い切ってアメリカの旅へと誘う。ときあたかも第一次大戦前夜、一触即発の状況下でホームズが出会った少年は、のちに世界一の冒険家となる(表題作)。ほか、ライヘンバッハの滝での決闘、彼が会得した体術バリツ、正典年表における空白の半年間――4つの真実に迫る傑作パスティーシュ。

タイトルからも明らかなとおり、シャーロック・ホームズものです。
さて、パロディなのか、パスティーシュなのか。
シャーロック・ホームズやホームズ譚に対する、やや斜に構えた見方があるので、パスティーシュ、というよりは、パロディと呼びたくなります。
熱狂的なホームズ・ファン (シャーロッキアンと呼ぶべきでしょうか?) はお怒りになるかもしれませんが、この作品の一番の特徴はやはりこの斜に構えた見方にあると思います。
たとえば、第1話の「彼が死んだ理由 -- ライヘンバッハの真実」で明かされる “真実” は、相当な破壊力を持っていますが、やはりこの見方があってこそかと。
また、第2話以降、それぞれスペシャルなゲスト(?)が登場するのも楽しいですね。こういう茶目っ気は、前例はたくさんあるものの、読んでいてちょっぴりうれしくなる、ちょっとした“おまけ”です。
しかし、それにしても五十嵐さんの作風の幅は広いですねぇ。
巻末にある、日暮雅通さんによる解説「ホームズ・パロディ/パスティーシュの華麗なる世界」も、コンパクトにまとまっていて〇でした。
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コメント 2

コースケ

31さま、こんばんは。
ホームズは夏目漱石とも出会っていたり、有名人物との共演が
多いですよね。
仰る通り、あの「真実」は衝撃でした。

ホームズパスティーシュってたくさん出てますけど、
どうして文庫化しないのかなあと、文庫購入の自分としては
かなり不満です。


by コースケ (2012-09-27 21:03) 

31

コースケさん、いつも nice! & コメントありがとうございます。
この作品は、衝撃的な、ホームズ物への作者の辛辣な視線がポイントですね。

ご指摘の通り、ホームズの贋作、パロディ、パスティーシュって、文庫になっていないものが多いでですね。一定の固定ファン以外の購入が見込めないのでしょうか???
by 31 (2012-09-30 23:56) 

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