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ビブリア古書堂の事件手帖3  栞子さんと消えない絆 [日本の作家 三上延]


ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

  • 作者: 三上 延
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2012/06/21
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。
人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。
彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない――。
これは“古書と絆”の物語。

「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」 (メディアワークス文庫)
「ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常」 (メディアワークス文庫)
に続く第3弾。
テレビドラマにもなっていますね。栞子を元気で活発なイメージのある剛力彩芽さんが演じるので、ミスキャストではないかとか言われていたり...ザッピング中にちらっと見ただけですが、意外と(?)栞子さんの雰囲気が出ていると思いました。
さておき、本の方ですが...
シリーズ第3弾となるわけですが、いままでの2冊とは若干雰囲気が異なります。
いままではミステリとしての強弱はあったものの、本にまつわる謎を解いていく短編集というかたちだったものが、この「ビブリア古書堂の事件手帖3  栞子さんと消えない絆」では、栞子さんの母親・智恵子さんの謎を探ることが各話の通底となっていて、徐々に徐々に、ヴェールがはがれていくかのように、智恵子さんのエピソードが少しずつ明かされていきます。各話の謎は、そのヴェールをはがすためのとっかかりのような位置づけです。
こうなると、各話の謎がミステリとして弱い、ということがあまり気にならなくなります。読者には到底解けそうもないような真相でも構いません。栞子の日常をうかがって告げ口(?)しているのは誰かという謎も、当たり前すぎてちっとも驚けませんが、それも欠点とはなりません--もっとも本書の構成をみると、作者としてもこの謎は隠す気がなかったと思われます。
シリーズの方向性が明確になり、すっきりしたのではないでしょうか?
「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」 から「ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常」 へとミステリ味が薄くなってきていて、このままどんどん薄くなっていくと焦点のぼけたシリーズになりかねないところを、栞子さんの母親の謎を持ってくることで、栞子さんと大輔の関係にプラスするストーリーの軸ができて、楽しみが広がったように思えるからです。
前回の繰り返しになりますが、「ミステリファンとしては寂しいところですが、このシリーズとしてはこちらの方向性が正しいように思いました。」
もうすぐ第4巻も発売になるようなので、楽しみです。




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