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バチカン奇跡調査官 闇の黄金 [日本の作家 藤木稟]


バチカン奇跡調査官 闇の黄金 (角川ホラー文庫)

バチカン奇跡調査官 闇の黄金 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 藤木 稟
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/02/25
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
イタリアの小村の教会から申告された『奇跡』の調査に赴いた美貌の天才科学者・平賀と、古文書・暗号解読のエキスパート、ロベルト。彼らがそこで遭遇したのは、教会に角笛が鳴り響き虹色の光に包まれる不可思議な『奇跡』。だが、教会の司祭は何かを隠すような不自然な態度で、2人は不審に思う。やがてこの教会で死体が発見されて―!? 『首切り道化師』の伝説が残るこの村に秘められた謎とは!? 天才神父コンビの事件簿、第3弾!


「バチカン奇跡調査官 黒の学院」 (角川ホラー文庫)
「バチカン奇跡調査官 サタンの裁き」(角川ホラー文庫)
につづく、バチカン奇跡調査官シリーズの第3巻です。
今回も結構大仕掛けな謎を用意してくれています。
上で引用したあらすじではあっさり「教会に角笛が鳴り響き虹色の光に包まれる」と書いてありますが、本文はかなり書きこまれていますし、色を変えるイエス像もあり、想像してみるとかなり美しく、荘厳なイメージ。俗な考え方ですが、教会でまみえるにふさわしい奇蹟のイメージ通りです。合理的な説明、ちゃんとつくかな? と心配になるところ。
あわせて村に伝わる「首切り道化師」の伝説とそのとおりにおこった実際の過去の殺人事件。
そして血管が透けて見えるほど異様に真っ白な肌の、身元不明の少年の死体(作中では白皮症と書かれています)。
これらをどうつなげるのか、わくわくしますよね。
かなりの大技でして、解決で
「全く、こんなものを中世の技術で造り得たなんて愕きです」
と登場人物に言わせていますが、かなりの技術力が必要とされるトリック、というか仕掛けですね。こういうせりふを使っているのは、やはり作者もさすがにやりすぎたと思ったのでしょうね。
でも、こういうトリック、嫌いではありません。
なんだか子供の頃に読んだ、冒険ものや推理ものを思い出して、浸ってしまいました。

かなりあっさりした扱いなんですが、もうひとつこの作品の魅力的な謎としてイタリアの街リヴォルノの農場で見つかった神父の凍結死体、というのがあります。
「誰かがトロネス司祭をエベレストに連れて行って凍死させ、その後、エベレストから牛小屋に突き落とした」
と、喩えとして捜査官が説明するくだりがあって、これが本当だとしたら相当の事件です!
こちらの解決もかなり大掛かりで、ちょっと唖然とする内容でした。こちらも作者も気にしたんでしょうか? だからあっさりした扱いだったのかな、なんて思ったり。

「バチカン奇跡調査官 サタンの裁き」に出てきた、例の人、また出てきます。
シリーズ共通の悪役、敵として今後も活躍するんでしょうね。
そのあたりもあわせて、豪胆なストーリー、トリックを楽しんでいきたいです。



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