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シャーベット・ゲーム オレンジ色の研究 [日本の作家 か行]


シャーベット・ゲーム オレンジ色の研究 (SKYHIGH文庫)

シャーベット・ゲーム オレンジ色の研究 (SKYHIGH文庫)

  • 作者: 階 知彦
  • 出版社/メーカー: 三交社
  • 発売日: 2016/09/09
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
彼女たちは確実に真実へとたどりつく──
横浜の朝霧学園高校でクラス委員を務める二年の和藤園子は、日曜模試の帰り道に立ち寄ったコンビニで、不思議な美少女・穂泉沙緒子に出会う。僅かな情報だけで園子のことを言い当て、二人の目の前で起きたコンビニ強盗を鮮やかに解決した沙緒子に強い興味を持つ園子。しかし無事に解決したかと思われた強盗事件は、意外な方向へと転がり始め、平凡だった園子の毎日を沙緒子との非日常へと導いていく──。


3月に読んだ本、4冊目です。
SKYHIGH文庫...堂々たるラノベ文庫で、通常だったら手に取らないんですが、「このミステリーがすごい! 2017年版」で千街晶之氏が「今年の本格ミステリー注目作!」として取り上げられていたので購入しました。
読んだ結果は、千街さんありがとうございます。おもしろかったです。

穂泉沙緒子がシャーロック・ホームズで、和藤園子がワトソン。
警察の方は、連城玲人がレストレイドで、暮続壮一がグレッグスンでしょうか。
冒頭イラストつきで紹介されているのは、あとは、喫茶店「真麻」をやっている波戸野真と梓夫婦で、これはハドソン夫人の役回りですね。
このネーミングはちょっとどうかなぁ、と思いましたが、中身は堂々たるミステリで、いいですね。

なによりも、謎解きというか、手掛かりをベースにして推理を組み立てていく部分の比重が高いのがGOOD。
最初、コンビニで偶然遭遇した強盗事件の犯人を捕まえてしまうところで、穂泉の推理力よりも、コンビニの防犯ボールを投げるコントロールの良さに感心してしまいましたが、その後もいろいろな手がかりでじゃんじゃん推理を構築していくのが楽しい。
そして、コンビニ強盗が、次の建設中のビルの事件につながっていく流れも良い感じです。
ただ、建設中のビルの事件の方の動機はいただけないですね。この動機はないなぁ。この辺りは、シリーズを重ねていくにつれて改善されていくといいですね。

最後に、この作品でいいなと思ったのが、ワトソン役の和藤が、単なるぼんくらという設定になっていないこと。穂泉ほどではないにせよ、きちんと推理を立てていくのが心地よかったです。
こういうコンビ、楽しいかも。


<蛇足>
「イギリスといえば紅茶なんだから、コーヒーを飲み慣れていなくても当然よね」(235ページ)
というセリフが出てきますが、これは完全なる誤解と思います。
イギリスに行ってみられればわかりますが、イギリスでは、コーヒーをよく飲みますよ。
コーヒーショップもいたるところにあります。むしろティーショップの方が少ないかもしれません。




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