SSブログ

幽霊船が消えるまで [日本の作家 柄刀一]


幽霊船が消えるまで―痛快本格推理 (祥伝社文庫―天才・竜之介がゆく!)

幽霊船が消えるまで―痛快本格推理 (祥伝社文庫―天才・竜之介がゆく!)

  • 作者: 柄刀 一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
〈鳥の羽ばたき音とともに、女の幽霊が現われる——〉
旅を続ける天地龍之介(あまちりゅうのすけ)が乗り込んだ貨物船で、怪談話を聞かされた。震え上がる龍之介を笑っていた従兄弟の光章がその夜、奇怪な幽霊船を見て失神。気が付くと船内は宝石の盗難で大騒動に。しかも、現場には龍之介の指紋が! 絶体絶命の危機を、IQ190の天才、生活能力ゼロの名探偵龍之介はどう切り抜けるのか?


天才・龍之介がゆく!シリーズというのでしょうか? 
「殺意は幽霊館から―天才・龍之介がゆく!」 (祥伝社文庫)
「殺意は砂糖の右側に―天才・龍之介がゆく!」
に続くシリーズ第3弾です。

<2024.1訂正>
出版順ですと、この「幽霊船が消えるまで―天才・龍之介がゆく!」 (祥伝社文庫 つ 4-3)は、「殺意は砂糖の右側に―天才・龍之介がゆく!」に続く第2作で、「殺意は幽霊館から―天才・龍之介がゆく!」 (祥伝社文庫)が第3作のようです。失礼しました。


目次を見ると、1章、2章......となっていまして、長編の体裁なんですが、内容は短編集です。
「幽霊船が消えるまで」
「死が鍵盤を鳴らすまで」
「石の棺が閉じるまで」
「雨が殺意を流すまで」
「彼が詐欺(スウインドル)を終えるまで」
「木の葉が証拠を語るまで」
の6話収録、と言いたいところです。

柄刀一というと、物理トリックが得意な作家というイメージがありまして、この「幽霊船が消えるまで―天才・竜之介がゆく!」にも、物理トリックがふんだんに盛り込まれています。
物理トリックというと、とんでもなく難解なものがあったりして、読者はただただ「ああ、そうですか」というだけのものがあったりしますが、柄刀一の場合は、特殊な知識は必要がなく、読者の推理に支障のないように仕上がっているのが美点かと思います。

となるといいことづくめのようにも思えるんですが、なぜでしょうか? 実は印象が薄いんですよね。
こちらの記憶力、脳力の問題も大きいんですが、たぶん、短編ということも手伝ってか、推理パズルの延長のような雰囲気を醸してしまうから、かもしれないな、と作者にたいへん失礼なことを考えてしまいました。
「石の棺が閉じるまで」を読んでいただくと、その感じがよくわかるのでは、と思います。

シリーズはこのあと長編タイプのものもあるようなので、、この感じが続いてしまうのかどうか、確認してみたいです。






nice!(21)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 21

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。