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映画:ブレット・トレイン [映画]

ブレット・トレイン.jpg

映画「ブレット・トレイン」の感想です。
こちらは昨日の「OLD」と違って最近観た映画です。現在の上映中ですね。

伊坂幸太郎「マリアビートル」 (角川文庫)のハリウッド映画化です。こちらの本の感想は書けていませんが(感想が追いついていません)、映画を観る前にちゃんと読んでから行きました。

気になったのは劇場が空いていたこと。あまり人気がないのでしょうか?
伊坂幸太郎で、主演がブラッド・ピットなんですが......???


シネマ・トゥデイから引用します。
見どころ:映画化もされた「グラスホッパー」などで知られる伊坂幸太郎の小説を原作に、ブラッド・ピットが主演を務めたアクションスリラー。日本の高速列車を舞台に、謎の人物から指令を受けた殺し屋が、列車に乗り合わせた殺し屋たちから命を狙われる。メガホンを取ったのは『デッドプール』シリーズなどのデヴィッド・リーチ。共演には、『キスから始まるものがたり』シリーズなどのジョーイ・キング、『キック・アス』シリーズなどのアーロン・テイラー=ジョンソンのほか、真田広之、マイケル・シャノンらが名を連ねる。

あらすじ:あるブリーフケースを盗むよう謎の女性から指令を受け、東京発京都行の高速列車に乗り込んだ殺し屋・レディバグ(ブラッド・ピット)。ブリーフケースを奪って降りるだけの簡単な任務のはずだったが、疾走する車内で次々に殺し屋たちと遭遇してしまう。襲い掛かってくる彼らと訳も分からぬまま死闘を繰り広げる中、次第に殺し屋たちとの過去の因縁が浮かび上がってくる。


かなり奇天烈な日本が出現します(米原駅、サイコーでした)。
映像の色合いを含めて、とても楽しい。
伊坂幸太郎の作品は、現実と地続きのはずでそう思わせるのに、全体としてのトーンがファンタジーというか別世界を感じさせるものが多いので、現実離れした日本、大歓迎です。
殺し屋に遭遇するのはイヤですが、この映画の日本に行ってみたいですね。

キーとなる殺し屋たちのキャラクターも、ラスボス的な存在も、際立っています。

かなり原作からは改変されています。
それでも、あちらこちらで伊坂幸太郎を感じさせてくれます。
不思議なのは、改変されてしまった部分や原作にはない部分にも伊坂幸太郎テイストを感じたということ。
制作陣はしっかりと伊坂幸太郎ワールドを身につけているということですね。
素晴らしい。

逆に、同じような世界観を現出させているので余計感じたのかもしれませんが、小説と映像作品の違いを感じました。
伊坂幸太郎の作品は、独特の間、リズムがあると思うのです。
それを味わい、感じるのがこの上なく心地よく楽しい。
映画でも、独特のセンスは発揮されているのですが、映像という形で次々と流れていく。
小説の場合は、伊坂幸太郎の作品が醸すリズムと、読者が読みながら立ち止まったり空想したりして作り出すリズムとの相乗効果によって世界が強められているのだということがわかります。
DVDとか手元で一時停止操作ができるような環境で観れば、違ってくるのでしょうか?
映画ではこの部分は作り出せない。
しかしこの効果が出せない代わりに、立ち止まらない(立ち止まれない)ことによるテンポの加速があります。
伊坂ワールドが醸し出され浸っているうちに、次の伊坂ワールドが押し寄せてくる。
「畳みかけるように」というのは小説の場合にも使われる表現ですが、映像作品の畳かけにはかなわない。イメージの奔流に流される快感、伊坂ワールドに巻き込まれる快感を強く感じることができました。

この作品が見せてくれたのは、映画と小説の幸せなカップリングだと思います。
もっと人気が出ればいいな。



製作年:2022年
原 題:BULLET TRAIN
製作国:アメリカ
監 督:デヴィッド・リーチ
時 間:126分



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