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Q.E.D. iff -証明終了-(16) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.iff -証明終了-(16) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.iff -証明終了-(16) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/06/17
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
「時計塔」
テナントが不自然なほど頻繁に変わる時計塔。独自に調査に乗り出した燈馬と可奈だったが、なんとそこでは幾度も殺人や失踪事件が起きていたことが判明!! 呪われた時計塔と事件の裏に隠された“真実”とは!?
「マドモアゼル・クルーゾー」
芸術の都・パリの小さな美術館で白昼堂々起きた盗難事件。捜査するのは、おっちょこちょいな女性警部マリアンヌ・クルーゾー。燈馬や可奈も巻き込んで、彼女は絵画を犯人から取り戻すことができるのか


Q.E.D. iff のシリーズ第16巻。Q.E.D.iff -証明終了-(16) (講談社コミックス月刊マガジン)
奥付をみると2020年6月です。

「時計塔」は、ポイントが複数盛り込まれた作品です。
死体はどこに行ったか、という部分はちょっと残念な仕上がり。盲点を突く、という狙いなのでしょうが、いろいろと難点が多く成立しないように思います。
一方で、時計塔のテナントが不自然なほど頻繁に変わる謎(?) の方は、類例がありそうなアイデアなのですが、ぱっと思い当たりません。説得力がまったくないのが難点ですが一種の奇想と呼んでもよいような内容でして、チェスタートンや泡坂妻夫あたりが書けば説得力が増したかも。
ラストのある登場人物のセリフがとてもとても印象的でした。
あと、七夕菊乃がゲスト出演しています。


「マドモアゼル・クルーゾー」のタイトルは、パリ警視庁の女性警部マリアンヌ・クルーゾーのことを指しています。
どうみてもボンクラなのですが、「私は有能ですよ。有能じゃなきゃ警部にはなれません!」というのが口癖。
クルーゾーという名前自体、映画「ピンク・パンサー」に出てくる警部を連想させて、ボンクラのイメージを強めていますね。
こういう場合、たいていラストでは有能であることがわかる、という展開になるものですから、事件を解決するのが彼女でもちっとも驚きませんが、このキャラクターがあまり好きにはなれませんでした。
まあこれは個人的な好き嫌いですから置いておくとして、事件の方は名画(?) 盗難事件で、定番のアイデアとはいうものの、種々細かなパーツが組み込まれて楽しい仕上がりになっていると思いました。
これでクルーゾー警部が好きになれたらなぁ。

個人的に興味深かったのは...…
実際に1911年に発生した「モナ・リザ」盗難事件が紹介されています。
「イタリアのどこかの美術館でクリムトの……」と同じアイデアの盗難事件が先日感想を書いた別のマンガで紹介されていたこと。
あちらの奥付は2021年3月初刷ですから、こちらのほうが少し早いですね。



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