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Q.E.D.証明終了(49) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.証明終了(49) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(49) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/10/17
  • メディア: コミック

<帯あらすじ>
失敗続きの就活生 vs. 香港マフィア
香港マフィア抗争にまつわる重要証言を託されたのは、自信をなくした就活生! 家族を守るため、今こそ闘わざるをえない時。「交渉人」燈馬&可奈が彼をサポートするが!? 《描き下ろし「無関係な事件」》
未完成の映画、ラストシーンに込められた「愛」とは?
学生時代に作りかけた映画を再び撮ろうとしたものの、志半ばでこの世を去った男。彼が描きたかったのは、妻への「愛」か、幻影への「愛」か?  燈馬と可奈が映像に込められた想いを繋げてゆく――。《描き下ろし「ラブストーリー」》


日本に帰ってきて、イギリスに行く前の習慣に戻ったり、これを機会にやめたり、ということをやっていっているのですが、戻るほうの習慣の一つとしたいのが、加藤元浩さんのコミックを読むこと。
3年半ぶりに、再開したい、と思っています。

この第49巻には「無関係な事件」と「ラブストーリー」の2つの話が収録されています。
帯によると、どちらも描き下ろしだとか。
なんと贅沢な

「無関係な事件」は、香港で起きた不可能状況下での殺人を扱っています。
このトリック、盲点を突いたもの、ということだと思うのですが、無理じゃないでしょうか?
これ、すぐに気づかれてしまうと思いますし、気づかれなかったとしても銃声をどうしたのか、不思議です。
また燈馬の一撃となる最後の決め手も、相手の手抜かりがなければ有効打足りえないもので、「あとは賭けです」と燈馬自身も言っていますが、ちょっと分が悪すぎる賭けと思えてしまいます。

「ラブストーリー」
すみません、この作品、わかりません。
故人の思いをつきとめる。しかも、残された映像を編集して映画を再現する、というストーリーなのですが......
現実(世界の妻との愛)と幻影(世界である映画の中の愛)とどちらを選んだのか?
ラストで、燈馬は解釈を示し、登場人物たちは一様に納得するのですが、おさまりが悪いと思うのは、ぼくだけでしょうか?


タグ:加藤元浩 QED
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死香探偵 連なる死たちは狂おしく香る [日本の作家 喜多喜久]

死香探偵-連なる死たちは狂おしく香る (中公文庫)

死香探偵-連なる死たちは狂おしく香る (中公文庫)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2019/02/22
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
人気作家のサイン本に一冊だけ付いた甘いチョコレートの死香。慰安旅行先の旅館で遭遇したセロリの香りと消えた死体。死香を「食べ物」の匂いに変換する潤平と、分析学のエキスパート・風間は不審な事件を次々と〈嗅ぎ解く〉が、バナナの甘い香り漂う殺人現場で風間に異変が。容疑者の謎の美女に過剰反応し、初めて潤平を現場から遠ざけて?


「死香探偵 - 尊き死たちは気高く香る」 (中公文庫)(感想ページはこちら)につづくシリーズ第2弾。
5月に読んだ最初の本であり、本帰国後日本で最初に買った本でもあります(どうでもいいことですが)。

シリーズは
「死香探偵-哀しき死たちは儚く香る」 (中公文庫)
「死香探偵-生死の狭間で愛は香る」 (中公文庫)
と順調に巻を重ねているようです。
しかし、喜多喜久、すごいですね。シリーズ作品をいくつも抱えていて。

このシリーズの主人公は特異体質の持ち主、桜庭潤平。
死臭を別の匂い、しかも食べ物の匂いとして感じてしまう。そしてその食べ物が(匂いが気になって)食べられなくなってしまう、という難儀な体質の持ち主です。

「歪んだ愛が招く死は、ほろ苦い香り」
「湯煙に霞む死は、青葉の香り」
「艶やかな香り、自由の彼方の死より来たる」
「安らかな死は、蠱惑的な香り」
の4話収録です。 

今回の『死香』は、オレンジ、チョコレート、セロリ、バナナ、パン。
もう、このあたりで潤平が食べられるもの、なくなってきちゃっているのでは?
前作「死香探偵 - 尊き死たちは気高く香る」で、ごはんを食べられなくなってるし、今度はパン! 主食級の食べ物が次々アウトになってますよ。
風間准教授、急いで研究してあげてくださいよ。

死香の性質もかなり?明らかにはなってきてますね。ただ、こちらは研究の成果というよりは、潤平も体験の積み重ね。
・亡くなってからの時間が短ければ短いほど鮮烈になる
・犯人の肌や髪に染み付いた死香は、着替えたりシャワーを浴びたりしたくらいでは消えない
「部屋付近の地面に残されたオレンジの死香はさほど強くはない。そのことから、今回の死は自殺ではないかと僕は推察した。殺人者がここを通っていれば、もっと鮮烈に香るはずだからだ。」(28ページ)
なんて分析を潤平がしていますが、こういうことだと捜査にしっかり役立ちますね。

「歪んだ愛が招く死は、ほろ苦い香り」は死香の移り香が小道具として活躍します。
しかしなぁ。チョコレートが食べられなくなった潤平に、死香ではなく、ちゃんとチョコレートの香りがするチョコレートを作って渡すっていうのはなぁ、しかも、バレンタインデーに。風間准教授、変ですよ、あなた。
しかも、そのチョコレート、潤平にとってチョコレートの香りがするってことは、死香の成分を加えているわけで、そんなの食べていいのかな?

「湯煙に霞む死は、青葉の香り」は、死香を頼りに死体を探すという、死香の使い方としてはまずおもいつきそうなことをします。今までこのシリーズで出てこなかったのが不思議なくらい。
風間の研究室のメンバーに、二人の仲を疑われる始末ですが、そりゃあ、傍から見たら、十分怪しいよ、潤平と風間は。

「艶やかな香り、自由の彼方の死より来たる」は、ミステリとしては由緒正しい、ただ、今時これやるかね?と言いたくなるようなトリックが使われているのですが、死香と組み合わせるとなかなか趣があるかも、です。
まあ、それよりもなによりも、潤平が、風間との仲を疑ってしまう、座馬倫花という女性ですよね。
正体、事前に見当ついたんですけど、潤平が座馬の存在を意識してもやもやするところがポイントなんでしょうね。

「安らかな死は、蠱惑的な香り」は連続自殺事件を扱っていますが、潤平以外に、死香を感じとれる人物がいる、というのが衝撃的でした。
死香をもって追い詰めるという王道的展開です。

「死香」をめぐっていろいろとバリエーションを作り出している点がおもしろいな、と思う一方で、風間と潤平の仲にBL的要素はあまり入れてほしくないなー、と思ったり。
さておき、シリーズの今後、どういう手を見せてくれるのか、期待します!


<蛇足1>
「その気づきに、心の中がほっこりと温かくなる。」(148ページ)
心が温かくなった潤平とは逆に、「気づき」という単語に接してげんなりしてしまいました。
178ページにも出てくるんですよね。
狭量なのでしょうが、いやな表現だな、と思わずにはいられません。

<蛇足2>
「主人公の男は、本当に無罪なのか。それを見極めたいと思っているのだが、見るたびに印象が変わる」(148ページ)
映画「ショーシャンクの空に」についての、風間のセリフです。
そうか、そういう観方もありますね。
今度観る機会があったら、気をつけるようにしよう。








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My Dear Loser:Edge of 17 [タイ・ドラマ]

タイのドラマ「My Dear Loser:Edge of 17」の感想です。

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タイドラマの感想を書くのは久しぶりですね。ずっと前に観終わっているんですが。
1月に書いた「Why R U?」(感想ページはこちら)以来。

MyDramaListによると、2017年7月から9月にかけて GMM 25 で放映されたようです。
EP1 から EP9 までなので、短め。各エピソード1時間くらいです。
イギリスで、普通にYoutubeで英語字幕で観たのですが、いま確認してみたら、非公開動画、と表示されてしまい見れなくなっていますね。日本という地域だから、なのかどうかわかりませんが。

「Our Skyy」を観る予習のラストで、この「My Dear Loser:Edge of 17」には、「Our Skyy」に登場する5組目のBLカップルが登場します。
なんですが、「My Dear Loser:Edge of 17」のメインはBLカップルではなく、高校生男女のヘテロカップルです。

上の告知の右から3人目、眼鏡で両手を上にあげている彼が主役です。
彼、役柄上イメージを変えているので、わかりにくいかも、ですが、「The Gifted」「The Gifted Graduation」(感想ページはこちら)の主役をつとめた Nanon という俳優さんです。
演じているのは、いけてないいじめられっ子の Oh くん。
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タイトル「My Dear Loser」(直訳すると親愛なる敗北者) の Loser とは、まず彼のこと、ですね。確かに、負け組感あふれる設定です。

お相手は、こちらも「The Gifted」「The Gifted Graduation」に出ていました、クレア役だった Jane さん。
告知では Nanon の隣ですね。役名は Peach。
そのさらに隣、一番左にいるのが、Ohくんをいじめている幼なじみで、Peach の彼氏である Copper。

いじめられっ子だった Oh くんが、いじめっこだった Copper を見返し、Peach とつきあうようになれる、というのがストーリーの骨格で、単純明快。
スポーツで打ち負かす、とか、もともと Oh くんには素質あったんじゃん、というところが甘いですが、途中でふとしたことで知り合いになるお兄さん集団の助けを借りて立ち上がるところとか、いいですよ。
髪型とか、がらっとイメチェンするところも見どころ。
それにしても、野趣あふれるお兄さんたちと仲良くなって....なんて、うらやましいこと限りなし。
観ながら、ずるいよ~、と思ってしまいました。

一方?の、ボーイズラブのほうは、これまた「The Gifted」「The Gifted Graduation」に ウェーブ役で出ていた Chimon くんがメインですね。告知では一番左にいて、役名は Sun。
まったく違うキャラクターになっていまして、びっくりしますよ。こちらのほうが素に近いのかな?
自分がゲイであることを自覚していて、葛藤がある。

お相手は、Oh の隣に座っている Pluem。
役名は In。もとはいじめっ子サイドで、Oh や Sun、特に Sun をいじめていたのですが、いじめっこ集団からはじかれ、途中からいじめられっ子サイドに。
彼はこのブログ初登場なので、大きめの写真を。
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この In が思いを寄せているのが、告知の最後の一人、Pluem と Chimon の間にいる女優さん。彼女も、「The Gifted」「The Gifted Graduation」にMon 役で出ていましたね。役名は Ainam。
この Ainam は実は Sun のことが好き、というややこしい設定になっています。

こちらのBLカップルのエピソード、結構気に入っています。というのも.....
最後まで観ても、実は、この二人がカップルになったのかどうか、よくわからないのですよ。
仲のいい友だち、あるいはとても仲のいい友だちのレベル感と異ならない感じ。
ここが逆にリアルに感じました。
In はもともと女の子が好きだったわけで、Sun とかなり仲良くなっても、そこから先がなかなか......
Sun に詰め寄られても、はっきり答えることができない。
そりゃ、そうだよね。
「今、答えださなきゃだめか? 今のままじゃだめなのか?」
っていうの、自然ですよ、きっと。

全体として、高校を舞台にしているので、大学を舞台にしたタイドラマよりもいっそう緩いところも多々あるのですが、演じてる役者さんたちが、若いのに芸達者で、引き込まれます。
面白かったですね!

最後に、主題歌?を。Nanon、というよりは、Oh でしょうか、が歌っているふり?をしています(笑)。





タグ:タイBL
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