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秘密 トップ・シークレット (7) [コミック 清水玲子]


秘密 7―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 7―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2009/10/29
  • メディア: コミック


<帯>
最高傑作シリーズ、史上最厚の第7弾!!
犯罪被害者の脳を取り出し、生前の映像記憶を再現する技術を駆使し、難解な事件の真相に迫る科学警察研究所・法医第九研究室。今回は、千堂外務大臣の娘・咲の誘拐事件が発生。自殺した容疑者の脳の映像から咲らしき少女の行方を追う「第九」。しかし、それは綿密な計画の始まりに過ぎなかった…!!


2009年11月に出たコミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第6巻には「秘密 トップ・シークレット 2009 」のみが収録されています。

帯の「史上最厚」というのには笑ってしまいましたが、最高傑作シリーズの最高傑作(今までのところ)と呼んでいい作品だと思いました。
なによりもプロットの勝利でしょうか。

日本からのボランティアが巻き込まれた集団拉致事件。
当時、12名の命より国交を重視した元中東アフリカ局長で、現外務大臣の娘が誘拐される。
「公私混同は承知の上だ。
だが、あの子が『外務大臣』の娘でなければさらわれる事もなかった。『外務大臣』の力を使って救出して何が悪い」(77ページ)
と、自分の娘のために、今回は国交より人命を重んじた判断を下した千堂大臣だったが、人違いとわかって...

以下のストーリー展開のうねりは、ぜひ読んでみていただきたいです。
犯人の計画がかなり偶然というか、人任せというか、確実性を欠いたものなんですが、これは「アリ」だなぁと感じました。

そしてシリーズ的には、なによりも、「第九」の使い方が、印象的というか、よく考えられています。
いままでは、第九を使って明かす、というパターンでしたが、第九をどう使うか、使って何をするのか、そもそも使うべきなのか、新しい角度から第九の葛藤が描かれていたように思います。



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秘密 トップ・シークレット (6) [コミック 清水玲子]


秘密 6―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 6―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2009/02/27
  • メディア: コミック


<帯>
犯罪被害者の脳を取り出し、生前の映像記憶を再現する技術を駆使し、難解な事件の真相に迫る科学警察研究所・法医第九研究室。今回は、薪室長を中心に再結成したばかりの第九へ異動した警視庁捜査一課のエリート・岡部の視点で、不可解な連続殺傷事件を追う…!?


2009年3月に出たコミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第6巻には「秘密 トップ・シークレット 2008 A PIECE OF ILLUSION 」と「秘密 トップ・シークレット 2008 特別編 Copy Cat」を収録。

第九を壊滅状態に追いやった「貝沼」事件のあと、第九に岡部警部が異動してくるところから始まります。
不祥事を起こした第九、薪のお目付け役。
「薪警視正の状態を監視して逐一私(総監)に報告を」
反発していたけれど、徐々に薪を認めていくんですね。やっぱ岡部いいやつじゃん、というところ。

商店街で4人を惨殺したのち、首つり自殺した犯人郁子。郁子は、自宅で認知症の父親の介護をしていた。
脳の中で自らが生み出した「虚構」の世界に浸って、逃避していた犯人。「虚言癖」「ユメみるユメ子ちゃん」と周りに揶揄されても、自分の世界の中では幸せ。いやあ、これはつらいですよ、きっと。
郁子が思い描く幸せな自画像、まるでスーパーモデルであるのに対し、父親が描く郁子像が、美しいことは美しいものの、郁子の現実の姿を反映したものになっているところに、構想の確かさと怖さがあります。

特別編の方は、青木が主役です。
これ、怖いエピソードですねぇ。この第九が秘める怖さを象徴的に表したもの、とも言えますが。
せっかく、薪に誉められたのに。「ハレー彗星の接近なみに珍しい事態」+「薪さんの笑顔付き」のスペシャルだったのに。
青木くん、ぜひとも、幸せになってね!




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秘密 トップ・シークレット (5) [コミック 清水玲子]


秘密―トップ・シークレット (5) (JETS COMICS (4535))

秘密―トップ・シークレット (5) (JETS COMICS (4535))

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2008/07/29
  • メディア: コミック




2008年8月に出たコミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第5巻には「秘密 トップ・シークレット 2008 」と「秘密 トップ・シークレット 特別編」を収録。

ガンセンターで闘病治療中の末期ガン患者が告白した60年前の殺人。
死体を埋めたという場所から見つかったのは、それとは別の死体...
この死体をめぐる事件の真相はミステリではきわめてありふれた着地を見せますが、それよりもやはり、前作「秘密 4 トップ・シークレット」 (ジェッツコミックス)に続き登場する監察医の三好雪子をめぐって展開されるところがミソですね。
雪子と薪の対決シーンが何度も用意されていまして、結構しびれます。
167ページ以降の分なんて、雪子さん、そんなこと薪に指摘しちゃっていいの? みたいな。

後に、告白した通りの死体も発見されます。こちらは被害者は子供...
遺された95歳になる母親のコメントが厳しく迫ってきます。
子どもの脳を第九で調べ、死ぬ前に何を見たか、誰にどんな風に殺されて亡くなったのか、一人残された母親がきちんと知ることができるように、そしていつか冥土ですでに亡くなっている夫に報告できるようにしてほしい、と。それが60年前 犯人をみすみす取り逃がし、子供を死なせた警察の方々のせめてもの誠意ではないかと。
第九の捜査は確かにこういう側面もありうるんですね。
そこで見せられる子供の脳の映像は、かなり衝撃的です。
まったく予想もしていませんでした。でも、決して不快な映像ではありませんので、ご安心(?) ください。
そして、その後さらに母親によって明かされる(?) 衝撃。こちらは哀切です。

特別編の方は、第九のメンバー、岡部に焦点があたっています。
超こわもてですが、36歳なんですねぇ、まだ... ちっともそうは見えませんよ。
そんな岡部が偶然出会った子供の話となります。
わりとありふれた内容なのに、第九という要素を抛り込んだことで違った角度となります。
そして「秘密―トップ・シークレット (2)」 のエピソードが触れられて、岡部って顔に似合わず(失礼)、いい奴じゃんと思えます。
こうやっていろんなメンバーに触れられるのもいいですね。


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秘密 トップ・シークレット (4) [コミック 清水玲子]


秘密 4―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 4―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2008/01/29
  • メディア: コミック




2008年に出たコミックです。
帯には連続TVアニメ化決定! とあって、引用するあらすじがない...
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第4巻には「秘密 トップ・シークレット 2007 」と「秘密 トップ・シークレット 2007 特別編」を収録。
アレ? 第3巻 には「秘密 トップ・シークレット 2005 」が収録されていたんですけど、2006はどこへ!?

さて、今回は連続殺人(シリアルキラー)で、かつ、ミッシリング・リンクものです。おお、ミステリっぽい。
第九が、現在進行形の事件に駆り出されていて、サスペンスがおおきく盛り上がっています。
早めに西武新宿線の通勤・通学電車がキーであることが提示されますが、そのあと読者に示される事件の様相はとてもつらいものです。わりとミステリではおなじみのテーマなのですが、自分の身にふりかかったら、果たしてどうか。
このパターンのストーリーの場合、犯人を “落とす” 方法も見どころになるのですが、ここも絶妙というか、ぴったり。この犯人なら、と思いました。西村京太郎の「殺しの双曲線」 (講談社文庫)をちらっと思い出したりしましたが、犯人の想いが、絵になって迫ってくるのが、コミックの強みですね。
ミステリとして見ると、おなじみのテーマを使いながらも複雑なプロットをくみ上げていて、緻密な伏線も引かれていますので、十分ミステリファンにも楽しんでいただけると思います。

シリーズとしては、青木に姪が生まれるは、恋をするは。もう、大変です。恋の相手は、第一(法医学研究所 第一研究室)の名物女である監察医の三好雪子。別名、女・薪(笑)。おかげで、薪警視正の過去も覗けますよ。
シリーズとしては要注目の1作です。特別編も見逃せません。薪さんって、青木のことが好きなんですねぇ、と今さらの感想を言ってみたりして。




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秘密 トップ・シークレット (3) [コミック 清水玲子]


秘密 3―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 3―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2007/02/28
  • メディア: コミック


<帯あらすじ>
犯罪被害者の脳を取り出し、生前の映像記憶を再現する技術を駆使し、難解な事件の真相に迫る科学警察研究所・法医学第九研究室。5年前の事件をなぞるように起こる惨殺事件を前に、「第九」メンバーは過去と現在の二つの事件を同時に追及してゆくのだが……!?

コミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第3巻には「秘密 トップ・シークレット 2005 」を収録。

過去と現在と、物語が二重で走りますが、非常に重いテーマ(?) でずっしり。
ミステリ的には、伏線がさりげなく、しかし大胆にも堂々と読者に早くからさらされている点がポイントになるとは思うのですが、それよりなにより、関係者の思いが...
特に、5年前に抱いたであろう犯人と被害者の絶望感は、想像するのも難しいくらいの絶望ではないかと。

と同時に、淡々と文字だけで記載される後日談の最後のエピソードに、この問題が抱える難しさが出ているなぁ、と5年前の登場人物たちの年齢設定に思いを馳せながら考えました。

美しい絵にのせて語られる、怖いけれど哀しい物語です。


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秘密 トップ・シークレット (2) [コミック 清水玲子]


秘密―トップ・シークレット (2)    Jets comics

秘密―トップ・シークレット (2) Jets comics

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2003/05/29
  • メディア: コミック


<帯あらすじ>
生前の脳が見た映像を再現するMRIスキャナーを捜査に取り入れ、通常の捜査では解明不可能な犯罪を一手に担う科学警察研究所 法医学第九研究室。薪警視正と青木捜査員の「第九」コンビの前に立ちはだかる凶悪事件とは--!?
近未来ポリスサスペンス、衝撃の第2巻!!


コミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。(第1巻の感想はこちら
第2巻にも2話収録されています。
1話目の「秘密 トップ・シークレット 2002 」は、第九が狙われます。
3か月前に、第九に配属されたばかりの新人の女性捜査官天地が殺され、その脳が第九に送られてくる。うーん、こうやって文章で書いても、グロいですね。
犯人を突き止めることが目的なのですが、それ以外の部分、脳を分析され、見ていたものを映し出すことによって明らかになる天地の想いが、とても哀しくて。
2話目の「秘密 トップ・シークレット 2003 」は、執行の終った死刑囚の脳を見る話です。
罪状と事実を照合する(動機や手順等)ことと、故人が他の犯罪に関与していなかったか調べることが目的、という設定です。
捜査官青木の父親が死に、葬式の際に母親から「お父さん……あんたの仕事好かんかったと」と言われ、父親のつけていた日記を手渡されるときには「私は見たくない」といって渡されて、「たとえ…どんな人にでも人には知られたくないものがあるからね。あんたもそれだけは忘れんようにね」と告げられる。うーん、きつい仕事ですね。
死刑囚の娘からも、「恥知らず」で始まる激しい言葉を投げつけられる。
この第九につきものの「つらさ」が響きます。
この娘が真犯人であったことが早々に明らかになっているのですが、さて、どうやって真犯人であるこの娘を追いつめるのか、という興味もこの作品にはあります。だって、父親が犯人として死刑が確定し、執行も済んでいるのですから。
これ、とても素晴らしい方法で追いつめますので、ミステリファンも満足できると思います。読者の前にちゃんと提示されていたことが使われますので。
そして、その「追いつめ方」の結果が、青木の苦悩と照らし合わされるというあたりも、構成が整っているなぁ、と。
第2巻になって、清水玲子の腕はますます冴えわたっています。次巻以降にも期待が高まります!


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秘密 トップ・シークレット (1) [コミック 清水玲子]


秘密―トップ・シークレット (1) (Jets comics (234))

秘密―トップ・シークレット (1) (Jets comics (234))

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: コミック


<帯あらすじ>
大統領殺害の真相は、生前の脳が見た映像を再現するMRIスキャナーを使った捜査により白日の下に曝された。それから5年後、日本の犯罪史上類をみない連続殺人事件と相次ぐ少年の自殺とを結ぶ衝撃の事実が、MRI捜査によって明らかになった!

コミックです。
清水玲子さんの作品は、少女マンガでありながら(というと少女マンガに失礼ですが)、「竜の眠る星」 (白泉社文庫)「月の子」 (白泉社文庫)「輝夜姫」 (白泉社文庫)(リンクはいずれも第1巻に張っています)とSF的な舞台設定で堅固な物語世界を作り上げていてファンなのですが、1999年(雑誌発表時)に始まったこの「秘密」は捜査官が主人公となるもので、ミステリに近くなるかな、と勝手にいつも以上に期待していまして、すでに第10巻まで出ていて全て購入済です。積読を片付けるのに(コミックまで積読で恥ずかしい)、改めて1巻から再読してみようと思いました。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定です。
第1巻には2話収録されています。
第1話である「秘密 トップ・シークレット 1999 」はアメリカ大統領殺害を扱っていて、犯人を突き止めるために大統領が見ていたものを再生してみる、というかたちです。物の見方は人それぞれ、見る者の主観に左右されるので、映される映像は大統領の主観という、考えてみれば当然そうだろうなと思われるポイントがストーリーのキーとして有効に機能しています。この作品がシリーズ全体の導入部となります。タイトルの「秘密」という語の持つ意味が強く印象に残ります。
第2話「秘密 トップ・シークレット 2001 」以降は舞台を日本に移して、科学警察研究所 法医第九研究室(略して第九)が登場します。
第1話では死者に焦点が当たっていたのに対して、こちらは捜査する側、映像を見る側に焦点があたっていて、同じSF的設定が別の角度から提示されます。
少女マンガですので「絵柄に抵抗感がなければ」という限定をつけたほうがよいかもしれませんが、ぜひ男性にも読んでみていただきたい、と思います。
内容的に、惨死体とか出てきて、書きようによっては結構グロくなりそうですが、ベースがきれいな絵なので、さほどいやな感じはしませんでした--こちらが鈍感なだけかもしれませんが...最初はいわゆる美形の登場人物の見分けがつきにくいですが、そのうち慣れます!
少女マンガだからというだけで読まずにいるのはもったいない。SF的な設定を出発点として、次々と繰り出される物語世界に浸ってください。
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