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ROMES06 [日本の作家 か行]


ROMES06 (徳間文庫)

ROMES06 (徳間文庫)

  • 作者: 五條 瑛
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2009/09/04
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
世界最先端の施設警備システムROMESを擁する西日本国際空港に届いた複数の脅迫状。そしてある日、ROMESの警報装置が作動した! だがROMESの全貌を知るのは、西空警備チームでも最高運用責任者の成嶋優弥ただひとり。愛犬ハルとシステムしか信じない若き天才・成嶋と、テロリストたちの知と情を賭けた攻防の行方は…? 大藪賞作家が描く大型サスペンス。

作者の五條瑛はデビュー作「プラチナ・ビーズ」(集英社文庫)をはじめとする「鉱物シリーズ」や「断鎖(Escape)」 (双葉文庫)をはじめとする「R/EVELUTION=革命シリーズ」などのエスピオナージュで知られています。
NHKでドラマ化された(主演は関ジャニ∞の大倉忠義)のでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。本作は関西国際空港をモデルにした西日本国際空港を舞台にテロが発生、守る側と攻める側の攻防を描いたサスペンスです。航空機を題材にしたものは割とありますが、空港そのものというのは珍しい気がします。
三十そこそこで運用本部のお偉いさんが総出で出迎えるエリート成嶋に対して、同い年ながらその部下である砂村を配しているのが特徴です。相反する組み合わせの人物を配するのは常道といえば常道ですが、日ごろはふらふらしているけれど、やるときゃやります、というキャラクター(成嶋のことです)は、こういう風に外から見ないと輝きませんよね。
引退した麻薬犬ラブラドールのハルがいい感じですね。ちゃんと活躍します。
あとやっぱりROMES。「最新地上施設総合警備システム。これまで重要軍事施設でしか運用できなかった、世界最先端のシステム。従来の施設警備の概念を根底から覆すようなテクノロジーの集結...」 すごそうですよね。こういうシステム、関空にあるかどうかはともかく、本当にあるんでしょうね。シリーズ化されていますが、まだまだ隠された能力があるのでしょうか??
ところで、この作品の場合、動機が一つのポイントになっているのですが、この動機にはちょっと無理があるのではないかと思えてなりません。作者もそのあたりには配慮しているようで、いくつかの手立て(たとえば、過激派を登場させているのは、サスペンスを高めるためだけではなく、この狙いもあると思います)を講じているのですが、もう一息払拭しきれていないと感じてしまいました。どうでしょうか? とはいえ、この動機のおかげで作品全体が立体的になっているともいえますので、こちらの気にしすぎかもしれません。
五條瑛の作品は、分厚いものがほとんどなので、気軽に次々と手にとってというわけにはいきませんが、読み始めると夢中になれますので続けて読んでいきたいです。成嶋、砂村、ハルほか西空の面々と再会するのが楽しみです。
タグ:五條瑛 ROMES
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