ドライヴ [映画]
<ストーリー>--「シネマトゥデイ」HPから引用します
天才的なドライブテクを武器に、昼は映画のカースタント、夜は強盗逃し専門の運転手をしているドライバー(ライアン・ゴズリング)。ドライバーはアイリーン(キャリー・マリガン)にひそかに思いを寄せていたが、彼女には服役中の夫スタンダード(オスカー・アイザック)がいた。ある日、服役から戻ってきたスタンダードがガレージで血まみれで倒れている姿をドライバーが目撃し……。
カンヌ映画祭で監督賞を受賞した作品です。
原作はこちら。
映画の公開にあわせて新装版が出ました。タイトルが「ドライブ」から「ドライヴ」に変更されています。最初に翻訳されたときに読んだのですが、まったく覚えていません。
ジェイムズ・サリスの作品はほかに
「黒いスズメバチ」 (ミステリアス・プレス文庫)
「コオロギの眼」 (ミステリアス・プレス文庫)
が翻訳されていて、どちらも読んでいます。
うまく言えないのですが、事件やストーリーよりもむしろ、文章というか語り口というか、イメージが伝わってくるというのか、作品の手触り(読書に手触りというのは変ですが)が印象に残っています。
さて、映画ですが、ちょっと残酷なシーンがあるのが気になったのですが、非常にスタイリッシュな映画だなぁ、と思いました。このあたりは、「イメージ」「手触り」が強く印象に残る原作者とその作品に近しいのかもしれません。
そもそも、主人公であるドライバー(タイトルがドライヴなら、ドライヴァーと書くべきかも)が、隣人に思いを寄せているというところからして、はっきりとは描かれていません。とても奥ゆかしいというか、能動的ではありません。無口にもほどがあるといいたくなるくらい、無口な主人公。情景の積み重ねで伝わってくるのです。抑制的なこの感覚がいいと思いました。
一転して激しくなる後半も、スピーディーだし、サスペンスに溢れているのに、騒々しくない。
この監督の次の日本公開作品も、気を付けて見逃さないようにしたいです。
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