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明智小五郎対金田一耕助 名探偵博覧会Ⅱ [日本の作家 芦辺拓]


明智小五郎対金田一耕助 (創元推理文庫)

明智小五郎対金田一耕助 (創元推理文庫)

  • 作者: 芦辺 拓
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/01/30
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
昭和12年の冬、薬問屋の娘の依頼を受けて、商都大阪を訪れた若き日の金田一耕助。老舗二軒の本家争いに端を発する騒動は、金田一の到着とともに異様な事件に発展する。一方、時を同じくして同地に立ち寄った明智小五郎は……。目眩くどんでん返しが連続する表題作ほか、雷鳴轟く古城で起きる不可能犯罪「フレンチ警部と雷鳴の城」など、古今東西の名探偵が大活躍の7編を収録。

「真説ルパン対ホームズ ― 名探偵博覧会Ⅰ」 (創元推理文庫)に続く、パスティーシュ短編集第2弾です。
今回も楽しいですよ。
収録作品は、
「明智小五郎対金田一耕助」
「フレンチ警部と雷鳴の城」
「ブラウン神父の日本趣味(ジャポニズム)」
「そしてオリエント急行から誰もいなくなった」
「Qの悲劇 または二人の黒覆面の冒険」
「探偵映画の夜」
「少年は怪人を夢見る」
の7作。いずれも芦辺拓が腕によりをかけた作品ばかりです。
「真説ルパン対ホームズ ― 名探偵博覧会Ⅰ」 の感想に書いたこと(リンクはこちら)を裏切ってみせる作品もあって、うーん、脱帽。
なかで個人的なベストは「フレンチ警部と雷鳴の城」です。フレンチ警部の作品を最近ちょくちょく読んでいるから、というわけではなく、それ以外にも高名な探偵が出てくるからです! 事件の真相もかなりおもしろいところを突いています。名探偵の競演って、こういう風に使ったほうがおもしろいのかも--怒る人もいるかもしれませんが。
「オリエント急行の殺人」 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)を出発点に、おそろしい地点まで読者を連れて行ってしまう「そしてオリエント急行から誰もいなくなった」もステキです。
「Qの悲劇 または二人の黒覆面の冒険」については、なかなか考えるところもあり、楽しいと同時に勉強にもなる(?)のですが、最後に出てくる黒衣の老人って、誰なんでしょうか? わかりません...
この「明智小五郎対金田一耕助」で、「贋作というスタイルに一区切りをつけた」とあとがき(文庫版のためのそえがき)に作者は書いていますが、こんなに贅沢な趣向を楽しめるのですから、そんなこと言わずに、また書いてほしいです!
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