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蝋人形館の殺人 [海外の作家 ジョン・ディクスン・カー]


蝋人形館の殺人 (創元推理文庫)

蝋人形館の殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: ジョン・ディクスン・カー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2012/03/22
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
行方不明の元閣僚令嬢が、他殺死体となってセーヌ河で発見された。予審判事バンコランは、彼女が最後に目撃された蝋人形館の館主を尋問したのち、その館へ赴き展示を見て回るが、そこで半人半獣の怪物像に抱かれた女の死体を発見する。頽廃の都を震撼させる異様な殺人事件の真相とは。優雅な装いの下に悪魔(メフィストフェレス)の冷徹さと知性を秘めたバンコランの名推理。新訳にして初の文庫版。


初の文庫化らしいです。いやあ、めでたい!
前回カーの感想を書いたのは「夜歩く」 (創元推理文庫)でしたが(ブログへのリンクはこちら)、その「夜歩く」 同様、この「蝋人形館の殺人」 も雰囲気が怖いですねぇ。いや、蝋人形館なんて、いかにも怪しげな場所が舞台なので、一層怖さが際立っているかもしれません。蝋人形に紛れて死体が見つかるなんて、江戸川乱歩の通俗ものであるようなシチュエーション!
探偵役のバンコランも、正義の味方というよりは、怖い人みたいだし...

蝋人形館ともうひとつこの作品の主要な舞台となるのが、蝋人形館と隣接する秘密クラブ(笑)。
名家出身者限定の“色つき仮面クラブ”で、男女の出会いの場、という設定です。いやあ、退廃的な爛熟期のパリって感じですね。
語り手のジェフ・マールが大活躍します。馬鹿馬鹿しくていいですよ。

お得意の不可能トリックという感じはないのですが、意外な犯人の演出には成功しているように思います。
意外なところから、すっと犯人が差し出されたようなそんな印象を受けます。
ラストも衝撃的ですね。それにしてもこのラスト、バンコランの狙い通りだったのでしょうか?
気になりますね。
どうして長い間文庫化されなかったのか、不思議に思える佳品です。


原題:The Corpse in the Waxworks
著者:John Dickson Carr
刊行:1932年


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Kun-KunBEAR

文庫化してすぐ読みました♪
面白かったですね〜(^o^)
by Kun-KunBEAR (2014-05-20 09:12) 

31

Kun-KunBEARさん、ありがとうございます。
面白かったですよね。
本当に、どうして長い間文庫化されたなかったんだろう、と不思議に思いました。
by 31 (2014-05-20 21:03) 

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