海街diary 1 蝉時雨のやむ頃 [コミック 吉田秋生]
<裏表紙あらすじ>
男の部屋で朝を迎えた三姉妹の次女・佳乃(よしの)に父の訃報が届いた。母との離婚で長い間会っていない父の死に、なんの感慨もわかない佳乃は…。鎌倉を舞台に家族の「絆(きずな)」を描いた限りなく切なく、限りなく優しい吉田秋生の新シリーズ!!
吉田秋生といったら、やはり「BANANA FISH」 (小学館文庫)(リンクは全巻セットに貼りました)。あの大傑作を書いた漫画家なので、その後もずっとフォローしていました。
「YASHA」 (小学館文庫)も「イヴの眠り」 (小学館文庫)も読んでいます。
この海街diaryシリーズも当然すぐに買ったのですが、サスペンス路線ではなさそうだったので、きちんとフォローしていなかったところ、映画化されるということで、また読んでみるか、と思って手に取りました。
この第1巻には、
「蝉時雨のやむ頃」
「佐助の狐」
「二階堂の鬼」
の3話(?) 収録。
非常に複雑な設定を持つ物語なのですが、マンガであること、視覚的であることを最大限に活かし、かつ、効果的に長短のセリフをちりばめることで、無理なく読者に伝わってきます。
いやあ、やはり吉田秋生は優れた漫画家だったのだ、とあらためて感じました。
死んだ父親をめぐる3人姉妹の複雑な胸のうちから、4人目の妹すずが見せる感情の大爆発まで。素晴らしい。
そして4人姉妹として一緒に暮らすことになるところまでが、「蝉時雨のやむ頃」。
佳乃が彼氏とわかれるエピソードを描く「佐助の狐」 (いや、いくらなんでも、メガネかけたくらいで、まったく気づかなくなるなんてことはないと思いますよ...)
そして、地元のサッカーチーム「オクトパス」に、すずが加入。そのオクトパスの主将・多田裕也を襲う苛烈な運命「二階堂の鬼」。(吉田さん、厳しすぎますよ、あまりにも。幻肢痛とか、さらっと中学生に言わせちゃ、駄目です...)
巻末に、見開きの海街diary周辺MAPがついていますが、ちょっと鎌倉に行ってみたくなります。
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