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犯罪ホロスコープⅡ 三人の女神の問題 [日本の作家 な行]


犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (光文社文庫)

犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (光文社文庫)

  • 作者: 法月 綸太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/01/08
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
十年前に解散した女性三人組アイドル・トライスター。彼女たちが所属していた事務所の元社長が他殺死体で見つかった。犯人は元ファンクラブ会長。彼は、自身のブログで元社長殺害をほのめかした直後、服毒自殺していたのだ。だが、トライスターのメンバー内に共犯者がいたことがわかり……(表題作)。名探偵・法月綸太郎が六つの難事件に挑む〈星座シリーズ〉後編。


あとがきで作者自身が〈星座〉シリーズと呼んでいる連作の後半6編を収めた短編集。
前半は「犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題」 (光文社文庫)(感想ページはこちら
法月綸太郎を読むの、「犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題」以来ですね......

収録作は
[天秤座] 宿命の交わる城で
[蠍 座] 三人の女神の問題
[射手座] オーキュロエの死
[山羊座] 錯乱のシランクス 
[水瓶座] ガニュメデスの骸
[魚 座] 引き裂かれた双魚
各編のタイトルが引き続き8文字に統一されていて、いい感じです。

本格ミステリとして非常に良くてできていまして、特に冒頭の「宿命の交わる城で」は、飛ばしています。
早い段階で明かされているので触れますが、交換殺人を扱っています。交換殺人はアイデアは面白くても、交換殺人であることがわかったとたん筋書きがさっと読めてしまうという欠点を内容していますが、それを逆手に取っているのがすごい! これ、長編にすればよかったのに。

ここまでの密度ではなくても、各話それぞれ、たっぷり本格ミステリとしての粋が味わえます。
お薦めです。


<蛇足>
「歩くジャンク債みたいな小物だから、大金をせしめたことはないんじゃないかな」(91ページ)
歩くジャンク債? ちょっと喩えようとしている内容がわかりませんね......



<2023.8.3追記>
「2014本格ミステリ・ベスト10」第5位です。

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