SSブログ

初めての梅 船宿たき川捕り物暦 [日本の作家 樋口有介]


初めての梅 船宿たき川捕り物暦 (祥伝社文庫)

初めての梅 船宿たき川捕り物暦 (祥伝社文庫)

  • 作者: 樋口有介
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
奥州白河の武家の道を捨てて船宿〈たき川〉に婿入りし、二代目を襲名した米造の裏の顔は、江戸の目明かし三百の総元締。法外な値をつけると噂の料理屋〈八百善〉の娘お美代の不審死について相談を受けた米造だったが、調べに差し向けた手下清次が何者かに斬られてしまう。折しも白河藩主松平定信が砒毒を盛られ……。田沼との暗闘が激しさを増す、シリーズ第二弾。


ひょんなんことから?再読した、「変わり朝顔 船宿たき川捕り物暦」 (祥伝社文庫)(感想ページはこちら)の続刊です。

今回も、江戸を舞台に、結構手の込んだプロットが展開されます。
まあ、相手が田沼ということですから(ある意味ネタバレなのかもしれませんが、前作から引き続いてのテーマですから、問題ないですね)、複雑にもなろうというもの。
忍ばされたテーマも、現代的でありながら、江戸という時代にふさわしい感じもするもので、なかなかですね。

また、武家から町人(目明し)に転じた主人公米造(真木倩一郎)の暮らしの変りぶりが書かれているのも興味深いし、なんだお葉とラブラブだなあ(死語)というのも楽しい。
「あとがき」で作者は金銭感覚について触れていますが、田沼を相手にするとなると、こういう点で地に足のついた作品が好もしいのは言うまでもありません。

気になるのは、事件の落着。
非常に落ち着きの悪いというか、すっきりしない着地になるのですが、大人の事情といいますか、現実的には妥当なところかと思うものの、物語的には物足りない。
それは、この「初めての梅 船宿たき川捕り物暦」 (祥伝社文庫)がシリーズの半ばだから、ということなのだと思われます。
「あとがき」でもそのことが匂わせてありますから、ぜひぜひ、続刊をお願いします。
というか、続刊がないと、いかにもおさまりが悪い。
捕り物暦というくらいですから少なくとも計4冊、できうることなら12冊のシリーズとなることを祈念!


nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。