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映画:ハウス・オブ・グッチ [映画]

ハウス・オブ・グッチ.jpg


本の感想も全然かけていないのですが、映画の感想もかなりかけずにいます。
最近では「マリグナント」(感想ページはこちら)しか書けていませんね。
なので、ちょっと寄り道。
上映が始まったばかりの「ハウス・オブ・グッチ」から書いてみます。

シネマトゥデイから引用します。

---- 見どころ ----
世界的ファッションブランド「グッチ」創業者の孫で3代目社長マウリツィオ・グッチの暗殺事件と、一族の確執を描いたサスペンス。サラ・ゲイ・フォーデンによるノンフィクションを、『ゲティ家の身代金』などのリドリー・スコット監督が映画化。グッチ家を崩壊に導く女性を『アリー/スター誕生』などのレディー・ガガ、その夫マウリツィオを『スター・ウォーズ』シリーズなどのアダム・ドライヴァーが演じるほか、アル・パチーノ、ジャレッド・レトー、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエックらが共演する。


あらすじは映画のHPから引用しましょう。

---- あらすじ ----
貧しい家庭出身だが野心的なパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、
イタリアで最も裕福で格式高いグッチ家の後継者の一人であるマウリツィオ・グッチ
(アダム・ドライバー)をその知性と美貌で魅了し、やがて結婚する。
しかし、次第に彼女は一族の権力争いまで操り、
強大なファッションブランドを支配しようとする。
順風満帆だったふたりの結婚生活に陰りが見え始めた時、
パトリツィアは破滅的な結果を招く危険な道を歩み始める…。


ハイブランドのオーナー一族の中の確執。
殺し屋を使った殺害事件まで発生したことは、ニュースでも当時取り上げられていたので、おぼろげながら覚えています。
非常にセンセーショナルなストーリーで、まあ、覗き見趣味に応えるもの、ですね。
恐ろしくハイソな家族を舞台にしながら、驚くほど下世話な展開を見せます。

主演はレディ・ガガですが、迫力あります。
まるで彼女のための映画みたい。

彼女の演じるパトリツィアが、変わってしまったのかどうなのか。
もともとの彼女の本性だったのかもしれないし、周りによって彼女自身も変わってしまったのかもしれないし。
ここははっきりさせてほしかったように思います。
怪しげな占い師が登場してくるのも、事実なんだろうけど、ドラマ的にはどうなんだろう?
心が離れてしまった夫を殺してしまおうとするほどの心の軌跡はよくわかりませんでした。自暴自棄になっていたのかもしれませんが。

被害者となる夫マウリツィオの変化のほうも気になりました。
グッチ家から距離を置いてでもパトリツィアと一緒になりたかったのに。
最初はパトリツィアに煽られて、ということだったのかもしれませんが、いつしか、自ら差配するように、支配するように、変わっていったように思えます。模倣品を駆逐しブランドの価値を守るべきだというパトリツィアの最初の主張は説得力ありますし、マウリツィオも従いやすかったのかもしれませんね。それが次第、次第に、という感じ。
演じるアダム・ドライバー、スター・ウォーズに出ていた役者さんですが、いやあ、立ち居振る舞いが優雅、というか、いかにもセレブのぼんぼん、といった雰囲気が醸していてすごいです。

159分という長めの映画なのですが、印象的にはすごくあわただしい。
事実に基づく、というのが手枷、足枷になったのでしょうか?
主役陣の心情の変遷がわかりにくいのは、原作は、「ハウス・オブ・グッチ」 上
下 (ハヤカワ文庫NF)として早川書房から出ているところ、上下のボリュームをこの長さの映画にするのに、刈り込んじゃったからでしょうか?
ミステリではないので、原作本をわざわざ当たってみる気にはならないのですが......

とはいえ、興味深い題材でしたし、さすがはグッチを背景にしているだけあって画面が華やかで楽しめました。

気になった点がいくつか。

まず気になったのは、セリフが英語なのはいいとして(イタリアが舞台で登場人物がイタリア人だからといって、イタリア語ではハリウッド映画としては困ってしまうから)、みんながみんな訛った英語を話していたこと、でしょうか。
雰囲気ですが、イタリア人が英語を話すとこんな感じ、というような。
イタリアの雰囲気は出たのかもしれませんが、これでいいのかな、と。

2点目は、物語のラスト、パトリツィアによって亡き者にされちゃう夫・マウリツィオなのですが、彼の持っていた株はどうなったのでしょうか?
劇中では、売れと言われるシーンはあっても売ったシーンはなく、殺されてしまいます。
であれば、パトリツィア(と娘)が一旦は相続したはずで(のちに相続欠格になるとはいえ)、映画のエンディングでさらっと書かれているような事態になる前に、もう一波乱も二波乱もあっておかしくないと思ったのですが......??


製作年:2021年
製作国:アメリカ
監督・製作:リドリー・スコット




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