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深泥丘奇談・続 [日本の作家 あ行]


深泥丘奇談・続 (幽ブックス)

深泥丘奇談・続 (幽ブックス)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/03/18
  • メディア: 単行本



単行本で読みました。
今となっては、角川文庫から出ています。末尾に書影を掲げておきます。

『幽』編集長の東雅夫さんが、帯に紹介文を書かれています。
長いですが、引用しちゃいます。

誰もいない閑寂な境内で、社殿の鈴が鳴り響く不思議を追う「鈴」、
カニやエビといった甲殻類に対する苦手意識が、刻々と真正の恐怖へ高まってゆく「コネコメガニ」、
同窓会の酒席で語り手が直面する薄気味悪い事態を描いて、あの名作『Another』を彷彿せしめる珠玉の都市伝説風ホラー「狂い桜」、
世にも奇妙な外科手術の顛末を軽妙に描いてアッと云わせるナンセンス・ストーリー「心の闇」、
熱烈なホラー映画マニアとして知られる著者の本領が前回の「ホはホラー映画のホ」、
地蔵盆の郷愁に満ちた光景が、いつしか土俗的怪異の幻景に変貌を遂げてゆく「深泥丘三地蔵」、
誰もが一読呆然とするに違いない、集中髄一の怪作「ソウ」、
クトゥルー神話的なるものとの聯関をいよいよ予感させる異色の猟奇譚「切断」、
人ならざる幽霊に翻弄される「夜蠢(うごめ)く」、
奇絶怪絶のラストシーンに圧倒される「ラジオ塔」
……記憶の深みへ、地霊の奥処へ、読む者を妖しく誘う連作集、変幻自在の第二弾!


架空の京都の町、深泥丘(みどろがおか)を主要な舞台としたホラー?連作中。
前作「深泥丘奇談」 (角川文庫)を読んだ時も、ホラーというのかなんというのか、実に奇妙な手触りの作品で、どう解釈していいものやら悩んだのですが、その傾向はこの「深泥丘奇談・続」 (角川文庫)も同じ。
ホラーではあっても、緊張感高まる、ハイテンションのホラー、来るぞ来るぞ、出るぞ出るぞと脅してくるホラーではなく、肩の力を抜いたホラー?

だいたい舞台となる深泥丘からして変ですよね。
実在の地名、深泥池(みどろがいけ)からアイデアを拝借した知名なわけですが、池や沼だからこその深泥であって、深泥が丘になるって、どういうこと!?
まさに、帯にある通りで、「この京都、面妖につき」です。

さらなる続刊もあるんですよね。
きっと読みます。(というか買ってあります)

<蛇足>
「近隣の大阪や滋賀も含め、こちらの地方ではごく一般的な行事として慣れ親しまれている地蔵盆だが、これが他の地方に広まることはなかったらしい。今でもだから、たとえば東京の人間に『地蔵盆』と云ってみても、往々にして『何ですか、それ』と問い返されたりするのである。」(135ページ)
今まで気づいていませんでしたが、そういえば、地蔵盆って東京では見ないですね......


角川文庫の書影です。

深泥丘奇談・続 (角川文庫)

深泥丘奇談・続 (角川文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 文庫


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