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追撃の森 [海外の作家 ジェフリー・ディーヴァー]


追撃の森 (文春文庫)

追撃の森 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/06/08
  • メディア: ペーパーバック

<カバー裏あらすじ>
通報で森の別荘を訪れた女性保安官補ブリンを殺し屋の銃撃が襲った。逃げ場なし――現場で出会った女を連れ、ブリンは深い森を走る。時は深夜。無線なし。援軍も望めない。二人の女vs二人の殺し屋。暁の死線に向け、知力を駆使した戦いが始まる。襲撃、反撃、逆転、再逆転。天才作家が腕によりをかけて描く超緊迫サスペンス。


2022年5月に読んだ10作目の本です。
ジェフリー・ディーヴァーのノン・シリーズもの。
2009年国際スリラー作家協会賞長編賞受賞作のようです。あまり知らない賞ですが。

女対殺し屋という構図で描かれる、追うもの、追われるもの、というストーリーで、緊迫感あふれるサスペンス。
とても面白いです。
定石通りの展開もあり、また、追うものと追われるものが通じ合うというシーンもあり。
「おれの仲間がこんな話をしてくれた。やつのおふくろさんだか、ばあさんだか忘れたが、トリックスターっていうのがいるって。神話っていうか、おとぎ話に出てくる。そいつがありとあらゆる厄介事を惹き起こすんだそうだ。おれは一晩、あんたのことをそう呼んできたよ、ブリン。」(314ページ)
このセリフ、結構いいですよね。

とても面白く読んだので、それでよし、なのですが、あえて言っておくと、いつものディーヴァーお得意のどんでん返し連鎖がこの作品の場合逆効果なように思えました。
こういう対決型の冒険ものタイプの作品の場合、どんでん返しは連鎖させるよりも、ここぞという時に一発大きく仕掛けるほうがよいのかもしれません。
せっかく骨太の対決に引き込まれていたのに、どんでん返しで構図がずれていくとちょっとすかされたというか、躱されたというか、そんな気分になってしまって少々興ざめ感が出てくるように思いました。



原題:The Bodies Left Behind
作者:Jeffery Deaver
刊行:2008年
翻訳:土屋晃



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