SSブログ

地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険 [日本の作家 さ行]


地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険

地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険

  • 作者: そえだ 信
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2020/11/19
  • メディア: 単行本

<カバー袖あらすじ>
鈴木勢太、性別男、33歳。未婚だが小学5年生の子持ち。北海道札幌方面西方警察署刑事課勤務……のはずが、暴走車に撥ねられ、次に気づいたときには……「スマートスピーカー機能付きロボット掃除機」になっていた! しかもすぐ隣の部屋には何故か中年男性の死体が。どんなに信じられない状況でも、勢太には諦められない理由があった。亡き姉の忘れ形見として引き取った姪・朱麗のことだ。朱麗の義父だった賀治野は、姉と朱麗に暴力を働き接近禁止命令が出ていたが、勢太がそばを離れたとわかったら朱麗を取り戻しにやってくる。勢太の目覚めた札幌から朱麗のいる小樽まで約30キロ。掃除機の機能を駆使した勢太の大いなる旅が始まる。だが、行く手にたちはだかる壁、ドア、段差! 自転車、子ども、老人! そして見つけた死体と、賀治野と、姉の死の謎! 次々に襲い掛かる難問を解決して小樽に辿り着き、勢太は朱麗を守ることができるのか?


2022年5月に読んだ最後の本で、11作目(13冊目)です。
単行本で読みました。
第10回アガサ・クリスティ―賞受賞作。
既に文庫化されています。単行本時の副題をタイトルへと改題されています。


掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: そえだ 信
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2022/05/24
  • メディア: 文庫



掃除機探偵?
と思いますが、本当に掃除機。単行本のイラストではわかりにくいかもですが、文庫版の表紙イラストでは中央にドーンといるロボット掃除機です。
そこに主人公の意識が乗り込んでしまう。

いやあ、なんとも素っ頓狂なアイデアを思いついたものです。
なにしろ無生物。
自ら動き回るロボット掃除機というのがミソですが、それでもいろいろと困難が容易に予想されます。このあたりよく考えられていますね。

物語は最初なかなか話がすすまず、正直もたついている印象で、アイデアで驚かされたものの、いわゆるつかみだけなのかな、と思っていたら、ロードノベル風に展開する中盤以降は快調になりました。
この作品は、「掃除機探偵の推理と冒険」 (ハヤカワ文庫JA)ということですが、冒険に比重を置いて楽しむのがよいです。
人の善意に支えらえるという展開も、こういう小説の場合は心地よい。
ーーだって、どうしたって所詮はロボット掃除機。ネットに接続することで都合よくいろいろとわかるとはいっても限界があって、誰かに助けてもらわないければならないことは当初より自明ですから。

せっかくのクリスティー賞なのだから、推理の部分にもう一段も二段も工夫してほしいところではありますが、また驚かされるようなアイデアで楽しい物語を披露してほしいです。




nice!(14)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 14

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。