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馬疫 [日本の作家 か行]


馬疫

馬疫

  • 作者: 茜 灯里
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2021/02/23
  • メディア: 単行本

<帯あらすじ>
「馬が凶暴になってるだけの問題じゃないの。馬インフルエンザが新しい、未知のタイプに変異している。つまり、種を超えて広がるかもしれない兆候があるってことなの」
2024年、欧州での新型コロナ感染拡大を受け、夏季五輪は再び東京で開催されることになった。だが、日本馬術連盟の登録獣医師・一ノ瀬駿美が参加した五輪提供馬の審査会で、突如、複数の候補馬が馬インフルエンザの症状を示し始める。ウイルスの正体は過去に例を見ない「新型馬インフルエンザ」。感染した馬を凶暴にさせてしまう「狂騒型」だった。五輪は無事に開催できるのか、そして新型馬インフルエンザの先に現れる、もう一つの恐ろしいウイルスとは──。獣医師で大学教員の著者にしか描けない、理系ミステリーの新境地!


2022年9月に読んだ10冊目の本です。
第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
単行本で読みました。
2023年3月に文庫化されています。

馬疫 (光文社文庫 あ 73-1)

馬疫 (光文社文庫 あ 73-1)

  • 作者: 茜灯里
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2023/03/14
  • メディア: 文庫

馬インフルを題材に、グイグイ読まされました。とてもおもしろかった。
こういう話、好きなんですよね。
新型コロナがあったせいで、この種の物語が余計リアルに感じられる、という点はあるかと思いますが、専門的な話も、素人にわかりやすく書いてあると思いました。
大きな話の割に読者に提示される世界が限られていて、もっともっと大きな話になりそうなのにならない点(パニック小説というほどの展開にはなりません)や、物語として事件の起こし方が雑に感じられるところがあったのは残念ですが、こういう作品、どんどん書いてほしい。


<蛇足>
「部外者の獣医師でも診察できるなら、私も是非、参加したいです。ー略ー」
「無理だ。俺は今、エクセレントに雇われている。ー略ー」
(一匹狼タイプの三宅先生が、エクセレントに就職ですって?)(116ページ)
獣医師が「雇われている」という場合、語感として「就職」というよりは「顧問」とか「専属」というイメージかと思うのですが、就職というのが一般的なのでしょうか。


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