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ROMES 06 誘惑の女神 [日本の作家 か行]


ROMES 06 誘惑の女神 (徳間文庫)

ROMES 06 誘惑の女神 (徳間文庫)

  • 作者: 五條瑛
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2011/04/01
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
世界最先端の地上施設警備システムROMESを擁する西日本国際空港に、伝説のテロリスト ”アウレリオ” から届けられた挑戦状。 死んだはずの男が狙うのは、空港で展示予定の黄金の女神像、そしてROMES! ROMESの天才的な運用者である成嶋優弥と空港警備チームは、世界的な犯罪者集団から女神を守れるのか? 大人気サスペンス第二弾。


読了本落穂ひろいです。
「ROMES 06」 (徳間文庫)(感想ページはこちら
から始まるROMESシリーズの第2作。
五條瑛の「ROMES 06 誘惑の女神」 (徳間文庫)
2015年12月に読んでいたようです。もう8年の前なのか......
先にシリーズ第3作の「ROMES 06 まどろみの月桃」 (徳間文庫)(感想ページはこちら)の感想を書いています。

このシリーズとてもいいですね。
冒頭、副題にもなっている女神像の警備が必要ということで、派遣元であるヒンデル保険会社から裏の情報(?) を得た成嶋が、成田空港に派遣されている砂村を、”鉄砲玉” として呼び戻すところからして、わくわくします。
パラグアイで死んだはずの伝説のテロリスト・アウレリオによる犯行声明。

テロリストが盗み? とまずは思います。
テロリストだってお金が(それも巨額の)必要でしょうし、盗みもするのでしょうが、違和感を感じます。
このあたりの事情は物語の流れにそって明らかになっていくのですが、この背景がしっかり作られているのがいいですね。その流れの中で、成嶋の恩師・デイビス教授がアナーキストやテロリストとつながっていたことが示されるなど、作者の設計図は確かですね。

途中 ROMES の優れた機能を読者は見せつけられます。
物語はもちろんのこと西空視点であり、砂村ですから、守備側の立ってどうやって守るか、に主眼があるのですが、読んでいると ROMES の優秀さから、どうやってテロリスト側は攻撃してくるのだろう? と、肩入れとはいかないものの悪者側に立ってついつい考えてしまいます。
犯人側視点の場面も折々挿入されますが、実際にどうやって攻撃を仕掛けるのかは、明らかにされません。
緊張感がどんどん高まっていきます。
犯人サイドに複数の当事者がいて、それぞれの思惑が入り乱れることもそのことに拍車をかけます。
面白い。

ROMESの機能についてはあらかじめすべてが明かされているわけではなく、いざという場面で後出しジャンケン的な色彩も帯びてはいるのですが、成嶋が飼っているラブラドール犬・ハルも活躍しますので、よしとしましょう(笑)。

一点気になったこと。
518ページに成嶋の独白が挿入されるのですが、これ、不要だと思いました。
独白の中身がちょっと安っぽいんですよね。
成嶋は外側から描かれるべきで内側を安易に読者にさらすのは、シリーズの流れにそぐわない気がするからです。
その直後に恩師による成嶋評が披瀝されるので、余計にそう思います。

「ROMES 06 まどろみの月桃」感想)にも書きましたが、このシリーズとても面白いので、続きが読みたいです。



タグ: 五條瑛 ROMES
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