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海馬が耳から駆けてゆく2 [その他 菅野彰]


海馬が耳から駆けてゆく (2) (ウィングス文庫)

海馬が耳から駆けてゆく (2) (ウィングス文庫)

  • 作者: 菅野 彰
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2003/09/01
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
『あなたの今までの人生の中でしてしまった、一番の悪いことはなんですか?』「海馬」史上最大の話題をまいた「悪いことの話」。『八丈島に住んでいるシカ科の哺乳類は?』の問いに即答できますか? 答えは、「二十八歳大人の話」の中に……。
体育会系一族の中で「カスケブタ」と呼ばれていた著者の、愛(?)と友情と勘違いの日常を綴る爆笑エッセイ、文庫化第二弾!!


「海馬が耳から駆けてゆく (1)」 (ウィングス文庫)の感想(リンクはこちら)を書いたのが2012年の8月。ずいぶん前になりますねぇ。
ロンドンへ異動となって、ロンドンでも安心して爆笑できる本も持っていこうと思って、このシリーズを選びました。でも、3と4は見つからず、1巻2巻5巻を持ってきています。
小説ではなく、エッセイです。

といいましたが、この2巻では1巻ほど爆笑はしませんでした。
「春のうららの話」の回など、作者自身が「あまりおもしろくない話でしたが、春の名残なので許してくれたまい。」と締めくくり、かつ、次の回に回想して「先月は辛気臭くて失礼しました」と書くくらいですから。でも、爆笑はしなくてもしっかりと笑える部分がきっちりと入っているところは、さすがですね。(絵のモデルって大変なんですね...やはり)

それだけでなく、なんだかまじめな部分が増えている気がする...
「ふと思ったのですが、日本人はもともと自分に対してマイナス点から始める民族なのではなかろうかね。農耕民族だったものがいつの間にかものの命をちょうだいするようになって、なんかこう、常に申し訳ないことをしながら生きているようなそんな感じなんじゃなかろうか。生きるということは何かを殺すこと。ああ今日も私は何かを殺して生きているなんぞと暗いことを、心の何処かでぶつぶつと刻みながら日々飯を食っているのではなかろうか。」(150ぺージ)
なんてひょいと出てきてびっくりもします。

この部分の見開き反対側に
「学ランのランって何ですか?」(151ページ)
とあって、そういえば、なんだろと思ってネットで調べてみました。語源由来辞典です。
「学ランの『ラン』は、江戸時代の隠語で洋服を意味する『ランダ』が略された語。
 学生が着るランダ(洋服)という意味から『学ラン』となった。
 ランダが洋服を指す由来は、鎖国時代の日本で『西洋』は『オランダ』のことを言ったためで、一般的には『蘭服(らんぷく)』と呼ばれた」とのことです。
へぇ~。勉強になりました。

いや、それでもちゃんと爆笑もしましたよ。
このことは書いておかなければ。
ご家族も友人も、しっかり笑わせてくれます。
今回個人的ヒットは、月夜野女子ですね。
「考えてみれば滅多に嘘も言わない人なのだが、人徳なのだろう。本当のことを言っていてもなんか嘘くさい」(82ページ)
って、ひどい言われようですね(笑)
「その上どんなにもっともらしいことを言っても、
『たれてる、口からうんちくが』
と、お手拭きで口を拭われたりしている。」(83ページ)
って、楽しそう。ちょっと周りの人にやってみたいかな...

このあと、「八丈島のキョン」(がきデカ)の話になるんですが、さらに
「『がきデカ』といえば『マカロニほうれん荘』。
行かず後家よりあかん大人より、二十八歳になって何が一番衝撃だったかというと、
『トシちゃん二十五歳違いのわかる男』
を、思いっきり追い越してしまったことにはたと気づいてしまったことだった。」(95ページ)
とあって、懐かしく感じました。「マカロニほうれん荘」 (少年チャンピオン・コミックス)かあ...








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