SSブログ

憂国のモリアーティ 4 [コミック 三好輝]

憂国のモリアーティ 4 (ジャンプコミックス)

憂国のモリアーティ 4 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 三好 輝
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: コミック

<裏表紙あらすじ>
悪魔の所業を裁くは“死神"──
泥沼化するアフガン戦争を終結へ導け──。
MI6に課されたこの極秘任務の遂行を、モラン大佐に命じるウィリアム。
世界の大局を左右する代理戦争の“黒幕"と、アフガン従軍時のモランの因縁が交錯する時、大英帝国に蔓延る闇がまたひとつ、その姿を現す!!



「憂国のモリアーティ」 (ジャンプコミックス)(感想ページへのリンクはこちら
「憂国のモリアーティ 2」 (ジャンプコミックス)(感想ページへのリンクはこちら
「憂国のモリアーティ 3」 (ジャンプコミックス)(感想ページへのリンクはこちら
に続く第4巻。
表紙は、ワトソンですね。

#12,13,14  黄金の軍隊を持つ男 第一幕、第二幕、第三幕 (The Man with the Golden Army Act 1, Act 2, Act3)
#15 二人の探偵 第一幕 (The Two Detectives Act 1)
を収録しています。

「黄金の軍隊を持つ男」はアフガン戦争がテーマです。
第3巻感想で、
「ラストシーンでは再びホームズが登場します。なぜかロンドンのユニバーサル貿易社に長官と呼ばれて登場します。なんだろな。」
と思い切り間抜けなことを書いてしまいました。
ここで登場するホームズは、ホームズはホームズでも、シャーロック・ホームズではなく、その兄マイクロフト・ホームズですね。すぐに気づいてしかるべし。
このマイクロフト・ホームズ、シャーロックと顔が似ているのがご愛敬(?)。
このマイクロフトの指示(命令?)を受けて、アフガン戦争の闇に迫るMI6。遣わされるのがモラン大佐。

このアフガン戦争。ワトソンもアフガン帰りという設定でしたが、ちょいちょい登場するものの、世界史に疎いもので、どういう戦争か知りませんでした。
簡潔に説明されていて勉強になりました。

この依頼(命令)が、いつものモリアーティの計画と関係なさそうに見えるのですが、きちんと関連、意義がないわけではないと説明されているところが〇。
「戦争の継続は体制の維持強化の方便の一つだ。それが終わって人々の目が国内の問題に向くのは良い事だろう?」
なるほどね。
当時、こういった世事に関心を持つのは貴族であって、一般庶民はもともと気にしていないでしょうから、戦争が終わったからと言って(一般の)人々の目の向かうところが変わるとは思えなかったりもしますが...ま、この辺はいいでしょう。

この話でモラン大佐の(アフガンでの)過去が明らかになり、過去にケリがつけられます。

「二人の探偵」はシャーロック・ホームズの話に回帰します。
退屈をかこち、かつ、貴族殺しが気になり続けているホームズ。
事件を求めてヨークまで出向いたものの空振り。ワトソンとは仲違い。
ロンドンへの帰りの列車内で、偶然(ですよね)、モリアーティたちに会う。
と、その車内で殺人事件発生。しかも、ワトソンが怪しいとされそうな状況。
ワトソン君、カバー絵に描かれているみたいに余裕でウィンクなんかかましている場合じゃないよ、というところでいったん幕。
続きが気になります!


<蛇足1>
「登記上ここはもう稼働していない工場のはず……」
というセリフがあるのですが、不動産関係だと思われる登記に、稼働中とか記載があるんでしょうか?
「届出上は」くらいの曖昧な書き方にしておいたほうがよかったのでは?

<蛇足2>
「実現難易度鑑み、ここはさきほど説明しました通り」
というセリフがあります。気にしても仕方がないことかもしれませんが、小説よりも読者数が多いと思われるコミックではできれば正確な日本語を使ってほしいなぁ、と思います。若い読者への影響力がすごいと思われますので。

<蛇足3>
「こいつは”悪魔の証明”だもんな! スマンスマン!」
とシャーロック・ホームズがモリアーティに語り掛けますが、ここでも「悪魔の証明」は、「やっていないことを証明する」ことを指していますね。




nice!(25)  コメント(0) 
共通テーマ: