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雷電本紀 [日本の作家 あ行]


雷電本紀 (小学館文庫)

雷電本紀 (小学館文庫)

  • 作者: 飯嶋 和一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/06/07
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
凶作、飢餓、貧困に悪政が追い打ちをかけた天明、寛政年間、後世まで語り継がれる一人の力士が彗星のように現れた。巨人のような体躯、野獣のような闘志で、生涯にわずか十敗。豪快に相手をなぎ倒すこの男の相撲に、抑圧され続けてきた民衆は快哉を叫び、生きることへの希望を見いだしていった。実在する伝説的相撲人・雷電の一生を、雄大な構想と綿密な時代考証をもとに、足かけ六年の歳月を費やして執筆。いずれも粒ぞろいの飯嶋和一の歴史小説だが、その嚆矢として作家の名を鮮やかに読む者の脳裏に刻み込んだ、感動の歴史大作である。

ミステリではありません、と言うまでもない、純然たる時代小説です。
題材はタイトル通り、大横綱の雷電。
いやあ、もう、たっぷり楽しみました。
ミステリ以外はほとんど読まないのですが、飯嶋和一は例外です。
「神無き月十番目の夜」 (小学館文庫)が、「本の雑誌」だったと思うのですが、お奨めされていて、読んだらとてもおもしろく、飯嶋和一の名前が深く記憶に残りました。
とはいえ、ミステリ一点張りに近い読書傾向のため、なかなか次の作品を手に取ることはなかったのですが、長いブランクの末に読んだ「始祖鳥記」 (小学館文庫)がこれまた傑作で、いや、もう、飯嶋和一はすごいなあ、と。
非常に寡作なので、一気に読むのがもったいなく、積読は積読でも、もったいなくてなかなか読めないほうの作家です。
で、雷電。
相撲にはあまり興味はないのですが、しっかり引き込まれました。
相撲シーンだけではなく、非常に重層的に描かれていく雷電と、大相撲のありように、夢中になれると思います。
雷電の晩年がこんな風だったとは知らなかったので、ある意味衝撃でもあります。
全体的に凛とした気配の漂う、素敵な時代小説です。

ぼくが読んだ小学館文庫版では、巻末に、飯嶋和一と久間十義の対談が載っています。これがまたとっても興味深い。なんだかよくわからないところもあるのですが、そこも含めて飯嶋和一が一層魅力的に感じることができました。
帯にも書いてあるのですが、「飯嶋和一を知らない人生なんてもったいない!!」ですよ!
タグ:飯嶋和一
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