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毒草師 白蛇の洗礼 [日本の作家 高田崇史]


毒草師 白蛇の洗礼 (朝日文庫)

毒草師 白蛇の洗礼 (朝日文庫)

  • 作者: 高田崇史
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/11/07
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
裏千家の茶席で発生した毒殺事件。真相を追う編集者の西田の前で、第二の被害者は自らの吐血で十字を描いた。同席者が次々と殺害される中、彼は千利休の奇妙な経歴に辿り着く。傲岸不遜にして博学の〈毒草師〉御名形史紋の推理が冴えるシリーズ第2弾。

QEDシリーズのスピンオフ、毒草師シリーズ、「毒草師 QED Another Story」 (講談社文庫)に続く第2弾です。
昨年12月に第3弾「毒草師 パンドラの鳥籠」 (朝日新聞出版)が出ました。
この「毒草師 白蛇の洗礼」は、朝日新聞出版から出た後、講談社ノベルスでノベルス版が出て、文庫は朝日文庫、と少し変わった経路で文庫化されています。大人の事情ですかね?

今回の歴史上の謎は、千利休。
上で引用したあらすじではぼかしてありますが、帯には
『「千利休=キリシタン」説が誘う、殺人の系譜--。』
とはっきり書いてあります。
「千利休=キリシタン」説って、有名なんですね。知りませんでした。キリシタンなのに、切腹(=自殺)とは? というのがかなりポイントとなる点のようです。
編集者の西田くんというのが語り手で、狂言回しの役を果たしています。毒草師:御名形が出てくるまでがちょっと長く感じなくもないですが、個人的には西田くんがなかなかいい味を出していると思うので、これはこれでOKです。
それにしても、高田崇史は本当にすごいですね。
茶席で発生した毒殺事件というのが、現実世界でのメインになるわけですが、このトリック(?)が、とてつもない。どうやって毒を入れたのか、どうやって特定の人物に毒の効果を及ぼしたのか、本当にすごいですよ。
由緒正しい本格ミステリファン(?)としては、アンフェアだとか邪道だとかいって、腹を立てるべきところなのかもしれませんが、いや、もう、あっぱれ!、です。
読み返してみると、怪しげなプロローグをはじめとして、ヒントとまでは言わなくても、真相を暗示するようなことはあちらこちらに書かれていて、堂々としたものです。もちろん、想像もしないような真相ですので、その程度のヒント(?)ではどうやっても見抜けたりはしないと思いますが...
こんなこと思いつかないし、現実にありうることだとしても、ミステリに仕立てようなんて思わない。でも、こうやって立派にミステリになって読者の手元に届けられている。
ぜひ、唖然とするためにお読みください!
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