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王国は星空の下 北斗学園七不思議1 [日本の作家 篠田真由美]


王国は星空の下 北斗学園七不思議1 (PHP文芸文庫)

王国は星空の下 北斗学園七不思議1 (PHP文芸文庫)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2013/09/17
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
都内にありながら、深い森に囲まれた全寮制の北斗学園。戦前からの建物が点在する広大な敷地の全貌は、学生たちにも定かではない。新聞部に所属する中等部二年のアキは、学園に伝わる七不思議のある特殊性に気づき、友人のハルとタモツとともに調査を始める。しかし、それを阻もうとするかのように、不隠な事件や奇妙な出来事が次々と起こり……。魅力あふれる建築物と眩惑的な謎が織りなす学園ミステリー。


副題にもある通り、北斗学園七不思議シリーズの第1弾です。
このシリーズはもともと、理論社のミステリーYA! というヤング・アダルト向けの叢書で刊行されました。
作者のあとがきによれば「いわゆるライトノベルではないけれど、中学生以上の若い方をメインの読者と想定して書き出された連作」です。
(余談になりますが、このあとがきがとてもよかったです)

主人公は、清家彬(アキ)と桂晴樹(ハル)と青木保(タモツ)の中学2年生3人組。北斗学園の外部受験組。
北斗学園の設定がすごいですね。
幼稚園から大学院まである。中等部から上は都心からかなり外れたかなり西の方の、ものすごく広い、森みたいに樹がたくさん生えたキャンパスの中。敷地の形は東西に長い長方形で、西側の短辺と南側の長辺が川に接していて、周囲はすっかり煉瓦塀に囲まれている。
共学で全寮制。各学年3クラスずつ。中高合わせて600人もいない。女子の方がやや多い。
馬鹿馬鹿しいほど広いキャンパスで、西側の半分近くは『旧ブロック』といって、森に覆われた中に古い建物が点在していて、人はほとんど立ち入らない。
この『旧ブロック』を探検する、というのが骨子です。

オープニングは謎めいた男女の話ですが、物語の語り手は基本的にはアキ。この語り口にかなり違和感を覚えましたが、物語そのものは楽しみました。
謎めいた学園、というと、だいたい怪しげな(?) 校長とか理事長とかでてくるものですが、ちゃーんと出てきます(総長と理事長です)。謎の大人たち(謎の青年Jとか、安物のスーツを着た死神とか)もあれこれ登場しますし、篠田真由美らしく幻想文学っぽい香りも漂います(ゆえに語り口に違和感が強くなります...)。学園が結社っぽいってのも、ツボですね。
手垢のついたような真相も、なんだか違って見えます。

七不思議ということは、第7巻まで構想されているのかもしれません。
楽しみなシリーズが増えました。追いかけていきます。


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