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烏に単は似合わない [日本の作家 あ行]


烏に単は似合わない (文春文庫)

烏に単は似合わない (文春文庫)

  • 作者: 阿部 智里
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/06/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」で、世継ぎである若宮の后選びが始まった。朝廷で激しく権力を争う大貴族四家から遣わされた四人の后候補。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれ魅力的な姫君たちが、思惑を秘め后の座を競う中、様々な事件が起こり…。史上最年少松本清張賞受賞作。


松本清張賞で、異世界ファンタジー!?
ミステリではありませんが、なかなかおもしろそうだし、興味をひかれたので読みました。
結論から申し上げると、楽しく読み終わりましたよ。

烏が人間の姿をして(!) 暮らしている世界。
昔の日本(平安時代くらいのイメージでしょうか?)を思わせる設定なのがちょっと気になりましたが、この部分まで一から作れ、というのは無理でしょうし、この枚数では描ききれないでしょうから、ここはOKとすべきでしょうね。
今風の文章で、朝廷の世界がわかりやすく描き出されています。
時代物っぽい(平安時代っぽい?)せりふと、現代風のせりふが入り乱れるところも、受け付けない人もいると思いますが、個人的には楽しめてしまいました。
後宮でのお妃選びでの四人の候補の争い。嫌がらせとか女の争い、という構図から、どことなく友桐夏の諸作(「白い花の舞い散る時間」 (コバルト文庫)「春待ちの姫君たち」 (創元推理文庫))を思い出しました。後半、物語の絵姿がガラッと変わるので、特に。
そう、この作品のポイントは、登場人物の立ち位置が、大きく大きく転換するところにあります。
視点人物の設定の仕方からして、前半と後半のずれをおおきくするためで、間違いなく作者の計算ずくだと思います。
ちょっと無理なところもあるんですが、そんなことを企んでたのか、とうれしくなってしまいました。
正統派のファンタジーファンの方にはダメ出しをくらいそうな感もありますが、こういうの大好きです。
続編(?) 「烏は主を選ばない」「黄金の烏」 (いずれも文藝春秋)も出ているようなので、楽しみです。



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まっきー☆

こんばんは。 この本、ずっと気になっていました!! そっかー、やはり読んでみたいですね。 文庫になっているみたいなので、ワタシも挑戦してみようと思います!
by まっきー☆ (2014-11-17 20:40) 

31

まっきー☆ さん、いつもありがとうございます。
↑ には書かなかったのですが、烏が人間の姿で暮らしている、というところも面白い設定だなぁ、と思いましたし、いろいろと楽しみどころのある作品だと思いました。
ファンタジーに詳しい方に、読んで感想を教えていただけるとありがたいと思っていたので、是非!
by 31 (2014-11-19 22:14) 

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