レディ・ヴィクトリア 謎のミネルヴァ・クラブ [日本の作家 篠田真由美]
レディ・ヴィクトリア 謎のミネルヴァ・クラブ (講談社タイガ)
- 作者: 篠田 真由美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/06/22
- メディア: 文庫
<カバー裏あらすじ>
夜になると棺から出てさまよい歩くミイラ。その噂に好奇心を刺激されたレディ・シーモアだが、所有者である伯爵との間には浅からぬ因縁があった。ミイラが安置された別荘でのパーティに招待されたレディは、いわくあり気な人物が集まる中、女性冒険家として名高いナポレオーネ・コルシと旧交を温めるのだが。
19世紀イギリスを舞台に戦う女性たちを描く冒険物語の傑作。
「レディ・ヴィクトリア アンカー・ウォークの魔女たち」 (講談社タイガ)(感想ページへのリンクはこちら)
「レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密」 (講談社タイガ)(感想ページへのリンクはこちら)
「レディ・ヴィクトリア ロンドン日本人村事件」 (講談社タイガ)
に続くシリーズ第4弾です。
シリーズ第3弾の「レディ・ヴィクトリア ロンドン日本人村事件」の感想は書けていません。
今回は、レディ・シーモアがお屋敷に招待され、お供のローズが事件に巻き込まれる、という構図ですが、タイトルにもなっている「ミネルヴァ・クラブ」という組織との対決、という感じです。
うーん、ちょっとこちらの期待している方向性と違いましたが、それでもしっかり書かれているので、楽しめました。
ヴィクトリア時代の時代の雰囲気、殊に女性をめぐる状況が伝わってきます。
屋敷の持ち主ペンブルック伯爵とその夫人レディ・ペンブルックの関係性なんか、その象徴なのでしょう。
でもなぁ、やっぱり、レディ・シーモアの使用人たちの活躍にあまり触れることができなかったのはとても残念ですね。
いよいよ次の第5巻「レディ・ヴィクトリア ローズの秘密のノートから」 (講談社タイガ)はシリーズ最終巻らしいので、楽しみです。
<蛇足1>
ただお給金が目的ではない、一生懸命働いて、自分が必要とされる嬉しさを知った。(18ページ)
「レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密」 (講談社タイガ)の感想にも書きましたが、一生懸命は気になります。
でも、もう、一所懸命が正しい、ということの方が間違いなのかもしれませんね......
<蛇足2>
そして自分が出会った災難、頭から袋をかぶされて息が詰まりそうになったり、血まみれの体の上に尻餅をついて悲鳴を上げたこと、そして他の悲惨な目に遭った他の人のことも、口にしたいとは思わない。(278ページ)
~たり、~たり、と対応していないことも気になりますが、自分に降りかかった災難を「出会う」というかなぁ、と不思議に思いました。
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