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貧乏お嬢さま、古書店へ行く [海外の作家 は行]


貧乏お嬢さま、古書店へ行く (コージーブックス)

貧乏お嬢さま、古書店へ行く (コージーブックス)

  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2013/11/08
  • メディア: 文庫


<カバー裏あらすじ>
「ドイツの王女のお世話をせよ」と、英国王妃からまたもや無理難題を言い渡された公爵令嬢ジョージー。密かにメイド仕事で生計を立てている彼女には、王女の世話をするお金もなければ、使用人すらいないというのに! 苦肉の策で祖父を執事に仕立てあげ、なんとか自宅にお迎えすると、王女はその美しさからは想像できないような、むちゃくちゃな英語を話す風変わりで世間知らずの娘だった。おかげで貧乏暮らしは取り繕えたものの、一難去ってまた一難。王女に同行する先々で事件に遭遇してしまう。泥酔した若者の転落死、古書店で男性の刺殺体――。「あの王女には気をつけたほうがいい」と元警官の祖父から警告されるものの、王妃さまの命に従い、ジョージーはしぶしぶ難事件の捜査に乗り出すことになり……!?


2021年8月に読んだ8冊目の本です。
「貧乏お嬢さま、メイドになる」 (コージーブックス)(感想ページはこちら)に続くシリーズ第2弾。

今回ジョージ―が王妃からいいつかる難題は、バイエルンのハニ王女のお世話。
苦労して準備を整えて迎えたハニ王女は、そこそこやっていけそうな感じなのに、監視役のロッテンマイスター男爵夫人が難物という、いかにもな展開に笑えます(ジョージ―には笑いごとではないですが)。

ハニとジョージ―は、ハイド・パークのスピーカーズ・コーナーあたりで共産主義者の美青年シドニー・ロバーツと出会います。
ジョージ―が招待されたパーティにハニを連れて行くと、そこにはシドニーが。
そのパーティでバルコニーの手すりが壊れて転落死が発生。
ジョージ―が連れて行った大英博物館で、ハニはシドニーと再び出会ったと。
翌日シドニーが働いている古書店を訪れると、二階でシドニーが刺殺されているのを発見する。

厄介ごとを持ち込んできたハニを軸に、矢継ぎ早に事件発生。
このあたりのてんやわんやぶりが見どころですね。

ミステリとしてもかなり大胆な真相が用意されているのですが、さすがに無理筋だと思ってしまいましたし、この真相であればもっと手がかりを大胆にちりばめておいてほしかったな、と。
でも、こういうの好きですね。
このシリーズ、これからも続けて読んでみようと思います。

最後に、邦題「貧乏お嬢さま、古書店へ行く」 (コージーブックス)は、いただけませんね。
古書店は死体発見現場ですし、出てくることは出てくるのですが、タイトルに出すほどのことはないと思われます。
また、冒頭に掲げた書影でわかるかと思いますが、カバー絵も、だめですね。
古書店と思われる場所で、ジョージ―がエプロン?をしている(メイド服??)のですが、本書ではジョージ―は古書店で働くわけではなく、訪問する際もこういう姿ではないはずだからです。
もっとも、海の向こうでも似たような感じの絵を表紙に使っているようですが......

A Royal Pain (The Royal Spyness Series Book 2) (English Edition)








<蛇足1>
「レーガン、ジェンセン、ダニカ、ウォリス――まったく、アメリカ人って、ジェーンとかメアリーとかそういう平凡な名前はつけないの?」(281ページ)
思わず笑ってしまいました。
確かにイギリス人の名前は ”平凡” なものが多いようです。

<蛇足2>
「いくつもの煙突頭部に付けた通風管が並んでいる場所をなんとか通り越してさらに進んでいくと」(415ページ)
「煙突頭部に付けた通風管」の部分に、チムニーポットとルビが振ってあります。
イギリスの建物の屋根のところにあるやつですね。
勝手リンクで恐縮ながら、こちらのブログがわかりやすくていいですね。


原題:A Royal Pain
作者:Rhys Bowen
刊行:2008年
訳者:古川奈々子



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