デビルズフード・ケーキが真似している [海外の作家 ジョアン・フルーク]
デビルズフード・ケーキが真似している (ヴィレッジブックス)
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2013/10/19
- メディア: 文庫
<カバー裏あらすじ>
2月の〈クッキー・ジャー〉はイベントつづきで大忙し。けれども、目下ハンナを悩ませていること。それはノーマンの共同経営者で元フィアンセのドクター・ベヴの存在。彼女が来てからというもの、ノーマンの態度がなんだかおかしいのだ。朗らかで容姿端麗、町じゅうの人から好かれている彼女と仲良くなれないのは嫉妬のせい? そんなとき、30年ぶりにレイク・エデンにやってきた牧師に思わぬ悲劇が――
読了本落穂拾いです。
お菓子探偵ハンナ・シリーズで感想を書き洩らしていた第14弾。
このあと第17弾まで感想を書いていますね。一覧を作ってみましょう。
1. 「チョコチップ・クッキーは見ていた」 (ヴィレッジブックス)
2. 「ストロベリー・ショートケーキが泣いている」 (ヴィレッジブックス)
3. 「ブルーベリー・マフィンは復讐する」 (ヴィレッジブックス)
4. 「レモンメレンゲ・パイが隠している」 (ヴィレッジブックス)
5. 「ファッジ・カップケーキは怒っている」 (ヴィレッジブックス)
6. 「シュガークッキーが凍えている」 (ヴィレッジブックス)
7. 「ピーチコブラーは嘘をつく」 (ヴィレッジブックス)
8. 「チェリー・チーズケーキが演じている」 (ヴィレッジブックス)
9. 「キーライム・パイはため息をつく」 (ヴィレッジブックス)
10. 「キャロットケーキがだましている」 (ヴィレッジブックス)(感想ページはこちら)
11. 「シュークリームは覗いている」 (ヴィレッジブックス)(感想ページはこちら)
12. 「プラムプディングが慌てている」(ヴィレッジブックス)(感想ページはこちら)
13. 「アップルターンオーバーは忘れない」 (ヴィレッジブックス)(感想ページはこちら)
14. 「デビルズフード・ケーキが真似している」 (ヴィレッジブックス)
15. 「シナモンロールは追跡する」 (ヴィレッジブックス)(感想ページはこちら)
16. 「レッドベルベット・カップケーキが怯えている」 (ヴィレッジブックス)(感想ページはこちら)
17. 「ブラックベリー・パイは潜んでいる」 (ヴィレッジブックス)(感想ページはこちら)
18. 「ダブルファッジ・ブラウニーが震えている」 (ヴィレッジブックス)
19. 「ウェディングケーキは待っている」 (ヴィレッジブックス)
20. 「バナナクリーム・パイが覚えていた」 (mirabooks)
21. 「ラズベリー・デニッシュはざわめく」 (mirabooks)
22. 「チョコレートクリーム・パイが知っている」 (mirabooks)
いやあ、こうしていると壮観ですね、と自分で悦に入る。
さておき、タイトルのデビルズフード・ケーキですが、訳者あとがきに説明があります。
「ねっとりしたファッジフロスティングでデコレーションされたチョコレートケーキ」で生地が「ほんのうり赤味がかったチョコレート色」とのことです。
正しくは「レッド・デビルズフードケーキ」らしく、悪魔が赤い顔をしているから、赤褐色にしているらしいです。
(ところで、タイトルは、デビルズフード・ケーキ。本文やあとがきは、レッドがつくものの、デビルズフードケーキと「・」がありません。こういうの統一しないんですね)
今回ハンナは、ボブ牧師のハネムーン中の代理牧師を申し出てやってきてくれたマシュー牧師が偽物ではないかという相談をボブ牧師の母から受けます。
これが発端。
この事件では割と最初からちゃんとハンナが推理していまして、行き当たりばったり度は低め、といいたいところですが、やっぱり行き当たりばったりでした(笑)。
毎回犯人を突き止めているのが奇跡のよう。
今回の事件は、違う作家が書くとまったく違う印象を受けるのではないかとも思ったりしたのですが、でもこのトーンこそがお菓子探偵シリーズですよね。
シリーズをさらに読み進んでいる今となっては、ですが、次巻「シナモンロールは追跡する」の感想で書いちゃったように、本書のラストでノーマンについて衝撃の展開となります。
事件の真相よりも、こっちの方がびっくりですよ(笑)、
シリーズ愛読者のかたは、心してお読みください。
原題:Devil's Food Cake Murder
著者:Joanne Fluke
刊行:2011年
訳者:上條ひろみ