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鼠、十手を預かる [日本の作家 赤川次郎]


鼠、十手を預かる

鼠、十手を預かる

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/01/29
  • メディア: 単行本

<帯カバー裏側あらすじ>
弱きを助け強きから「盗む」
大泥棒の今宵の獲物は
壱、凍えるような雨の朝、古びた橋の上にたたずむ娘。彼女の待ち人とは。「鼠、無名橋の朝に待つ」
弐、捕物に遭遇した治朗吉。成り行きで負傷した目明しの代りを務めることに「鼠、十手を預かる」
参、小袖が浪人から助けた女。「いずれ斬られて死ぬ身」と語るその理由は。「鼠、女にかげを見る」
肆、千草が殺しの疑いでお縄に。隠居武士の妾宅で起きた事件を解き明かす。「鼠、隠居を願う」
伍、江戸中を恐怖に陥れた、人をかみ殺す赤い眼の狼。狼を操る女の目的は。「鼠、獣の眼を見る」
陸、奉公先で漆の箱に入った書状を託された女。運び出すのは命がけで――「鼠、恋心を運ぶ」

シリーズ第12弾で、単行本です。

これまでいい人度がどんどんアップしてきた鼠がついに目明しに! というキャッチ―な話です。
火傷でしばらくで歩けなくなった定吉のかわりに十手をしばらく預かる、という設定ですが、十手を持ったところで次郎吉は次郎吉、いつもと変わりません。
この変わらないところを描きたかったのかもしれませんね。
最後には
「十手のために働くのも悪くない?」
と聞かれて「こんな物、重たくってしょうがねえ。千両箱の方がよほど軽いぜ!」
と小袖にこぼす始末です。
次の「鼠、女にかげを見る」ではいつもの、十手を持たない次郎吉に戻っています。
せっかくだから、一巻まるまま、この趣向で通してもらったらおもしろかったのに。
古来、盗賊がピュアに探偵役を務めるのもミステリでは王道なのですから。






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