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Dark Blue Kiss その2 [タイ・ドラマ]

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タイのドラマ「Dark Blue Kiss」の感想の続きです。

この告知だと、カオ(右側です)は穏やかな顔していますが、そんな余裕こいてる場合じゃないよ、という感じの物語展開になっています。
「Kiss me again」で無事カップルになり、ピートの父親にも認めてもらってめでたし、めでたし。
「Kiss」で仲間にも知られましたが、時間的には「Dark Blue Kiss」の方が後なのに、まだ仲間には知られていないという設定へと変更が加えられています。
(細かい点だと、カメラが得意なのはピートで、カオはセンスがない、ということになっています)

オープニングが迫力満点で、ピートが怒り心頭という感じで、ノンを突き飛ばし、カオに詰め寄っています。周りの仲間が愕然とするほどの権幕。
何事か、と思いますが、そこで物語は2ヶ月前に遡ります。

すると、まあ、仲睦まじいこと。いいことですが。
ただ、父親に知られているピートと違って、カオは母親に打ち明けられていない。
でも、あまりの仲のよさに、カオのお母さんが気づきそうになっている......(というか気づいていますよね、きっと)という状況。
ちなみにピートのお父さんは引き続き最高です。EP6でピートにコンドームを渡すシーンまであります!

ピートは、先輩の運営するサイトが主催する About Aboyz というコンテストに参加しろと迫られているが、渋っている。けれど、断りに行った場で、ノンと遭遇、不愉快な目にあい、ノンのからかうような態度に腹が立ち、ノンを打ち破るために気が変わった、参加する、と言ってしまう。
カオは、サンのカフェでノンと出会う。注文の順でもめ、チョコレートフラペチーノを服にかけられ...... ノンの服を借りることに。
カオは、母親を助け、妹の学費もアルバイトの家庭教師で稼いでいる。
頑張っているよい子なんですよね。母親の勤める学校の校長先生が、カオの家庭教師の評判を聞きつけ、息子の家庭教師になってくれとカオに頼む。その息子が、なんとノン。(ここまでEP1)

いつものことですが、ここまででこの後の展開の重要な要素がすべて盛り込まれているのがいいですね。

このあとEP2で、サンのカフェでカオがノンに教えているところへピートが来合せ、ノンと言い合いになったりします。ノンもわざとピートを挑発するような言動を繰り返すのですね。
ノンをめぐってピートとカオも言い合いに。
ノンに教えるのをやめろというピートに対し、それは無理だと一旦なだめたカオでしたが、その後のタイミングで、ノンに教えることで二人がけんかになるのなら教えるのをやめると言ってしまいます。

[Eng Sub] Dark Blue Kiss จูบสุดท้ายเพื่อนายคนเดียว _ EP_2 [4_4]_Moment.jpg

やめようと決意したカオでしたが、母親に連れられて校長のところへ行ったら断れない展開に。
このあと細かい展開は紹介するのを省きますが、ピートに隠れてノンに教え続けることが騒動の最大の原因となります。
また隠しているのがばれそうになる、という点で、ハラハラドキドキの展開が続きます。

物語の視点がカオ・サイドに置かれているシーンが多いので、ピートに打ち明けられないカオに同情しやすい建付けになっていますが、この物語全体として、カオがいけないな、と思ってしまいました。
できもしないことを約束し、実際にできないことが確定してもそのことを打ち明けないというのは、恋人とかいう以前に友だちとしても問題があるなぁ、と。
言わない間に、どんどん無理が重なっていく。
ピートは、繰り返し「カオを信じる」「嘘をつかないでくれ」とカオにいいます。なにかがおかしいことには気づいているんですね、きっと。
で、カオが嘘をついていたことを知ってしまう。
それが爆発したのが冒頭のシーンだった、というわけですね(EP9)。

とこう書いてきましたが、そして今でもカオが悪かったとは思っているのですが、カオのしたことを考えてみると、実は大して悪いこと、していないんですよね。
やめるといったのにやめずに、ノンの家庭教師を続けていた、それだけです。そしてそうなってしまった事情もわかっている。
嘘をついていたのは悪いですが、裏切りというほどのことをしたわけでも、浮気をしたわけでもない。
恋人同士の仲が壊れるような事態ではないのでは、とも思います。
ところがですねぇ、ピートの人物像があまりにもリアルに出来上がっているので、ピートが激怒しているのがすんなり理解できるんです。
脚本がよくできている、ということもありますが、やはり演じている Tay の功績だなと思います。素晴らしい。
緊迫感あるシーンだけではありません。
たとえばEP8のレストランのシーンなんか、リラックスムードでふざけあっている様子が、いきいきと伝わってきます。
当初はカオを演じている New 目当てで見はじめた Kiss シリーズですが、もうすっかり Tay のファンです。あっ、誤解のないように書いておきますが、カオ演じる New も演技力あるなーと思ってみています。

さて、物語は二人が破局を迎えて終わり、というわけではありません。
なんとかピートとの仲を取り戻そうと奮闘するカオに(うまくいかないのですが)、さらにつらい出来事が降りかかります。
それもノンの計略が背景にあるのですが(といってもノンはカオを追い詰めようとしたわけではないのですが)、このドラマはどこまでカオを追い詰めれば気がすむのかと思うくらいの窮地にどんどん追い込んでいきます。ピーク(というのかボトムというのか)はなんとEP11。
EP12 で終わらせないといけないのに、収拾つくのかなと心配になるくらいの落とし方です。
ボーイズラブで、ゆるゆる楽しく観ようなんて思っていたら、すごい衝撃です。これ、リアルタイムでエピソードごとに見ていたら、たまらなかったでしょうね。

でも、もっとすごいのは、そこからの決着の付け方。
EP12 の怒涛の展開はさすがです。
いや、参りました。
小道具の効果的な使い方をはじめとして、今までに丁寧に埋め込まれていた伏線を一気に回収して、ラストへつなげていきます。
いや、お見事。
しかもそれが同時に仲間たちへ、ピートとカオがつきあっていることをオープンにすることにつながる、という周到さ。

記念に(?) 決着ついた後の、プールでのキスシーンを挙げておきます。
どこかで見たようなシーンだっていいのです。カオとピートが幸せならば。

[Eng Sub] Dark Blue Kiss จูบสุดท้ายเพื่อนายคนเดียว _ EP_12 _Moment.jpg

このドラマの音楽も気に入っています。
オープニングのスタイリッシュな感じの曲もいいですが、Tay と New が歌っている曲があります。
英語タイトルが"No Fairytales" という曲です。
YouTube に英語字幕つきでアップされていますが、どうもオフィシャルっぽくないのでリンクははりません。下の部分をコピペして検索すれば出てくると思います。
ドラマの緊迫感とは違い、いかにもポップな感じの曲です。
BL OST | DARK BLUE KISS | No Fairytales - Tay Tawan, New Thitipom (Thai+Rom+EngTrans Lyrics)
Tay Tawan X New Thitipoom - ไม่มีนิยาม (No Fairytales) (Thai/Rom/Eng) Lyric Video

ということで、観る前の前評判にたがわず、ピートとカオのパートはとてもよかったです。
さすがにこの続編作るのは無理だろうな......





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