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時限病棟 [日本の作家 た行]


時限病棟 (実業之日本社文庫)

時限病棟 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 知念 実希人
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2016/10/06
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
謎の死の真相を掴み
廃病院から脱出せよ!!
目覚めると、彼女は病院のベッドで点滴を受けていた。なぜこんな場所にいるのか? 監禁された男女5人が脱出を試みるも……。ピエロからのミッション、手術室の男、ふたつの死の謎、事件に迫る刑事。タイムリミットは6時間。大ヒット作『仮面病棟』を超えるスリルとサスペンス。圧倒的なスピード感。衝撃の結末とは――。医療ミステリーの超傑作、文庫書き下ろし!


「仮面病棟」 (実業之日本社文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2作です。
シリーズといいましたが、同じ病院の建物を舞台にしていて、それぞれ独立した作品ではありますが、やはり「仮面病棟」 の中身に触れますので、先に「仮面病棟」を読まれることをお勧めします。

「仮面病棟」はおもしろく、一気読みしました。
この「時限病棟」 (実業之日本社文庫)も一気読みでした。

「仮面病棟」感想にも書きましたが、同じことを感じました。
「ちょっと安直かな、と思うところもないではないですが、非常にスピーディーな中で、よく考えられていると思いましたし、楽しい作品でした。」

リアル脱出ゲームを模したかのようなストーリーは、ちょっとどうかな、と思わないでもなかったですし、蓋を開けてみれば因縁話、復讐劇というのもありふれているな、と思ったのですが、この作品の場合、大きな欠点とは言えないと感じました。

というのも、読者は、どうしても「仮面病棟」を思い起こしながら読み進んでいくと思うんですよね。
状況は違うのですが、「仮面病棟」と似通った構造を持った作品になっています。
だから、「仮面病棟」で売りのサプライズの仕掛けをどう変えるか、というのが腕の見せどころとなってくるのだと思うのですが、そのあたり、「時限病棟」の仕掛けにはニヤリとしてしまいました。
「仮面病棟」「時限病棟」は対になる作品なんですね。

知念さんの他の作品も読んでみたいですね。(いつになるかわかりませんが......)

<蛇足1>
「仮面をかぶっていたんだよ。ハロウィンとかでかぶるような気持ち悪いやつを。……ピエロの仮面だった」(69ページ)
ハロウィンでピエロ? ちょっとイメージがなかったのですが、わりと人気の仮装のようですね。


<蛇足2>
「占いに興味が無くても、自分の星座ぐらい知っているはずです。」(302ページ)
こういうセリフが出てきますが、意外と知らない人多いと思うんですが......




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