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C.M.B.森羅博物館の事件目録(40) [コミック 加藤元浩]


C.M.B.森羅博物館の事件目録(40) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(40) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/02/15
  • メディア: コミック


<帯あらすじ>
農務省高官に裏取引の書類を渡すためブラジルを訪れていた商社マン・菱沢琢実。彼は現地で出会った少女・ソフィアのことが忘れられないと語るのだが…
《「イパネバの娘」他3編を収録》


この第40巻は、
「奇跡の神殿」
「五月蠅い殺し屋」
「イパネバの娘」
「ボトルシップ」
の4話収録。

「奇跡の神殿」は、カンボジアで、でっかいダニに噛まれた少年がシヴァの神殿でなぜか治って帰って来た、という話。
冒頭の税関でコブラを密輸しようとした男の話が最後に効いてくるのがよかった。

「五月蠅い殺し屋」は、ドジな殺し屋の話ですが、これ小説に仕立てたら一風変わったユーモアミステリになるのではないでしょうか?
この殺し屋、小学校にあがるまえの幼い娘に職業を知られているというのが面白い。
「一流の殺し屋なら最初からスケジュール調べるよね」
「……父ちゃんは超一流だからこれでいいんだ」
なんてやりとり傑作です。

「イパネバの娘」は、鈍な若手商社員がブラジル、イパネバで大冒険。
イパネバの娘が救ってくれてなんとか難を逃れたけれど......
と飛行機で乗り合わせた森羅と七瀬に話をするんですけど、この設定はないですね。森羅に謎を解かせるにはこうするしかないんですけど、政府高官との裏取引うんぬんを、たまたま飛行機で乗りあわせた二人にするとは思えませんから。
この話を聞いただけで、裏のストーリーを見抜いてしまう森羅はさすがです。
また、その内容もとても面白い。

「ボトルシップ」のタイトルにもなっているボトルシップは、殺人現場で粉々に壊されていたことからとられています。
このボトルシップをめぐる部分はとても気が利いていると思いました。
しかし、この物語の設定で、順番を抜かしたくらいで商談がダメになるとは思えないのですが......

この第40巻は、お話の面白さが充実していました。



タグ:CMB 加藤元浩
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Q.E.D. iff -証明終了-(12) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.iff -証明終了-(12) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.iff -証明終了-(12) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/02/15
  • メディア: コミック


<カバー裏あらすじ>
「いい奴」
イギリスを訪れた燈馬と可奈は、燈馬のMIT時代の知り合い、シーナに出会う。誘拐の交渉人をする彼女が抱える案件は、元・恋人の誘拐事件で…!? 複雑な誘拐ビジネスの闇に、燈馬が頭脳で挑む!!
「再生の時」
とある川の中洲で、記者の男の遺体が発見された!  容疑者として可奈の友人の恋人が浮上し、解決すべく現地に向かう燈馬と可奈。事件に秘められた、過去と現在を繋ぐ驚きの真実とは…!?


Q.E.D. iff のシリーズ第12巻。
奥付をみると2019年2月。もう5年ほど前になりますか。amazonでは既に入手困難になっているようです。
第11巻と同じことを書いてみました。
出版業界が厳しい状況というのは本当なんですね。

「いい奴」は、主な舞台がシリアで誘拐保険担当の交渉人という設定が目をひきます。
燈馬のロジックに珍しく乱暴なところが散見されるのが気になりましたが、誘拐をめぐっての交渉ということであれば、緻密な論理よりもスピードが重視されるでしょうから、確率がある程度喬そうであれば細かいロジックのつじつまを合わせている場合ではないということなのでしょう。
脱出劇のところは、ここも雑な感じを受けましたが、映画的で面白いなと思いました。

「再生の時」は、さらっと扱われていますが、豪快なトリックにちょっと度肝を抜かれました。
こちらのトリックはいいのですが、謎解きのメインとなる骨子は少々いただけません。
無理をなくすために、設定に配慮が見られているのですが、その配慮をもってしても非現実感が漂ってきてしまいます。
いい話的な着地を目指してるのですが、「全部知っていたんだね」というのは無理がありすぎるセリフで残念です。



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Q.E.D. iff -証明終了-(11) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.iff -証明終了-(11) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.iff -証明終了-(11) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/17
  • メディア: コミック


<カバー裏あらすじ>
「信頼できない語り手」
燈馬がMIT時代に出会った正直すぎる男。ある日、彼の兄貴分のギャングと対立する組織のボスが殺害される事件が 証人として証言台になった彼に対し燈馬は……
「溺れる鳥」
人工知能(AI)裁判官が導入された近未来の日本。妻とその浮気相手の男を殺害した容疑で逮捕されたのは、AI裁判官の管理を行う技官の男だった! 罪を否認する彼の運命と事件の真相は


Q.E.D. iff のシリーズ第11巻。
奥付をみると2018年10月。もう5年ほど前になりますか。amazonでは既に入手困難になっているようです。

「信頼できない語り手」というタイトルとは違い、登場するのは嘘のつけない男ラディッシュ・ボウル。このラディッシュのキャラクターが特徴的ですし、彼をめぐって組み立てられているプロットがかなり複雑で、この長さのマンガとして少々窮屈に感じましたので、長編小説として仕立て直しても面白いのではないだろうかと思えました。

「溺れる鳥」はAI裁判官が導入された近未来の話、となっていて、いつものシリーズ作品とは違い、パラレルワールドの登場人物な燈馬と可奈の物語です。可奈は弁護士になっていますね。
AI裁判官の問題点、ということですが、どちらかというとそれを悪用するあるポジションのほうが問題ではないかと感じました。またその絵解きで使われる殺人現場の見取り図も、説明されている文章ではちょっと問題があるように思えました。AIが思惑通りに解釈しないと思われます。
この点をおいておくと、指紋をめぐるトリックは絵画的で楽しかったですし、犯人限定のポイントもよくあるパターンではありますが要所を掴んで印象的でした。



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C.M.B.森羅博物館の事件目録(39) [コミック 加藤元浩]


C.M.B.森羅博物館の事件目録(39) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(39) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/17
  • メディア: コミック


<帯あらすじ>
「学校の勉強が必要な意味って…?」
高校生の隼人が持つ疑問に、大人は答えてくれない。そんな中、隼人は連休の間だけ山奥に住む叔父の家に預けられることに。
ある日、怪しげな行動をとる叔父を追うと、発掘作業をしているのを見つける。それは何かの化石のようで…
《「パレオパラドキシア」他3編を収録》


この第39巻は、
「想像の殺人」
「パレオパラドキシア」
「ミグラスの冒険」
「空き地の幽霊」
の4話収録。

「想像の殺人」はミステリとしては平凡と言わざるを得ないと思いますが、会社員久保田の視点から語った物語が、別の視点(森羅たち)に切り替わり、すっとテーマが浮かび上がってくるところがいいなと思いました。
タイトルの「想像の殺人」の意味もなかなか気がきいています。

「パレオパラドキシア」は「大学まで行って勉強することに何の意味があるの?」という高校生隼人の問いを扱っています。
割と早い段階で、森羅が
「隼人君はみんないつも意味のある答えを出してくれないって言ったけど
 本当は答えより謎の方を知らないんじゃないの?」
と指摘していて、その森羅の意味を隼人が知るまでの物語。
ミステリとは言い難い物語になっていますが、森羅にふさわしいと思いました。

「ミグラスの冒険」はミウが登場。
殺人現場に残された「ミグラスの冒険」という本。異世界ファンタジー物として内容が紹介されますが、この内容がひどい(笑)。
とはいえ、これに現実の事件が重ね合わされていきます。
ひょっとして安易なファンタジー物に対する加藤元浩の批判が込められているのかもしれませんね。

「空き地の幽霊」は、元液晶パネルの工場があった空き地周りに出没する幽霊話。
他愛もない謎解きになっていますが、ある登場人物をめぐるエピソードのオチには爆笑してしまいました。


今回、いずれの作品もミステリとは違うところで勝負している印象がありました。


タグ:CMB 加藤元浩
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C.M.B.森羅博物館の事件目録(38) [コミック 加藤元浩]


C.M.B.森羅博物館の事件目録(38) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(38) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/06/15
  • メディア: コミック




この第38巻は、
「目撃証人」
「光の巨人」
の2話収録。

「目撃証人」はかなりぎりぎりのところを狙ったミステリ作品です。
小説でやればかなりの確率でアンフェアと言われそう(連城三紀彦あたりなら、さらっと書きそうな気もしますが)。この作品でもちょっと微妙に感じられるところがあります。

「光の巨人」はアイスランドが舞台。
現在のアイスランドと、800年前のアイスランドが交錯します。
扱っているのが聖杯とゲルマンの神々の神話「エッダ」。
クライマックスの洞窟の部屋については疑問が尽きないのですが、800年前のスノッリとノルウェー王ホーコン王の物語が印象に残りました。


タグ:CMB 加藤元浩
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Q.E.D. iff -証明終了-(10) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.iff -証明終了-(10) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.iff -証明終了-(10) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/06/15
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
「アウトローズ」
燈馬&可奈が挑むのは、腕利きの「ワル」達が秘密の得意技で互いを出し抜くゲーム! 舞台は豪華客船、賞金は1億ドル!! 主催者の密命を帯びた燈馬の作戦は?
「ダイイングメッセージ」
南の島にある廃墟ホテルの柱から白骨死体が発見された。このバブル期の遺物に絡みつく複雑な事情が徐々に明かされてきた頃、新たなる犠牲者が…


Q.E.D. iff のシリーズ第10巻。
奥付をみると2018年6月になっていますね。


「アウトローズ」は豪華客船を舞台に繰り広げられる悪党たちの騙し合いゲーム、という趣向。
そこに燈馬と可奈が加わっている、ということは燈馬は主催者と結託している(主催者からなにか面倒なことを頼まれている)というのは読者としては当然の前提として読み進めるわけで、それを突き止めるのが読者の読み方となります。
ゲームが進行しても動かずまったく動じない燈馬の姿も、それがゲームに勝つための燈馬の作戦だとしても、なにか企みがあることを裏打ちしてくれます。
このゲーム自体の複層構造に加え、燈馬による謎解きも二段構えになっているのが楽しい。
”QED” という文字が、可奈の書道で示されるのですが、こちらの二段構えもいいですね。

「ダイイングメッセージ」は、犯人の性格など、事件の建付けそのものに難があるように思われました。トリック自体もちょっと無理があるのですが、それでも視覚的なトリックは非常に印象的です。
途中密室状態で探偵が殴られるという事件が起こりますが、そこで助手が
「探偵としてプライドがなさすぎる!
 密室に閉じ込められ ダイイングメッセージも残さず あまつさえ死体にもなってない!」
というのには笑ってしまいました。


 
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C.M.B.森羅博物館の事件目録(37) [コミック 加藤元浩]


C.M.B.森羅博物館の事件目録(37) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(37) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/02/16
  • メディア: コミック




この第37巻は、
「クロスロード」
「シュロのコイン」
「鉱区A-11」
「猫のシッポ」
の4話収録。

「クロスロード」は美術室で起こる怪現象、という謎は楽しいのですが、壁の絵をめぐるトリックは無理でしょう。一瞬でばれちゃうと思います。
道端くんの将来に幸あれ、と。

「シュロのコイン」はバルカン半島で、何度戦争に巻き込まれても全滅を免れた唯一の村をめぐる謎を扱っています。
森羅が「ものすごくつらい答え」という真相が痛い。

「鉱区A-11」は2075年が舞台で、七瀬は航空宇宙監査官、森羅は宇宙工学博士として登場します。
ここで描かれたようなことが起こるのかわからないのですが、すごく壮大である意味美しいトリックで堪能しました。
自走式入出力用端末ロボットのパルがかわいい。
この作品で描かれているロボット三原則の解釈は新機軸なのではないかと思うのですが、SFに詳しい方のご意見を聞きたいです。

「猫のシッポ」
「僕はどこにでもあるような街に住んでいる」
という独白でスタートした物語が、宝探しを経て
「僕の街は他の街と似ているようで少しだけ違う」
というラストに至る構成が楽しい。
でも、この宝探しの猫が猫に見えない、と言ったら叱られる??



タグ:加藤元浩 CMB
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Q.E.D. iff -証明終了-(9) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.iff -証明終了-(9) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.iff -証明終了-(9) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/02/16
  • メディア: コミック


<カバー裏あらすじ>
「陰火」
夫が妻を殺す事件があったとされる家で怪奇番組を撮影。出演者が、人魂と共に現れた白い影に襲われ、番組はお蔵入りに!可奈が残された映像と過去の事件を辿り!?
「美しい絵」
イギリスで、引退間近の老警部が、マフィアの手下の車からボスの死体を発見。死亡推定時刻に疑問を持ち、被害者が直前まで滞在していた貴族の屋敷に向かうと‥‥?


Q.E.D. iff のシリーズ第9巻。
奥付をみると2018年2月になっていて、5年前ですが、もうamazonでは品切・絶版状態なのですね。

「陰火」は、夫が妻を殺す事件があったとされる、お化けの出そうないわくつきの建物での撮影現場で起きた事件。
陰火というのは人魂のことを言うらしいです。知りませんでした。
この陰火のトリックは面白いのですが(ただ、見た方がこういう風に感じるかはちょっと疑問なのですが、いわくつきの屋敷での心理状態からするとあり得るかな、と)、全体の構図は無理があるように思いました。
過去の事件もするすると燈馬が解いていくところは読みごたえがありましたが。
「燈馬くんはこういう非科学的な話絶対に興味ないだろうな……」という可奈の推測にもかかわらず、ちゃんと手を貸す燈馬はえらい。
ところで、今回の登場人物の名前は、箱根、有馬、道後...と温泉名なのですが、最初に出てくる人物が鳥羽で、???となりました。
鳥羽は高名な観光地ですが、温泉というイメージを持っていなかったからです。でも、ぼくが知らなかっただけで、温泉でも有名なのですね。鳥羽のみなさま、たいへん失礼しました。

「美しい絵」
イギリスの貴族の屋敷を主要な舞台に展開する事件で、燈馬が「これは精密に組まれたパズルです」と評します。
印象的なトリックが盛り込まれていて楽しみましたが、この車を使ったトリック、うまくいかない気がします。
「人は頭の中に絵を持ってる。
 それはとても美しい絵で人はそこに描かれた通りに行動する
 誰かにみせたくてもそれは叶わない
 道徳も法もその絵の前では無力です
 その絵は人を善悪の彼岸に連れてゆく」
というアイボリー警部のセリフが心に残りました。
 

<蛇足1>
もう指摘するのをやめている「一生懸命」ですが、「陰火」ではちゃんと「一所懸命」となっていて、とてもうれしく思いました。
子どもも読むコミックスではこのように、いわゆる(もう「一生懸命」が間違いだと言っても通用しないような感じがしますので、いわゆる、とつけておきます)「正しい日本語」を使ってもらいたいな、と思うので。

<蛇足2>
「美しい絵」に「貴族院に議席を持つ国会議員です」というセリフがあります。
いわゆる上院にあたる議会ですが、House of Lords ですから、「貴族院」ですね。
2009年まで最高裁判所を兼ねていた、というのが驚きです。ー三権分立って何?
未だに選挙ではなく、貴族であることをもって議員資格がある、というのがイギリスらしいですね。

<蛇足3>
ネタバレ気味なので、未読の場合はスキップしてください。
「借りた車は車種や色、年式くらいまでなら覚えていてもナンバーなんかの細かいところまでは気が回らない」
というくだりがあります。
イギリスの車の登録方法では、ナンバープレートのうちの一文字が車の登録年を表すようになっていますので、ちょっと日本とは勝手が違いますね──もちろん、このことでこの作品のトリックが揺るぐものではありませんが。


<2023.7.27追記>
このブログのタイトルのところで、巻数を間違って(8) と書いていました。
正しく(9) に修正しました。




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C.M.B.森羅博物館の事件目録(36) [コミック 加藤元浩]


C.M.B.森羅博物館の事件目録(36) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(36) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/10/17
  • メディア: コミック



この第36巻は、
「山の医師」
「ルバイヤートの物語」
「かすみ荘事件」
の3話収録。

「山の医師」はチベット医の師匠が遺した薬箱の行方を捜す物語。チベット仏教の教えに則った謎解きが楽しかったですね。

「ルバイヤートの物語」は舞台がイスラム世界。森羅たちにいる現代の謎解きと、11世紀のサマルカンドの、ハサン・サッバーフとオマル・ハイヤームの物語が交互に綴られます。
マンガでなければ納得できなそうな殺人トリックが出てきて楽しい(といいながら、実は、マンガで図解されてもあまり納得できなかったのですが)。
ルバイヤートの成立過程って、ほんとにこんな感じだったのでしょうか?

「かすみ荘事件」は、新宿近く(だと思われます)の古い土地・建物を舞台に事件が発生します。
「捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書」 (講談社文庫)に出てくる刑事・七夕菊乃が再登場します。
おもしろい思いつきをベースにしたトリックが秀逸なのですが、絶滅したと考えられていたのち再発見されたもののごく珍しいヤマトセンブリを手がかりとするのは少々無理があるような気がしました。
とはいえ、いいトリックだと思います。


タグ:加藤元浩 CMB
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Q.E.D. iff -証明終了-(8) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.iff -証明終了-(8) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.iff -証明終了-(8) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/10/17
  • メディア: コミック


<カバー裏あらすじ>
「海辺の目撃者」
瀬戸内の島に住む男子高校生が、フェリーの上から、廃工場での殺人を目撃。釣船店を切り盛りする女性が疑われるが、彼女が犯人とは思えない青年は、記憶を辿り……?
「白いカラス」
資産家の遺産分配に立ち会うことになった燈馬と可奈。弁護士による遺産隠しを疑う遺族たちに協力することになるが、途中で可奈とケンカした燈馬が帰ってしまい!?


Q.E.D. iff のシリーズ第8巻。

「海辺の目撃者」は、男子高校生の目撃談から出発しているのですが、この決着はありえないと思います。混乱する記憶、といいますが、そもそも物語の出発点として成立していないように思います。
すくなくとも男子高校生の視点とは違う地点から物語を描いていかないと、単なるインチキだと感じてしまいます。

「白いカラス」は遺産相続をめぐる遺族たちの醜い姿にうんざりできますが、ストーリーの意外性は十分かと思います。
それに絡めて、タイトルにも関連するのですが、燈馬と可奈の仲違いが描かれるのですが、こちらの話も少々窮屈に作りすぎていて、素直には受け止められませんでした。

ということで、この「Q.E.D.iff -証明終了-(8)」 (講談社コミックス月刊マガジン)は個人的には厳しい感想となってしまいました。残念。


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